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26. 大変なことになっちゃったよ
しおりを挟む毎回のことなんだけど…ヴァン様って聞いたことにきちんと答えてくれなくて、自分のしたい話をして満足してしまうんだよね。
昨夜…いやもうほんの少し前までヴァン様はキュラドさんの一族にどんな事をされたかとかキュラドさんと対決した時の話を熱弁していました。
…勘弁してほしいです。
「眠い…。でも学校に行かなくちゃ…」
寝ぼけ眼を擦りながら用意をしていたら、部屋の外が騒がしいことに気がつきました。
何だろ?
「本当に見たのよ!絶対にそうなの!!間違いないわ!!!」
これは…興奮しているけど母さんの声で間違いないと思う。母さんがこんなに興奮しているのは珍しいな。
僕は部屋の扉を開けて声のする方を見た。
そこには両親が廊下にある窓の前で話をしている姿があった。
僕は少し扉を開けたまま、こっそりと両親の話を聞くことにした。
普通に聞けば教えてくれると思うけど…何か嫌な感じがするんだよね。
「本当なのかい?見間違いじゃない?」
父さんが母さんを疑っているのかな。
「あら、私の事を信じないの?」
母さんを怒らせるなんて…絶対にダメだよ父さん!早く謝るんだ!!
「い、いや、信じてる!もちろん信じてるよ!!ごめん、僕の言い方が悪かった」
そう、父さんそれで良いよ。
「本当に思ってる?」
「本当に思ってます!」
「じゃあ、私の言った事を信じてくれるのね」
「………うん」
父さん!なぜ無言からの返事なんかするの!それだと信じてないって言ってるのと同じだよ。
「信じてないのね。本当にあのコウモリを見たのよ!アザみたいなのがあるから間違いないわ!」
ん?
「いや、だってあのコウモリを見たのは20年くらい前だよ?コウモリってそんなに長生きなのかな…」
…間違いない…これってヴァン様のことだよね!!!
「だから、あのコウモリは特別なのよ。ほら、ご先祖様から言い伝えられているコウモリだと思うの」
何それ?言い伝えられているコウモリ?
「そうかな~?あの話だとコウモリは僕達に友好的なはずだけど…隠れる様に飛んで行ったんだよね?それって僕達に関わりたくないからじゃないかな」
あ~!ヴァン様…暗いうちに帰らないからとうとう家族に見つかっちゃったよ!!そりゃ、明るくなってきてからコウモリが飛んでいたら気になるよ。
「そんなに言うなら…決めたわ!あのコウモリを捕まえるわ!」
えええええーーーーーーー!!!!!
「本気?」
「本気よ!貴方が信じないなら捕まえて見せれば良いのでしょう」
うわぁ~、母さんは本気だ。
何だか大変なことになっちゃったよ。
どうしよう~!?
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