召喚された少年は公爵様に愛される

44話 ノアの捜索④

ミラー伯爵令嬢を探している理由を話すことをすっかり忘れていたライアンはヴェルナーに説明をしていた。


「すまん、忘れていた。まずどこから話せばいいだろうか。」

まずは、ノアが居なくなった経緯から話し始めた。そして、王都でミラー伯爵令嬢に声をかけかれ、その時にノアが精霊士だということを知っている。だからバラしてほしくなければ公爵夫人の座が欲しいと言われたこと。
それらを踏まえて犯人はメアリー・ミラー以外いないのではという結論に至ったということを話した。

「なんでノアが精霊士だって知ってるんだよ？」

「ああ、それはな、」

王都で会った時、説明されたことをそのままヴェルナーに話した。すると...

「なんだその能力は！どの魔導書にもそのような能力は見たことがないぞ。色で見分けることができるなんて、魔眼のように生まれつきのものか？......どちらにしろ欲しい！そいつをとっ捕まえたら俺にくれよ。死んでてもいい。眼だけ貰えればいいんだ。」

ミラー伯爵令嬢の能力がお気に召したのか。興味津々でついには欲しいと言い出した。眼だけなど伯爵家の人間をいとも簡単に殺せるわけがないだろ。戦争ではないのだぞ。この魔術バカが、

興奮したヴェルナーを落ち着かせライアンは少し呆れ気味で話を続けた。

「殺すつもりはない、捕まえるだけだ。ノアを助け出し取引をする。それが目的だ。私の伴侶はノアだけだ。」

「じゃあ終わったら好きにしていいってことだな？公爵邸に来て本当によかった～。ちょうど新しい研究のネタ探してたんだよ。」

はぁ、まぁやる気になってくれたことはよしとしよう。
ノアに興味を示していたら今頃どうなっていたか...考えるだけで怖い。
精霊に無関心でよかったと思うのだった。




ノア視点

何時間経っただろうか。目隠しをされているので外の様子は確認できない。
待ってるのも暇だからどうにかしようと考えたが無理だった。
まぁ僕にできることなんて精霊に力を借りるくらいなんだから仕方ないけど。
魔力を断つって言ってたけどメリメ達は大丈夫なのかな？


ふぁ～......なんか眠たいな....ちょっとくらい寝てもいいよね。