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83. お父様との再会

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日が暮れかかる頃やっと実家に到着した。

久しぶりの我が家だ…。

玄関先には両親の姿があった。

「お父様!お母様!」

私は2人の元へ走って行った。

「サファイア!」

お父様が私を力強く抱きしめたた。

「無事で良かった…ずっと見つからず心配していたぞ…」

お父様…少し痩せたみたいに感じる。

「ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。記憶を無くしていたこともあり連絡することができなかったのです…」

「そうだったのか…辛かったな…私の力が足りなかったばかりに…申し訳ない…」

私を抱きしめている腕にさらに力がはいる。

「いいえ、お父様…私が家族を巻き込んでしまったのです。私が人前で力を見せてしまったから…」

「そのことは、気にするな…。見せようとして見せたわけではないんだから。たまたま見られた相手が悪かったんだ」

「お父様…」

2人のやり取りを黙って見ていたお母様が、1つ咳払いをされた。

「そろそろ中に入りましょう。積もる話しは中でお茶でも飲みながらしませんか2人とも…」

そうですね。

お父様と顔を見合せて笑った。

「そうだな、家に入ろう。お帰りサファイア」

その夜は家族でずっと話をした。

猫になっていた時の話とかアデル様の事とか、ザジさんや長老さんの事とか…話しはつきなかった。

私が知らなかったお兄様と聖獣様達の話を聞いたりもした。

両親がどういう状況だったのか…ほぼ監禁状態だったみたい…。

心が痛む…。

気がつくと深夜になっていた。

「今日はもう寝ようか。また明日、話をしよう」

お父様がそう言うと、みんなが自分の部屋に向かった。

久しぶりの自分の部屋…。

私はベッドに飛び込んだ。

本当に帰ってきたんだな…。

実感がわいてきた…。

家族に会えて嬉しい。

普通の毎日に戻ったんだな…。

これまでの事が嘘みたいに感じる。

神様に出会って自分が異世界転生者だ思い出して、モフモフさんに囲まれたいって希望したのに、自分がモフモフの猫になって…前世では信じられないよね。

本当に夢みたいな世界。

しかも、自分が王子様と結婚することになるなんて考えられなかった。

今でも夢なんじゃないかと思ってしまう。

明日、目を覚ましたら全部夢…なんてオチじゃないですよね?

夢じゃないなら、明日は聖獣様達のお家にも行きたいな。

皆さん元気かな…。

会えたら思いっきりモフモフさせてもらおう。

ハリーさんの背中は気持ち良いんだよね。

そういえば、神様はスランプぬけたのかな?

明日、久しぶりに交信してみようかな…。

楽しみだな…。





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