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71. マリーアさんって…
しおりを挟むヴァン様…なぜここでその名前が出てくるのか。当のヴァン様に視線をやれば…固まってる?
コウモリの姿なので顔の表情は顔色とかは分かりにくいけど、心なしか青くなっているような…。
やっぱりこの人ってヴァン様と縁のある人なのかな?
僕の考えている姿を見てマリーアさんは不安になったみたい。
「やっぱり変ですよね…。夢でヴァンパイアさんを知ってますなんて…」
僕がマリーアさんの話しに引いたと思ってるのかな?
「あ、いえ、僕が黙っていたのは、その…実はヴァンという名前をどこかで聞いたかもしれないな~と考えていたからですよ」
「え?それって実在するということですか…」
マリーアさんは嬉しそうなだけど戸惑いもあるような複雑な表情を見せた。
「もし、もしもですけど実在しているとしたら会ってみたいですか?」
固まってるヴァン様をチラリと見た後にマリーアさんに尋ねた。
「…はい。会えるのなら会ってみたいです」
これはヴァン様次第と言うことだね。
あとはヴァン様に聞いてからと言うことになる。僕は契約をすれば…。
ん?でもちょっと待って。
ヴァン様に関係しているこの女性と僕が契約をしても大丈夫なのかな?
今までのブラディーガール達とは違うよね。
今日は一旦帰宅した方が良さそうな気がするな。とりあえずヴァン様に話を聞いた後に出直そう!
「あの…僕が探してみます。なのでまた数日後にお邪魔させてもらっても良いですか?」
「ありがとうございます。報告を待ってます。」
マリーアさんは嬉しそうな笑顔になった。
固まったまま動かないヴァン様を抱えてマリーアさんの家を出た。
帰宅するために夜空を飛びながらヴァン様に質問してみたが…返答はない。
まだ固まったままだ。
一体、マリーアさんと何があったんだ?
「ヴァン様、あの女性とどういう関係なんですか?教えてもらえないと次に進めませんよ」
家に到着してからヴァン様を小屋には連れていかずに僕の部屋に連れてきた。
「ヴァン様!」
僕はヴァン様の身体を揺さぶった。
『…乱暴にするな』
やっとヴァン様の声を聞くことができた。
「やっと話してくれる気になりましたか?」
『考えていたのだ。こんなに不思議な事があるのかと…』
そしてヴァン様は昔の話を僕に聞かせてくれた。マリーという名前の婚約者がいたこと。その人がレインボーに光るボールを持っていたこと。そして…ヴァン様をおいて亡くなってしまったこと。
ヴァン様の話を聞き終えてマリーアさんについて考えた。
「それじゃあ…マリーアさんは…もしかしたら…」
『もしかしたらマリーの生まれ変わりなのかもしれないな。長生きをすると不思議なこともあるんだな…』
ヴァン様はそう言うと、また黙ってしまった。
ヴァン様はどうしたいのかな?
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