ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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2-㊵ 調査?

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「教会って僕が考えてる教会以外にあるんですか?」

 だって普通、教会って神様を信じる良い人達がいるってイメージなんだけど、そこに悪い人達がいるの?

「はぁ~、お前が考えている教会で間違いないと思うぞ」

 ヴァン様がため息をはきながら頭を押さえているけど、なんでだろう。

「まさかとは思うが、ヴァンパイア一族なのに教会を信じている…とか言わないよな?」

「え!?ダメなんですか?」

 別に信者でもないけど悪い所だという意識も持ったことがないんだけど…。

「ヴァンパイアにとって教会は敵に近いぞ。今でこそ十字架や等にも耐性がついてきているが、まだ教会の中には長時間いるのは難しいはずだ。今の教会に入ることができるのは人間の信仰心が薄れてきて金銭欲や、物欲みたいなのが混じっていて聖なる空気が変化しているからだ」

 ヴァン様が腕を組んで仁王立ちで怒っているのを僕は前で頭を下げて聞いていた。

 僕だって昔のご先祖様の事はしっているけど…。まさか今の教会に入れるのがそんな理由だなんてどこにも書いてなかったし、教えてもらってなかったよ。

「まったく…」

 苛立ちを隠さないヴァン様。怒らせてしまった僕としてはどうしたら怒りが収まるのかと考えています。…って、それどころじゃなかったよね。

「すいません、ヴァン様。お怒りはごもっともなんですが今はこの事態をどうするかを考えてもらっても良いですか?」

 恐る恐るヴァン様に話を切り出した。僕を睨んできたけどすぐに視線を外して何かを考え始めたようです。

 こんな時に頼りになるのはヴァン様しかいないから頑張ってほしい。…僕は応援しかできません。トホホ…。

「どうするかと言っても教会の奴らに探りを入れて何をしているのかを調べないと対応はできないだろうな。まずはコウモリの姿で偵察をしてみるしかないな…。それから、獣人達に協力してもらえないか聞いてみてほしい。教会の中に長時間居るのは流石にお前でも体調を崩す恐れがあるから、変わりに行ってほしいんだが…頼めるか」

 ヴァン様が優しい!?僕のことも心配してくれているんだ。獣人さん達に頼むのはできるけど…。

「その場合はなんて頼めば良いですか?」

 まさか王様がおかしくなっているのを探るためとは言えないし、言ってしまうと獣人さん達からしたら攻め時になるよね。戦争になりかねない。

「そうだな…。聖女の力の原因が教会の内部にありそうだと言えば大丈夫だろう」

「わかりました。それで頼んでみます」

 僕とヴァン様はここで一旦離れて行動することになった。

 



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