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60. 神様の狙い
しおりを挟むさあ、楽しい時間の始まりだ…。
アイツの悔しがる顔が見れると思うと顔がにやけるな…。
本当に、ハイリは扱いやすくて助かるな。
俺は人間がどうなろうと、正直言ってどうでも良いんだよ。
ただ…アイツの顔が歪むのを見たいだけなんだ。
アイツの子供が人間界にいると知った時の興奮…。
今でも思い出すと興奮するよ…。
アイツと直接対決しても勝ち目はないだろうけど、アイツの子供…しかも人間とのハーフなら…。
それに、いざとなればアイツの子供だとは知らなかった…と言えば神界でもうるさくは言われないだろう。
アイツが女好きで良かったよ。
神界だけではなく、人間界にまで降りて子供までつくるなんて…。
女にはルーズなのに、なんでアイツは神界のトップの方にいるのか…本当にわからないな。
そういう所も嫌いなんだよ。
いい加減な感じに見えて、実は力がある…ふざけるなと言いたいね。
俺は暗い世界で1人でいないといけないのに…。
アイツは好き放題できるなんておかしいだろ…。
兄弟は俺にいろいろと言ってくるが…俺にすれば何故、兄弟はおかしいと思わないか不思議だ。
神も人間と同じでいろんな奴がいるということか…。
しかし、実際に人間界に降りてみると意外に面白いな。
アイツがよく人間界に来ていたのもわかる様な気がする…少しだけな…。
それに、アイツの息子を見て驚いた。
アイツに顔がそっくりだったからだ。
人間界ではいろんな姿に変身しているらしいから、人間はアイツの本当の姿を知らないかもしれないが…本当にそっくりだ…。
でも、それだからこそ痛めつけるのが楽しみになる。
アイツを直接痛めつけることはできないからな…。
「暗黒神様!聞いてますか」
「なんだ…うるさいなハイリ…」
そうだった…ハイリの所にきていたんだった。
「今夜は絶対に側にいてくださいよ」
「何故だ?」
「さっきから言っているではないですか…今夜アイツの領地に行くと…何があるかわからないから、いてくださいよ」
そういえば言っていたな…。
「わかった…」
「絶対ですよ!」
「ああ…」
今夜、アイツの息子の領地を燃やすらしい。
俺の力を使えば一瞬で終わるが、それをすると後で神界で問題にされそうなのでバレない程度に力を貸してやろうかと思っている。
あの赤い炎が立ち上るのは何度見ても綺麗だからな…。
ただ、気になるのはアイツの息子を守護している女神のことだ。
あの女神が守護しているなんて珍しいことだから、余程…思いいれがあるかもしれない…。
だとすると、傷をつけたりケガをさせたりすると…恐ろしいことになるかもしれないよな…。
気がつかないことを願うよ…。
さあ、ショーが始まりそうだな…。
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