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19話 魔導士に会う

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ここはライアン様の部屋だろうか
意識が朦朧としているなか誰かの声が聞こえてくる。

ノアっ、ノアっ大丈夫か

あれ?ライアン様の声かな

「ノアっ」

目を開けるとライアンが涙を浮かべている姿が映った。顔には隈が出来ていて顔色も悪い。休んでくださいと言いたかったが口が思うように動かない、手を掴もうとしたが身体の節々も痛く動かそうとすると痛みが走るが我慢をしてライアンの手を取って自分の頬によせた。

「ライ..アン様?」

「ああ、ノア私だよ無理に話さなくて良いんだ」

ぱっと辺りを見ると奥の椅子に誰かが長い脚を組んで座っていた。ローブを羽織っていてこの世界に来た時会った魔法使いの様だった。

「倒れた時は本当にどうなるかと思った....四日も眠っていたんだぞ、目を覚ましてくれてよかった。本当によかった...」

気弱そうに話すライアンに申し訳なく思った。すると後ろに座っていた男が立って歩いてくる。ベッドの前に立つとこちらを覗き込む様に見て言った。

「はは、面白いなそいつこの世界のやつじゃないだろ。まぁ黒目黒髪でわかるがなぜ今まで誰も気づかなかったのかが問題だな何の術を使った?俺の知らない魔力の波動だ」

この世界の者でないと聞いてもライアンは平然とした顔で聞いていた。
魔力?術?僕は何もしてないけど黒目黒髪は珍しいって聞いたからそれがどうかしたのかな

「ごほっごほっ、」

「どうした?とりあえず水を飲もう。おいヴェルナー、ノアに無理をさせるな」

「あの冷徹なマーフィー公爵がご執心なんてね。俺を呼んだ理由を聞いたときは本当に驚いたよ」

面白そうに話す男はヴェルナーというそうだ。
ライアンが背中をさすって落ち着かせてくれる。水を持ってきてコップに移し飲ませてくれた。こんなに優しくしてもらったのは初めてかもしれない元の世界でも無かったな...

「あの術ってなんですか?召喚って...」

「は?自分で分かんねーのかよ、お国が使うために召喚術をする奴がいるがリスクが多すぎ、何人もの魔導士を代償にしなきゃいけないからな」

「国が使う...特別な能力のことですか?」

僕には特別な能力が無いって捨てられたんだけど....
しかもおじいちゃん一人で召喚したんじゃなくて僕が此処に来るために何人も死んだという事実に呆然としてしまった。

「それは知ってんのか、お前の能力は隠密か?ライアンが気づかないはずがないだろう」

「えっと.....それが召喚された時に居たおじいちゃんは僕に何の能力もないって言ってましたけど」

ヴェルナーは驚いた顔をして乃亜を見つめていると突然背中をおもいっきり叩かれた。

「イタッ...」

「おい、ノアに何をするんだ」

眩い光が部屋全体を包み込んだ。
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