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24. ウルの家系って…

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「なあ今、気がついたけど…背が伸びたか?」

 食堂でランチの注文をしていたら、後ろで並んでいたウルが急に言い出した。

「へへっ、わかった?実は3cm伸びたんだ」

 そうなんです!ブラッディーボールの効果なのか何なのかはわかりませんが、急に身長が伸びたんだよ!

 黙っていましたが…実は僕…身長が低い事を気にしていたんですよね。

 ウルなんて僕と同い年なのに身長が178cmもあるんだ。僕はそこからマイナス20cmだったんだけど…3cmのびたので憧れの160cmを超えたんだよー!!!

 周りからは「まだ今から伸びるから心配しなくて良いよ」なんて言われてたけど、気にしてたよ。だって兄さんは僕の年齢の時には175cmあったからね。この国の男性達は平均的に背が高いんだよ。180cmくらいある人が多いんだ。

 身長が高くなったことで少しでも残念な末っ子と言われる事が無くなるのを期待したい。

「もっと身長が高くなると嬉しいな…」

 思わず呟くと、目の前で信じられないくらいの大盛りランチを食べているウルがニヤリと笑った。

「ほぉんなのふぁんたんだ!ふぁべろ!!」

 いや、ウル…せめて口の中に頬張っている物を飲み込んでから話そうね。

 たぶん、「そんなの簡単だ!食べろ!!」って言ってくれてるんだよね?

「ウルと同じ量は無理だけど…少し増やしてみようかな」

 確かに僕は食が細くてランチも残す事が多いんだよね。せめて完食するように心がけてみようかな。

 ウルは僕に親指を立てて前に突き出してきた。

 それで良いってことかな?

 それにしても…ウルってすごい食べるのに太ってないよね。運動してるのかな?

 学校では帰宅部で身体を動かしている姿は授業の時くらいしかみないけど…細く見えて筋肉ついてるんだよね。

 夜に秘密の特訓とかをしてるのかな?

 そう言えば…前に僕と同じ夜型人間だって話をしてたよな~。

 何か気になってきちゃったよ。

「ウルって…そんなに沢山食べるのに太らないよね?何か秘訣とかあったりするの?夜に運動してるとか…」

 ウルは食べる手を一瞬止めたが首を横に振った後、また手を動かして食べ始めた。

 うわぁ~、山のように積まれていたご飯とおかずが、もうあと2口くらいになってるよ。

「ご馳走さまでした!」

 山のように積まれていたご飯とおかすが綺麗に無くなり、大きなお皿だけがテーブルの上に残っている。

「さっきの話だけど、痩せの大食いは家系だ。父も祖父も同じ感じなんだ」

 また出た家系!力が強いのも家系だって言ってたよね?…でも鍛えなくても筋肉ってそんなに出来上がるものかな…。

 もしかして…僕には内緒にして自分だけ男っぽくなろうとしてない?

 …いや、友人を疑うのは良くないね。

 僕…きっと疲れてるんだね。

 疲れてるからか友人を疑ったりしちゃうんだ。

 決めた…後で昼寝しよう。

 そう思って昼寝に最適な場所に行ったら先にウルが寝ていました。

 もしかして…寝る子は育つなのかな?

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