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74. 曹操の告白
しおりを挟む「ちょっと…曹操…離れて」
曹操の身体を離そうと手で押してみるが全然動かない。その間も曹操は私に口づけを繰り返している。
「何?!変な物でも食べたの?」
「いや、隠さなくて良くなっただけだよ」
隠さなくて良くなった?だから何を言っているのかを説明してほしいわ。
「ねえ、きちんと説明してほしいのだけど」
「何の?」
曹操は何を言っているの?といわんばかりの顔をしている。
「この状況に至るまでの事よ!」
その表情に苛立ち声を荒げてしまった。
「…だから時間が無いんだよ。星蘭が僕の側にいると言ってくれたら、話すよ」
「あ~、もう分かった!側にいれば良いんでしょ!」
「やったー!約束だからね。これはそのしるし…」
しるし?
曹操の両手が私の顔を挟んだ。
そして今度は私の唇に曹操の唇の感触がある。その感触はゆっくりと離れていった。
「………は?」
「え…嫌だった?僕は星蘭と両思いだと思っていたんだけどな」
いや、曹操の事は好き…だけど。なぜ今口づけをするのよ。
「これで安心した。何でも聞いてよ、答えるから。あっ、その前に僕は君の婚約者だと人に聞かれたら言ってね」
「はあ?婚約者?」
いろいろと飛ばしてませんか?恋人でもなかったのに婚約者からはじめるの?
「そうだよ。嬉しいよ…やっとここまできた…」
曹操ってこんな人だった…?今も私の髪の毛を触って甘い雰囲気を醸し出しているんですけど…。
「もう…いいわ。取り敢えず私の何を知っているのかを教えてくれる?」
いろいろと聞きたいし、なぜこんな状況になっているのかも知りたいけど後回しね。
「何って…全部だよ。星蘭の生い立ちから今まで、ここにいたるまでのことだけど」
「私の生い立ち…あの村からの事?」
青晶として曹操がいた村。火事になって逃げ出したあの村…。
「違うよ。星蘭の両親の事…事件の事から知っている。なんなら星蘭が知らないこともね」
「何を言ってるの…」
私の両親の事件…それに私の知らないことまで知ってる?なぜ曹操がそんな事を調べたの?
「もうすぐ全てバレるから話すけど、僕はずっとある人に言われて調査をしていたんだよ。途中は君が知ってる通り記憶を無くしていたけどね…」
そんな前から私の事を調べていたの…。誰が私を調べさせていたの…。
「僕はやっと全てを調べ終わったんだ。だから星蘭に本当の事が話せるんだよ」
ここ最近姿を見なかったのは何かを調べていたからなのね。
「何を調べていたの?」
「星蘭のお母さんの行方だよ…」
「え…」
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