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74. 神様のケンカ 〈アデル視点〉
しおりを挟む凄まじい爆音が辺りに響いた…。
「ほぉ~。お前は勘違いだという私の言葉を信じないのか…。一体なぜ、こんな事をしているんだ…。人違いでした、すいません…ではすまなくなるぞ」
黒髪の神様と話しているうちに、だんだんと顔つきが変わってきている。
「私の姉…光の神が男に騙されたと泣いていた…。聞いてみると、名前もデタラメで顔しかわからないというから特徴を聞いてみると…お前だとわかった…」
「はあ!?私の特徴何て他にも当てはまるのがいるだろ」
確かに…僕もそう思うな…。
もしかして、黒髪の神様は頭に血がのぼりすぎて、お姉さんに確かめなかったとか…。
考えられるよね。
だとすれば、勘違いで巻き込まれた人間はいい迷惑だ!
だんだん腹がたってきた…。
「あのー、黒髪の神様はお姉さんの光の神様にきちんと確認しましたか?この神様はわりと有名だと思うので、お姉さんが顔を知らないなんて…あるんですかね?」
我慢できずに聞いてみた。
「…顔を変えるくらい、神なら簡単にできる」
…おい。
「それって、他の神様がこの神様に似せていた可能性が高いんじゃないですか?だって、この神様の奥様は嫉妬深い事で有名なのに、わざわざ…わかりやすい顔で会いにいきますか?」
「そうだ!そうだ!私はちゃんと変装するぞ!」
そこは威張るところではないと思いますけど…。
「……いや、しかし女たらしで有名なこいつしか考えられないだろう」
黒髪の神様はまだ、認めないんですね…。
「はあ~。じゃあ…今、お姉さんに来てもらえることはできますか?目の前で解決しましょうよ」
「おっ、それ良いね…光の神様は美人って有名だから会って見たかったんだよね…」
鼻の下がのびています…奥さんに叱られますよ。
でも、こう言ってるという事は、まだ会ったことがないということだよね…。
「…わかった。今、聞いてみる」
黒髪の神様が目をつむりお姉さんと会話しているみたいだ。
その間に…。
「神様…はじめまして。僕はアデル=カルダナルと申します。失礼ですが、神様のお名前を伺っても宜しいですか?」
「え…私…私は…。あっ、終わったみたいだ」
話をそらされたな…。
「どうだった、すぐに来るって?」
食いぎみだな…。
「ああ…。身支度をしてから来るらしい」
黒髪の神様は何だかふてくされている様に見える。
お姉さんに何か言われたのか?
こっちの神様は対照的に浮かれているけど…。
この人が本当に僕の遺伝子に関係する人なの…いや、神様なのか…。
その時、スゴイ突風が吹いて雷とは違う暖かい光が僕達の周りを包みこんだ。
来られたかな…。
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