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第4話「バカ! ゴミ! 汚物! 人生の負け犬! 言葉の暴力大炸裂!」
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リオネルの父ジスラン50歳は、このソヴァール王国第一の実力を持つ魔法使いと称えられていた。
王家に使える宮廷魔法使いでもあり、ディドロ家10代目の当主である。
レベルは70。
ジスランは、代々続く魔法使い、ディドロ家の名を高める事に腐心していた。
それゆえ才あるふたりの兄に比べ、超が付く劣等生リオネルの存在が疎ましい。
今日も血を分けた実子と思えないくらいに、激しく罵倒する。
リオネルが授かったスキルが『くそハズレ』と言われた事を嘆き、一層拍車がかかる。
司祭の予想は、そしてリオネルの嫌な予感はやはりドンピシャとばかりに当たっていたのだ。
「おい! リオネル! くそバカ! ゴミ野郎! ディドロ家の汚物! 人生の負け犬! いくら言っても足りん! この恥さらしめえ! 意気地もなく面汚しのお前が創世神様から授かったのは、お前の魔法の才能同様、『ど』が付くくらいな、くそスキルだあ!」
実の父とは思えない罵詈雑言。
情け容赦ない言葉の暴力が、リオネルの繊細な心を深く深く、えぐって行く。
「…………」
怒髪天を衝く。
憤怒の父へ、何も言い返せない。
リオネルは完全に怯え、心身が縮こまっていた。
父は更に、リオネルへとどめを刺す。
「はっ! 出来損ないで弱虫、ハンパ者のお前が居るだけで、誇り高き我が家が、王国中から物笑いの種となるわあ!」
そして、兄ふたりも父同様に容赦がない。
肉親の情など皆無である。
レベル50、魔法省エリート官僚のイケメン長男ケヴィン25歳は、
「リオネル! 父上のおっしゃる通りだ! くそな貴様のせいで、名門貴族令嬢との縁談が、破談になったらどう責任を取る!? 絶対に許さんぞ!」
もうひとりのイケメン兄。
レベルは40。
魔法大学を首席で卒業し、やはり魔法省へ就職が内定している次男セルジュ22歳も、
「そうだそうだ! せっかく魔法省へ内定したのに、屑のお前が身内に居るせいで経歴に傷がつく! 俺はケヴィン兄上みたいにエリート官僚へ出世したいんだ! 父上のおっしゃる通り、お前みたいな人生の負け犬にはなりたかねえ! さっさと俺の前から消えうせろ!」
「ち、父上も、あ、兄上達も……いつもながら、ひでぇ……」
これでもかとふりかかる、父、兄達からの罵倒の嵐……
リオネルの心は、超が付くパワハラで傷つきズタズタとなる。
しかし、父は更に言う。
「俺は勿論、才ある兄達は、我がディドロ家の至宝だ! たかがレベル5の、ゴミ屑ごとき最底辺のお前に何を言おうと酷くないわあ!」
「う、ううう……ゴミ屑……最底辺……」
「ふん! 否定出来るのか? 出来んだろうが! それよりもリオネルよ、お前は『最後のチャンス』を逃したのだぞ」
最後のチャンス!?
意味ありげに言う父。
リオネルは本能的に嫌な予感がした。
ま、まさか!
と思いながら、リオネルは勢い込んで尋ねる。
「さ、さ、最後のチャンスって!? ど、ど、どういう事ですか、父上!」
「ああ、言葉通りだ。今日お前が授かるスキルがある程度のものならば、まだ愚鈍なお前が我が家に留まる余地はあった」
「え? 俺が我が家に留まる余地?」
「そうだ、リオネル! 我がディドロ家が恥を耐え忍び、魔法学校を卒業させてやっただけ感謝しろ! お前は当分の間、ひとりで修行の旅に出ろ。我が家を離れるんだ。うむ、そうだな……最低でもレベル30以上にならねば戻る事は許さぬ。二度と帰って来ずとも構わぬ!」
「そ、そんなあ……ち、父上」
ここで父ジスランはニタリと笑う。
「ふふふ、あまり重く考えるな。誉れ高き我がディドロ家の血を継ぐ者ならレベル30到達など楽勝だろ」
「ら、楽勝だろって……」
ががががーんんん!!!
と、絶望の鐘がリオネルの心に轟き、何度も鳴り響いた。
冷たく笑う父は、現時点でレベル5のリオネルがレベル30になるのが、絶対に無理だと知って言っていた。
つまりは親子の縁を切り、勘当する!
……と、いう事だ。
「そもそも我がソヴァール王国においては、騎士も18歳で他家へ行儀見習いか、国内外へ修行の旅に出る。リオネル、お前も武者修行を兼ね、心身を鍛えるのだ」
「う、ううう……」
呆然とするリオネルに対し……
父と示し合わせていたらしい兄たちも、せせら笑って追随する。
「ははは、そうだ、リオネル! 父上のおっしゃる通りだ! 我が家を出て修行へ行け! お前のくそ暗い顔を見ないと思えば、せいせいする!」
「ざまあみろ、リオネル。たったレベル5のくそなお前が30にレベルアップするなんぞ到底無理に決まってる! お前は行儀見習い&修行という名の、実質『追放』だあ! きたね~ゴミ屑は、二度と帰って来るな!」
家のメンツだけを重んじる父親の冷酷非道な通告、兄達の容赦ない罵倒の中……
何と何と!!
哀れリオネルは、実家から『追放』されてしまったのである。
王家に使える宮廷魔法使いでもあり、ディドロ家10代目の当主である。
レベルは70。
ジスランは、代々続く魔法使い、ディドロ家の名を高める事に腐心していた。
それゆえ才あるふたりの兄に比べ、超が付く劣等生リオネルの存在が疎ましい。
今日も血を分けた実子と思えないくらいに、激しく罵倒する。
リオネルが授かったスキルが『くそハズレ』と言われた事を嘆き、一層拍車がかかる。
司祭の予想は、そしてリオネルの嫌な予感はやはりドンピシャとばかりに当たっていたのだ。
「おい! リオネル! くそバカ! ゴミ野郎! ディドロ家の汚物! 人生の負け犬! いくら言っても足りん! この恥さらしめえ! 意気地もなく面汚しのお前が創世神様から授かったのは、お前の魔法の才能同様、『ど』が付くくらいな、くそスキルだあ!」
実の父とは思えない罵詈雑言。
情け容赦ない言葉の暴力が、リオネルの繊細な心を深く深く、えぐって行く。
「…………」
怒髪天を衝く。
憤怒の父へ、何も言い返せない。
リオネルは完全に怯え、心身が縮こまっていた。
父は更に、リオネルへとどめを刺す。
「はっ! 出来損ないで弱虫、ハンパ者のお前が居るだけで、誇り高き我が家が、王国中から物笑いの種となるわあ!」
そして、兄ふたりも父同様に容赦がない。
肉親の情など皆無である。
レベル50、魔法省エリート官僚のイケメン長男ケヴィン25歳は、
「リオネル! 父上のおっしゃる通りだ! くそな貴様のせいで、名門貴族令嬢との縁談が、破談になったらどう責任を取る!? 絶対に許さんぞ!」
もうひとりのイケメン兄。
レベルは40。
魔法大学を首席で卒業し、やはり魔法省へ就職が内定している次男セルジュ22歳も、
「そうだそうだ! せっかく魔法省へ内定したのに、屑のお前が身内に居るせいで経歴に傷がつく! 俺はケヴィン兄上みたいにエリート官僚へ出世したいんだ! 父上のおっしゃる通り、お前みたいな人生の負け犬にはなりたかねえ! さっさと俺の前から消えうせろ!」
「ち、父上も、あ、兄上達も……いつもながら、ひでぇ……」
これでもかとふりかかる、父、兄達からの罵倒の嵐……
リオネルの心は、超が付くパワハラで傷つきズタズタとなる。
しかし、父は更に言う。
「俺は勿論、才ある兄達は、我がディドロ家の至宝だ! たかがレベル5の、ゴミ屑ごとき最底辺のお前に何を言おうと酷くないわあ!」
「う、ううう……ゴミ屑……最底辺……」
「ふん! 否定出来るのか? 出来んだろうが! それよりもリオネルよ、お前は『最後のチャンス』を逃したのだぞ」
最後のチャンス!?
意味ありげに言う父。
リオネルは本能的に嫌な予感がした。
ま、まさか!
と思いながら、リオネルは勢い込んで尋ねる。
「さ、さ、最後のチャンスって!? ど、ど、どういう事ですか、父上!」
「ああ、言葉通りだ。今日お前が授かるスキルがある程度のものならば、まだ愚鈍なお前が我が家に留まる余地はあった」
「え? 俺が我が家に留まる余地?」
「そうだ、リオネル! 我がディドロ家が恥を耐え忍び、魔法学校を卒業させてやっただけ感謝しろ! お前は当分の間、ひとりで修行の旅に出ろ。我が家を離れるんだ。うむ、そうだな……最低でもレベル30以上にならねば戻る事は許さぬ。二度と帰って来ずとも構わぬ!」
「そ、そんなあ……ち、父上」
ここで父ジスランはニタリと笑う。
「ふふふ、あまり重く考えるな。誉れ高き我がディドロ家の血を継ぐ者ならレベル30到達など楽勝だろ」
「ら、楽勝だろって……」
ががががーんんん!!!
と、絶望の鐘がリオネルの心に轟き、何度も鳴り響いた。
冷たく笑う父は、現時点でレベル5のリオネルがレベル30になるのが、絶対に無理だと知って言っていた。
つまりは親子の縁を切り、勘当する!
……と、いう事だ。
「そもそも我がソヴァール王国においては、騎士も18歳で他家へ行儀見習いか、国内外へ修行の旅に出る。リオネル、お前も武者修行を兼ね、心身を鍛えるのだ」
「う、ううう……」
呆然とするリオネルに対し……
父と示し合わせていたらしい兄たちも、せせら笑って追随する。
「ははは、そうだ、リオネル! 父上のおっしゃる通りだ! 我が家を出て修行へ行け! お前のくそ暗い顔を見ないと思えば、せいせいする!」
「ざまあみろ、リオネル。たったレベル5のくそなお前が30にレベルアップするなんぞ到底無理に決まってる! お前は行儀見習い&修行という名の、実質『追放』だあ! きたね~ゴミ屑は、二度と帰って来るな!」
家のメンツだけを重んじる父親の冷酷非道な通告、兄達の容赦ない罵倒の中……
何と何と!!
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