ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

文字の大きさ
上 下
80 / 169

80. 地下に突入

しおりを挟む

『何だ?穴ではないな…』

 ヴァン様がポッカリとあいた地面の土を見ながら言った。

 不自然なほどに綺麗な長方形の形にあいているから人工的に作られたのだろうということがわかる。

「入りますか?」

 何となく入って来いと言われている様な気がするんだよね。

『何かあったら人を呼んで来てやるからお前が一人で行って来い』

「え?!ヴァン様は行かないんですか?」

 僕一人で地底に行って来いと?酷くないですか?

『時には子孫の成長を見守るのも先祖の愛だ』

 何だそれ?!

 まあ、でも確かに…もし僕がここから出てこないとなった時にはヴァン様が助けてくれると思えば心強いかもな。

「わかりました。一人で行ってきますからヴァン様はここで待機していてくださいね」

『ああ。気をつけて行って来い』

 僕はゆっくりと穴の中に入って行った。中に入ると小さな灯りがついていて足元に階段があるのが見えた。歩こうか迷ったけど、飛びながら下まで降りることにした。

 長い階段は途中休憩できる様な場所もあって使いやすいように工夫されているように思う。沢山の人達が利用しているのかな…。

 何度かの休憩場所を過ぎてやっと階段が無くなった。

 灯りが見える方に進むと大きな扉があった。

 どうやって開けるのだろうか?とりあえず押してみたけど動かないし、引いてもみたけど動かない。

 ここまで来たのに入れないのかな?

 その時だった…。

 扉がギギィーと音をたてて内側に開き始めた。

「やあ、君がフルド君かな?」

 扉が開いた薄暗い先に居たのはデッドさんみたいだ。薄暗くて顔とか姿はまだハッキリと見えない。夜目がきく僕でも見にくいって…ここかなり暗いよ。

 姿も顔も見えないけど挨拶をしてくれているから僕もとりあえず返さないといけないよね。

「はじめまして、フルドです。デッドさんですか?」

 目を凝らしてよく見てみる。やっと姿が見えてきたよ。図鑑で見たのと同じように包帯で顔や手足を隠している。服を着ているから全身に包帯を巻いているのかはわからない。

 デッドさんは身長170センチくらいでガッシリとした体格をしている。髪の毛の色は…包帯で頭を隠しているからわからない。

「ああ、そうだよ。あっ、君には少し暗すぎるかな。こっちに来てくれるかな。この場所なら少し明るくできるんだ」

 そう言ってデッドさんは僕を四角い小さな建物の中に誘った。そこに入ると電気のスイッチがあったのかカチッと音がして灯りがついて見えやすくなった。

「ありがとうございます。見えやすくなりました」

「良かったよ。」

 さあ、問題はここからどうやってブラディーボールについて聞き出すか…。出きるかな…不安になってきたよ。



しおりを挟む
感想 149

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...