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2-⑰ そうだったのか!?
しおりを挟むさあ、どう説明しようかと悩んだ結果…。
「実は…僕も同じ物を持っているんですよ。このボールは近くに同じボールを持ってある人が近づくと光るらしいですよ」
いきなりブラディーボールの説明をこの夜道でするのは怪しすぎると判断して、まずは知り合いになってからブラディーボールについて少しずつ話していく作戦にしようと考えたんだけど…。
「え!?何で?何で同じものがあるの?これって大量生産商品なの?」
ポルさんが混乱したように自分のブラディーボールと僕が出したブラディーボールを交互に見ている。
大量生産商品って…商人らしい言い方だよね。
「いえ、そんなに数はないと思いますけど…」
だけど何個あるのか正しい数はヴァン様から聞いたことがないからな。もしかして…大量にあるのかな。
「貴重な物だろうから困ったら売ろうと思ってたんだけど価値がなさそうね。残念だわ」
…売るつもりだったのか。
ポルさんって今までのブラディーガールとは少し違うかも。どう表現したら良いのか迷うけど…。
「でも、このボールについて知っている人に出会えて嬉しいわ。それでこれをどうすれば願いが叶うのか知ってる?」
ポルさんって、表情がコロコロと変わる人だな。今度は期待した目で僕を見ている。
何から話すべきなのか…。
「これは女性の願いしか叶える事はできないと聞いていますか?」
情報は少しずつ出しながらポルさんの様子を見て話していくことにした。そう言えばパルさんはさっきから一言も話さないで黙って僕達の話を聞いているみたいだけど、パルさんもブラディーボールについて気になっているのかな?
そういえばそろそろ分岐の道に来てるな。
「パルさん分かれ道を右に行ってくださいね」
「あっ、分かりました」
町への道をパルさんに伝えて、もう一度ポルさんに向き合った。
ポルさんは僕の質問を聞いてから目を閉じて何かを考えているみたいだけど…何してるんだ?
「…思い出してみたんだけど、聞いてないと思う。おばあちゃんは私にこれを持っていなさいとくれただけだった」
聞いてないのか…。
僕は簡単にブラディーボールの説明をした。
このボールはある人物と契約することで願いを叶えることができること。そしてその人物とは僕が連絡を取れると伝えた。契約の方法については直接聞いてほしいとも伝えた。
それを聞いていたポルさんが持っていたブラディーボールを強く握りしめて馬車を操作していたパルさんの方を見た。
その時、急にブラディーボールの光が強くなった。
「にゃっ!」
にゃっ?ポルさんの声だよね。
光が収まって、ポルさんを見ると…。
「え…耳としっぽ?猫人?」
可愛らしい猫耳がポルさんの頭に見えるし、お尻にはユラユラと動くしっぽみたいなのが見える!
ポルさん達って獣人だったの!?
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