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2-39 絶対嫌だ~!
しおりを挟む「はぁ~」
やっとヴァン様のお説教が終了しました。その間に教皇は椅子に魔力を奪われたのか大人しくなってしまいました。僕も大人しくなったけどね…。
「溜め息をつくなんて、まだ私の話が必要なのか?」
「いえ!大丈夫です!!」
ヴァン様に睨まれて背筋を正した僕はすぐに元気良く返答した。もう、お話は暫く聞きたくありません。話をそらさないと!
「…ところで、これからどうするつもりなんですか?」
教皇の力を奪っただけでは解決にはならないよね。
「コイツが隠している魔力のボールを探しだして全て壊す必要がある。それと魔王の居場所を突き止める」
「へ?魔王の居場所…。まだ魔王は復活していないですよね」
また、ヴァン様が変な事を言い出したよ!この人達は魔王を復活させるために動いていたはずだよね。
「おそらくだが…ここまでの事を考えると魔王は実体を持っていないだけでコイツらに指令を出すことはできるくらいの力を持っていると考えている。実体を持つために教会を使って力を集めていたんだろう」
「え!そ、そんな…」
それって一大事だよね!事件だよね!!大変だよね~!!!
ど、どうするんだ~!
「ま、魔王復活…」
僕は、直接会ったこともないし、見たこともないけど本などで魔王がどんな人物なのかは勉強している。
本で読んでいた魔王なら復活してしまうとこの国…いや、全世界が終わるんじゃないの?そんな恐ろしい魔王にもしかしてヴァン様は戦いを挑むつもりなのか?
「い、いや無理。無理でしょ!いくらヴァン様でも相手は魔王ですよ?死にますよ!」
どう考えても無傷は考えられない。
「…戦う前から無理だと決めつけるな!本当に我が子孫ながら情けない…。ここで魔王を封印しないと皆が死ぬかもしれないんだぞ?お前はそれでも良いのか!?大切な家族や友人が全て居なくなっても良いのか!?」
それは嫌だけど…。魔王と戦うのも嫌だ。
「……嫌です」
チラリとヴァン様を見ると、いつの間にか子供の姿からいつもの姿に戻っていた。
「私だって本当はこんな面倒な事に関わりたくはないが、ここまで来たらやるしかないのだ。若いお前に無理強いはしない。だが、私一人では無理だから手伝いをしてほしいのだ」
ヴァン様は僕の両肩に手をおいて説得するように話しかけている。
そっか…ヴァン様だって本当は嫌なんだな。それなのに一人でやろうとしてくれているのか…。
「わかり…」
僕が「わかりました」と言おうとした言葉を遮るように意識の無かった教皇が大声をあげて笑いだした。
「ハハハハハッ!!!面白い…おもしろいぞ!!」
あれ?声が違う?
ヴァン様が僕を教皇から隠すように立ちふさがった。
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