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69. 戻れるの?

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黒髪の神様が手を振り上げようとした瞬間、また大きな雷が落ちてきた。

「ニャーー!!!」

凄まじい音と光でわたしは思わず声を上げてしまった。

「もう~、やだー。髪の毛が乱れちゃう」

アフロディーテ様は相変わらずですね…。

あれ?

黒髪の神様が消えた…?

何処にいったんだろう…。

「もう、エレちゃんは相変わらずよね…」

エレちゃん…黒髪の神様の事かな?

『エレちゃんって?』

「エレボスっていうのよ、さっきの黒髪…陰険っていうか、マイナス思考の神様なのよね…」

私は前世の知識で知ってますよ。

確か、暗黒の神様でしたよね?

うわー、古代の神々が目の前に…わりと神話好きだったので感動してます。

最初に会った神様が、何の神様かがわからなかったから感動とかなかったけど…今はメジャーすぎて震えてますよ。

だって私は今、アフロディーテ様に抱っこされながらエレボス様にお会いしていた…。

モフモフに囲まれる生活を希望していましたが、オプションで神様に囲まれるなんて…オプションすごすぎませんか?

それに、さっきから雷を落としている神様が誰かも予想がついてきて…ご主人様に後光がさしているようにまで見えてきました…。

神様とのハーフ…。

前世で言うところの本当のマジ神…本当の神だー!

「ちょっと…気持ち悪い顔になっているけど貴女何を考えてるの?私の服にヨダレをつけたら怒るわよ…」

アフロディーテ様に怒られました。

すいません、ヨダレはすぐに引っ込めます。

でも、神様達のおかげでハイリを捕まえる事ができて良かったです。

「アデちゃんってば困っているなら私に相談してくれても良かったんじゃない?相手があのエレちゃんって知ってたら助けてあげたのに~」

アフロディーテ様が頬を膨らましていますが、そのお顔も素敵です。

「サファイア…ヨダレ。…申し訳ありませんアフロディーテ様…私の為にお呼び立てしてはいけないと思いまして…」

「えー。アデちゃんのそういう謙虚な所は好きだけど…たまには、頼ってよ」

「ありがとうございます。早速ですが、1つお願いがあるのですが…」

「何?」

「アフロディーテ様が抱いているサファイアを人の姿に戻して欲しいのですが…お願いできますか」

私?!

私の事でお願い…ご主人様…。

「そんな簡単な事で良いの?」

え…簡単なんですか?
では、すぐにお願いしたいです。

「はい。簡単ならばすぐにお願いできますか?」

「わかったわ。この耳にしているピアスを壊せば戻るみたいだから、ピアスを壊すけど良い?」

私の耳に着けているサファイア色のピアスを壊すと戻るのですか?!

「離れてね。これを壊すのはちょっと複雑な魔法の解除が必要だから…」

『あのアフロディーテ様…お兄様もお願いしても良いですか?』

「良いわよ。何処にいるの?」

『お兄様!こっちに来て下さい』

お兄様が走って来た。

「あら、このワンちゃんがお兄さんなのね。じゃあ、2人まとめていくわよ」

アフロディーテ様が手を私達の方にかざすと薄い膜の様な物に包まれた。

そして、その膜の中で、さっきの雷の様な光とピキピキという音が響いていた。

「あら、やだアイツがまだいる…私は今は手が離せないからアデちゃん頼んだわよ」

今まで光に包まれていたのに…辺りが真っ暗になってきた。

私とお兄様…人の姿に戻れるの…?

アフロディーテ様…宜しくお願いしますよ。
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