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第37話「毎日が勉強と実践、そして結果が出た!」
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王都を出発する期限が迫る中……
失恋の痛手から何とか立ち直り……
リオネルはきっちりと予定を立て、充実した毎日を過ごしていた。
朝早く起きて、アンセルムと一緒に王都の市場へ買い出しへ。
数えきれない食材等の種類、値段、相場、産地などを次々に憶える。
料理法もその場で聞いて憶える。
分からない、不明な事があればどんどん聞いて行く。
そして市場の人々と話し、流通の仕組みを学ぶ。
宿へ戻ったら、朝食の支度を中心に宿屋の業務を手伝う。
短期間の間に、リオネルの料理の腕は著しく上達していた。
元々、実家で簡単な料理を作っており、面倒な準備、後片付けも苦にならない。
アンセルムからは、宿屋の厨房を任せても構わないと言われるくらいだ。
チートスキル『見よう見まね』の能力でアンセルムの腕前を取り入れたのは勿論だが、リオネル自身の真摯な努力が実を結んでいた。
また宿の業務も完全に習得し、経営の手ほどきも受けている。
「宿屋の跡継ぎになれ」と、リオネルへ告げたアンセルムは『本気』であった。
……朝食を食べたら、午前8時に冒険者ギルドへ。
ラッシュで込み合う1階をスルーし、カウンターのナタリーへ迷惑にならない程度の挨拶だけしておく。
「おはようございます! ナタリーさん!」
「おはようございます! リオネルさん!」
手痛い失恋の傷を無理やり隠し、リオネルは敢えて元気に挨拶する。
ナタリーに罪は全くない。
改めて思う。
「男子として魅力のない、自分の至らなさがダメなのだ」と。
それゆえアンセルムのアドバイスを実感する。
「男子としての器を磨きたい!」と一層気合を入れる。
高望みはしない。
もてようと思わない。
だが、せめて!『頼られる男子』になりたい!
午前はギルドの各種講義を受講し、既存の能力を向上させながら、新規の特技も学んで行った。
各講義の実践で、猛者と言われる様々なランカー達と、模擬戦を行い、腕を磨く。
剣以外に打撃武器の講座では、メイスとこん棒の使い方を習い、熱心に演習する。
様々な武器に興味を持った事と、派手に致命傷を与えないで、敵を戦闘不能にするケースを考えての事だ。
極限状況下へ陥った場合も考え、サバイバル術も学ぶ。
原野でたったひとりきりになった場合、生き抜く為の心構えに始まり……
水の重要さ、見つけ方。
魔法に頼らない火のおこし方、かまどの作り方。
食料の見つけ方……食用となる野草の知識、毒草、毒キノコの見分け方、
罠による獣、魚の捕らえ方、釣り具の製作、釣りの方法。
野外料理を含めたナイフの使い方等々も覚え、実践する。
……どれもこれも、面白くて夢中となる。
「馬にも乗れた方が良い、馬車の御者も出来ればなおベストだ」と言われ、
ギルドの好意により、ギルド内の厩舎と馬場で、たっぷり指導を受け、乗馬にいそしみ、徹底的に御者の練習をさせて貰った。
ここでも、お約束。
チートスキル『見よう見まね』が発動。
何と何と!
騎乗、御者の指導教官の技術習得だけでなく、『馬』の能力自体も習得してしまった。
その後、出発まで真面目に訓練をしたので、リオネルは騎乗、御者技術とも相当の腕となり、走行能力も大幅に向上した。
そして寸時を惜しみ、図書館で勉強もし、魔法のみではなく、雑学ともいえる数多の知識も得る。
不明な事があれば、ギルド内を探し、質問し更に学ぶ。
午後は『ゴブリン渓谷』へ出かけ、ひたすらゴブリンと戦う。
習い覚えたばかりのメイスとこん棒も使い、熟練度を上げて行く。
リオネルの大成功の報を聞き、他の冒険者も多数、ゴブリン渓谷へ赴いていた。
砂金を始めとして、価値のある鉱石採取も拍車をかけている。
金になると踏んでの事だ。
風体を聞いたらしく……
多くの冒険者達が名乗り問いかけ、リオネルと確かめた上で、共闘を持ち掛けて来た。
リオネルは、その中で真面目で礼儀正しい者とのみ、臨時でクランを組み……
渓谷の洞窟、つまりゴブリンの巣穴探索にも挑む。
暗く入り組んだ巣穴の探索は、照明魔法の試運転と熟練度アップ、迷宮探索、そしてクラン形式バトルの良い練習にもなった。
相手の魔法に注意し、ゴブリンシャーマンも数体倒す。
ゴブリンシャーマンは初級レベルの『地』の攻防魔法、及び死霊術を使う。
最初は戦い方の勝手が分からなかったが……
ギルド講座の指導を思い出し、組んだ冒険者が戦うのを見て覚え、だんだんと慣れて行った。
ゴブリンシャーマンとの戦いは、さほど危険な状況にならなかった。
だが魔法を行使する相手との戦いは、まだまだ経験が必要だと実感し、改めて気を引き締めた。
誰もが、対ゴブリン戦におけるリオネルの無双ぶりに驚く。
だが、ギフトスキル『ゴブリンハンター』の事は一切漏らさない。
リオネルの能力に感嘆した大勢の冒険者から、
「仲間にならないか」「クランへ入らないか」と勧誘された。
だが、断る!
とリオネルは断った。
しばらくは、自分のペースで修行しようと決めていたからだ。
習得したチートスキル等々の秘密を守りたい気持ちもある。
午後の討伐を早めに切り上げ、夕方早めには王都へ戻り、再び宿での仕事を手伝う。
夕飯の支度と片付けがメインだ。
仕事が終わった後、部屋で魔導書や魔物の図鑑などを読み込んでから就寝する。
そんな1日のスケジュールだった。
真摯な取り組みに対し、『結果』はすぐに表れた。
レベルは『13』へアップ。
全ての能力が上昇するとともに……
チートスキル『エヴォリューシオ』『ボーダーレス』の効果により、
生活初歩魔法『炎』が、火属性攻撃魔法『炎弾』へ進化し、習得した。
リオネルは、全属性魔法使用者への第一歩、
複数属性魔法使用者となったのである。
またゴブリンシャーマンなどの上位種を含めた、8千体に迫る大量のゴブリン通算討伐数により……何と! リオネルは『ゴブリン渓谷討伐者』だという判断がギルドから為された。
依頼の完遂が認められ、通常の討伐料とは別に、特別報奨金『金貨1,000枚』が授与された。
またリオネルの大成功に触発され、数多の冒険者が加わり、ゴブリン渓谷のゴブリンが大量に討伐される事となり……その結果、ゴブリンの襲撃被害が激減。
気を良くした王国は今度こそ本腰を入れて、ゴブリン討伐に乗り出す事となった。
1体『銅貨5枚』はあまりにも安い!と悪評判の討伐料を、
『渓谷限定特別割り増し討伐料金』の、『銀貨1枚』に統一したのである。
つまりギルドの依頼さえ受ければ、渓谷を含め、どこでゴブリンを討伐しても、
1体につき、銀貨1枚の報酬となった。
この決定には、ギルドも冒険者達も大喜びしたのはいうまでもない。
という事で、リオネルは、この依頼完遂が及ぼした様々な功績により、ランクBへ昇格した。
ギルドへ入った時は最底辺、ランク『F』から、超が付く急上昇!
まさに驚異!! といえるたった1か月間。
リオネルは、夢ともいえる上級冒険者『ランカー』となったのである。
失恋の痛手から何とか立ち直り……
リオネルはきっちりと予定を立て、充実した毎日を過ごしていた。
朝早く起きて、アンセルムと一緒に王都の市場へ買い出しへ。
数えきれない食材等の種類、値段、相場、産地などを次々に憶える。
料理法もその場で聞いて憶える。
分からない、不明な事があればどんどん聞いて行く。
そして市場の人々と話し、流通の仕組みを学ぶ。
宿へ戻ったら、朝食の支度を中心に宿屋の業務を手伝う。
短期間の間に、リオネルの料理の腕は著しく上達していた。
元々、実家で簡単な料理を作っており、面倒な準備、後片付けも苦にならない。
アンセルムからは、宿屋の厨房を任せても構わないと言われるくらいだ。
チートスキル『見よう見まね』の能力でアンセルムの腕前を取り入れたのは勿論だが、リオネル自身の真摯な努力が実を結んでいた。
また宿の業務も完全に習得し、経営の手ほどきも受けている。
「宿屋の跡継ぎになれ」と、リオネルへ告げたアンセルムは『本気』であった。
……朝食を食べたら、午前8時に冒険者ギルドへ。
ラッシュで込み合う1階をスルーし、カウンターのナタリーへ迷惑にならない程度の挨拶だけしておく。
「おはようございます! ナタリーさん!」
「おはようございます! リオネルさん!」
手痛い失恋の傷を無理やり隠し、リオネルは敢えて元気に挨拶する。
ナタリーに罪は全くない。
改めて思う。
「男子として魅力のない、自分の至らなさがダメなのだ」と。
それゆえアンセルムのアドバイスを実感する。
「男子としての器を磨きたい!」と一層気合を入れる。
高望みはしない。
もてようと思わない。
だが、せめて!『頼られる男子』になりたい!
午前はギルドの各種講義を受講し、既存の能力を向上させながら、新規の特技も学んで行った。
各講義の実践で、猛者と言われる様々なランカー達と、模擬戦を行い、腕を磨く。
剣以外に打撃武器の講座では、メイスとこん棒の使い方を習い、熱心に演習する。
様々な武器に興味を持った事と、派手に致命傷を与えないで、敵を戦闘不能にするケースを考えての事だ。
極限状況下へ陥った場合も考え、サバイバル術も学ぶ。
原野でたったひとりきりになった場合、生き抜く為の心構えに始まり……
水の重要さ、見つけ方。
魔法に頼らない火のおこし方、かまどの作り方。
食料の見つけ方……食用となる野草の知識、毒草、毒キノコの見分け方、
罠による獣、魚の捕らえ方、釣り具の製作、釣りの方法。
野外料理を含めたナイフの使い方等々も覚え、実践する。
……どれもこれも、面白くて夢中となる。
「馬にも乗れた方が良い、馬車の御者も出来ればなおベストだ」と言われ、
ギルドの好意により、ギルド内の厩舎と馬場で、たっぷり指導を受け、乗馬にいそしみ、徹底的に御者の練習をさせて貰った。
ここでも、お約束。
チートスキル『見よう見まね』が発動。
何と何と!
騎乗、御者の指導教官の技術習得だけでなく、『馬』の能力自体も習得してしまった。
その後、出発まで真面目に訓練をしたので、リオネルは騎乗、御者技術とも相当の腕となり、走行能力も大幅に向上した。
そして寸時を惜しみ、図書館で勉強もし、魔法のみではなく、雑学ともいえる数多の知識も得る。
不明な事があれば、ギルド内を探し、質問し更に学ぶ。
午後は『ゴブリン渓谷』へ出かけ、ひたすらゴブリンと戦う。
習い覚えたばかりのメイスとこん棒も使い、熟練度を上げて行く。
リオネルの大成功の報を聞き、他の冒険者も多数、ゴブリン渓谷へ赴いていた。
砂金を始めとして、価値のある鉱石採取も拍車をかけている。
金になると踏んでの事だ。
風体を聞いたらしく……
多くの冒険者達が名乗り問いかけ、リオネルと確かめた上で、共闘を持ち掛けて来た。
リオネルは、その中で真面目で礼儀正しい者とのみ、臨時でクランを組み……
渓谷の洞窟、つまりゴブリンの巣穴探索にも挑む。
暗く入り組んだ巣穴の探索は、照明魔法の試運転と熟練度アップ、迷宮探索、そしてクラン形式バトルの良い練習にもなった。
相手の魔法に注意し、ゴブリンシャーマンも数体倒す。
ゴブリンシャーマンは初級レベルの『地』の攻防魔法、及び死霊術を使う。
最初は戦い方の勝手が分からなかったが……
ギルド講座の指導を思い出し、組んだ冒険者が戦うのを見て覚え、だんだんと慣れて行った。
ゴブリンシャーマンとの戦いは、さほど危険な状況にならなかった。
だが魔法を行使する相手との戦いは、まだまだ経験が必要だと実感し、改めて気を引き締めた。
誰もが、対ゴブリン戦におけるリオネルの無双ぶりに驚く。
だが、ギフトスキル『ゴブリンハンター』の事は一切漏らさない。
リオネルの能力に感嘆した大勢の冒険者から、
「仲間にならないか」「クランへ入らないか」と勧誘された。
だが、断る!
とリオネルは断った。
しばらくは、自分のペースで修行しようと決めていたからだ。
習得したチートスキル等々の秘密を守りたい気持ちもある。
午後の討伐を早めに切り上げ、夕方早めには王都へ戻り、再び宿での仕事を手伝う。
夕飯の支度と片付けがメインだ。
仕事が終わった後、部屋で魔導書や魔物の図鑑などを読み込んでから就寝する。
そんな1日のスケジュールだった。
真摯な取り組みに対し、『結果』はすぐに表れた。
レベルは『13』へアップ。
全ての能力が上昇するとともに……
チートスキル『エヴォリューシオ』『ボーダーレス』の効果により、
生活初歩魔法『炎』が、火属性攻撃魔法『炎弾』へ進化し、習得した。
リオネルは、全属性魔法使用者への第一歩、
複数属性魔法使用者となったのである。
またゴブリンシャーマンなどの上位種を含めた、8千体に迫る大量のゴブリン通算討伐数により……何と! リオネルは『ゴブリン渓谷討伐者』だという判断がギルドから為された。
依頼の完遂が認められ、通常の討伐料とは別に、特別報奨金『金貨1,000枚』が授与された。
またリオネルの大成功に触発され、数多の冒険者が加わり、ゴブリン渓谷のゴブリンが大量に討伐される事となり……その結果、ゴブリンの襲撃被害が激減。
気を良くした王国は今度こそ本腰を入れて、ゴブリン討伐に乗り出す事となった。
1体『銅貨5枚』はあまりにも安い!と悪評判の討伐料を、
『渓谷限定特別割り増し討伐料金』の、『銀貨1枚』に統一したのである。
つまりギルドの依頼さえ受ければ、渓谷を含め、どこでゴブリンを討伐しても、
1体につき、銀貨1枚の報酬となった。
この決定には、ギルドも冒険者達も大喜びしたのはいうまでもない。
という事で、リオネルは、この依頼完遂が及ぼした様々な功績により、ランクBへ昇格した。
ギルドへ入った時は最底辺、ランク『F』から、超が付く急上昇!
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