ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

文字の大きさ
上 下
69 / 169

69. 何だ!?

しおりを挟む

 レインボーの光が指す先にあったのは森の中にある小さな一軒家だった。

 今までのボールが指してきた家と雰囲気がずいぶん違う家だ。

 まるで物語の中に出てくる魔女の家みたいに見える。

 そしていつもと雰囲気が違うのが…。

「ヴァン様…何かいつもと違いませんか?」

 ヴァン様の様子が明らかにいつもと違う。家を見つけ出した時も早かったけど、目つきが違うと言うか…。

『私はいつもと同じだ。それより早く確認してこい!』

「はい…」

 納得が行かないけど聞いても答えてくれそうにないからボール探しをすることにした。

 マントで姿を消してから、家の窓から中の様子を伺ってみた。

 中には銀色の長い髪の女性がいることが確認できた。年は…僕のお姉ちゃんより上のようにみえるけど、女性の年はわからないからな~。

 家具や食器を見ると、どうやら独り暮らしの女性らしいということが推測できた。

 こんな森の中に独り暮らし?

 何か問題があるのかな。

 それにいつもなら僕が近づいて来たことに女性も気がつく事が多いのだけど全然気がついて無さそう。

 今回は今までと違う事が多すぎだよ。

 どうやって女性と話をしようかな…。

 考えた結果…正当に玄関から訪問することにしました。

 ドアベルが見当たらないのでドアをノックした。

 「はい…。どなたですか?」

 部屋の中から女性の声が聞こえてくる。用心深いみたいで、ドアの向こうから話している。

「あの…お尋ねしたいことがありまして…」

 いきなりブラディーボールを知りませんか?とは聞けないよね。

「私に尋ねたいこと?ですか…」

 しばらく沈黙の時間があって、開けてくれないかと思ったが、少しだけ扉が開いてそこから女性の目だけが見えた。

「見たところ…知り合いではありませんよね?誰かとお間違いではないですか?」

 僕からは目だけしか見えていないけど、凄い怪しまれているのはわかる。

「あ…え~と、突然ですが、ブラディーボールをお持ちではありませんか?」

 直球勝負に出てみましたが、どうなるか…。

「…あなた…誰…」

 う~ん、更に怪しまれた感じがする。だって開いていた扉が少し閉じてしまったよ。

「僕はブラディーボールを集めている者です。この家にブラディーボールがあると僕のブラディーボールが反応したので…」

 僕が説明していたら、突然扉が大きな音をたてて全開して、中きら女性が飛び出してきた。

「あ、貴方もブラディーボールを持っているの!?いつから!?ねえ、いつからなの!?」

 僕…凄い揺さぶられてますけど…突然の女性の変わりようについていけません。

 何だこの人!?

しおりを挟む
感想 149

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

処理中です...