上 下
33 / 57

32話 公爵邸の外①

しおりを挟む
町は想像以上に賑わっていた。雰囲気はThe・中世といったところだろうか。馬車が町中を走っているなんて初めて見た。周りをキョロキョロしながら感心していると一緒に来た使用人のミエールが話してきた。

「町に来たのは初めて?マーフィー公爵様の町は観光地としてすごーく有名なの。」

「へぇ!そうなんだ。だからこんなに綺麗なんだね。それで今から行くところってどこにあるの?」

「あと少し歩いたら公爵家が懇意にしている店があるはずなのよ。私も足を運ぶのは初めてなんだけどね。」

屋台や花屋、噴水なんかもあってそこでは子供たちが元気に遊んでいた。この町の平和もライアン様が頑張ってるからなんだなと思い、僕は凄い人と一緒にいたんだと感じた。
しばらく道を歩いているとどんどん町から遠くなっているような....気のせいだろうか。

「あれ?ここどこ....?この道を行くのかな...それともあっちの曲がり角?さっきのところで間違ったのかな~」

「町から離れてる気がするのは僕だけ?....」


「.........ごめん迷っちゃった!」

町にきたのが初めてなのでもちろん道などわからないし、ミエールが持っている地図は簡単に描かれたものでよく分からなかった。
ミエールはあたふたして地図を見ながらキョロキョロしているがよく分かっていないようだ。
本当にどうしよう.....
来たことのない所だから手当たり次第道を行くしかない!そう決心すると、頭の中で声が響いた。

『ノア様、ノア様ー』

その声の正体はララだった。

『この光の精霊がお店まで導くよー』

調子良く言ってくる。なんだか僕の役に立ちたいとうずうずしているようだった。それにしても精霊はなんでも出来るんだなと感心するばかりだ。

『案内してくれるの?』

『もちろーん案内するー』

行く方法が見つかり少しほっとしたが、まだ問題はある.....ミエールになんで言おうか。行き当たりばったりで行こうと言ってララに教えて貰おうと考えた。

「とりあえず歩いてみないとね。町から離れちゃったからとりあえず戻ろうよ。」

「ごめんね....町から離れちゃったし戻らないとね。」

申し訳なさそうに謝った。道を間違えただけなので乃亜も特に怒ってはいなかった。町を歩けるのが嬉しいので別によかった。

『こっちを右~、まっすぐ歩いてーそれで二個目の曲がり角を左だよー』

『ありがとう!』

『えへへへ、えらいでしょーこう見えてアテナよりも長く生きてるんだからー』

アテナと比べているということはやっぱり役に立ちたくてウズウズしていたのだろうか。
精霊って何年くらい生きてるんだろと疑問になる。100年くらいかな?でも死なないんだっけじゃあもっと生きているのかなー?色々考えながらもララの言う通り歩いて行くと町の方に着いた。

「あっ!あれよ!あれがお店ノアは天才だわ!ありがとう」

興奮気味で御礼を言われ先程までどんよりとしていた雰囲気が一気に明るくなった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

独創スキルを手に入れたのでアダルトグッズ作ります

海月ウミヅキ
BL
恋人に手ひどくフラれたその日、不慮の事故により異世界へとやってきたフユキ 手に入れたスキルでどうにか生き延びようと奮闘するが…… 無口なクールワンコ(系)×強気で口の悪いツンデレ で織りなす、ハートフル(予定)なほのぼの(予定)異世界ファンタジーBL ⚠︎タイトル通り、アダルトグッズが度々登場する予定です。 ある程度設定は組んでますが、ご都合主義⚠︎ ※性描写を含みます※

愛され末っ子

西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。 リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。 (お知らせは本編で行います。) ******** 上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます! 上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、 上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。 上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的 上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン 上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。 てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。 (特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。 琉架の従者 遼(はる)琉架の10歳上 理斗の従者 蘭(らん)理斗の10歳上 その他の従者は後々出します。 虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。 前半、BL要素少なめです。 この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。 できないな、と悟ったらこの文は消します。 ※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。 皆様にとって最高の作品になりますように。 ※作者の近況状況欄は要チェックです! 西条ネア

幼い精霊を預けられたので、俺と主様が育ての父母になった件

雪玉 円記
BL
ハイマー辺境領主のグルシエス家に仕える、ディラン・サヘンドラ。 主である辺境伯グルシエス家三男、クリストファーと共に王立学園を卒業し、ハイマー領へと戻る。 その数日後、魔獣討伐のために騎士団と共に出撃したところ、幼い見た目の言葉を話せない子供を拾う。 リアンと名付けたその子供は、クリストファーの思惑でディランと彼を父母と認識してしまった。 個性豊かなグルシエス家、仕える面々、不思議な生き物たちに囲まれ、リアンはのびのびと暮らす。 ある日、世界的宗教であるマナ・ユリエ教の教団騎士であるエイギルがリアンを訪ねてきた。 リアンは次代の世界樹の精霊である。そのため、次のシンボルとして教団に居を移してほしい、と告げるエイギル。 だがリアンはそれを拒否する。リアンが嫌なら、と二人も支持する。 その判断が教皇アーシスの怒髪天をついてしまった。 数週間後、教団騎士団がハイマー辺境領邸を襲撃した。 ディランはリアンとクリストファーを守るため、リアンを迎えにきたエイギルと対峙する。 だが実力の差は大きく、ディランは斬り伏せられ、死の淵を彷徨う。 次に目が覚めた時、ディランはユグドラシルの元にいた。 ユグドラシルが用意したアフタヌーンティーを前に、意識が途絶えたあとのこと、自分とクリストファーの状態、リアンの決断、そして、何故自分とクリストファーがリアンの養親に選ばれたのかを聞かされる。 ユグドラシルに送り出され、意識が戻ったのは襲撃から数日後だった。 後日、リアンが拾ってきた不思議な生き物たちが実は四大元素の精霊たちであると知らされる。 彼らとグルシエス家中の協力を得て、ディランとクリストファーは鍛錬に励む。 一ヶ月後、ディランとクリスは四大精霊を伴い、教団本部がある隣国にいた。 ユグドラシルとリアンの意思を叶えるために。 そして、自分達を圧倒的戦闘力でねじ伏せたエイギルへのリベンジを果たすために──……。 ※一部に流血を含む戦闘シーン、R-15程度のイチャイチャが含まれます。 ※現在、改稿したものを順次投稿中です。  詳しくは最新の近況ボードをご覧ください。

神々にもてあそばれて転生したら神様扱いされました。

咲狛洋々
BL
子供を庇って死んでしまった神居都は、死後の世界で自分の子供が命を狙われている事を知る。その命を狙うのは異世界の神だった。子供を守る為、転生を求める神々の試練に挑む。 しかし、まさか転生先が男しかいない獣人世界とは知らず、男に転生するのか女で転生するのか。放り出された異世界で神様と崇められながら、ハーレムルートで新たな人生を歩み出す。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『狼と人間、そして半獣の』 メインのお話が完結し、二人の子供が生まれてからの お話を始めました! 転生者の人間と獣人との間に生まれた半獣のクロウが 成長して冒険に出るまでを予定しています。 複雑な設定では無いので、気楽に読んで頂けると 嬉しいです! こちらのお話も、是非 宜しくお願いします!

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

【連載】異世界でのんびり食堂経営

茜カナコ
BL
異世界に飛ばされた健(たける)と大翔(ひろと)の、食堂経営スローライフ。

BLゲームのモブとして転生したはずが、推し王子からの溺愛が止まらない~俺、壁になりたいって言いましたよね!~

志波咲良
BL
主人公――子爵家三男ノエル・フィニアンは、不慮の事故をきっかけに生前大好きだったBLゲームの世界に転生してしまう。 舞台は、高等学園。夢だった、美男子らの恋愛模様を壁となって見つめる日々。 そんなある日、推し――エヴァン第二王子の破局シーンに立ち会う。 次々に展開される名シーンに感極まっていたノエルだったが、偶然推しの裏の顔を知ってしまい――? 「さて。知ってしまったからには、俺に協力してもらおう」 ずっと壁(モブ)でいたかったノエルは、突然ゲーム内で勃発する色恋沙汰に巻き込まれてしまう!? □ ・感想があると作者が喜びやすいです ・お気に入り登録お願いします!

処理中です...