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48. 客人

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ハハハハハ…。

楽しい人だな。しかも、モフモフの大型犬を連れて来てくれて感謝します。

モフモフ不足で禁断症状が出そうでしたから…。

扉を開けると、そこには大型犬のルルさんとご主人様のモリーさんがいた。

モリーさんはエルナさんの知り合いみたい。
隠れていた私に、すぐに出てきて大丈夫だよって言ってくれたから、安心できる人なんだと思う。

話しを聞いていたら、どうやら私のいた、カルダナル国で仕事をしている人みたい。
今日は仕事でこの国に来たから、エルナさんに会いに来たんだって。

『サファイアちゃん?大丈夫なの…鼻息が荒くなっているけど、呼吸くるしくない?』

ルルさん優しい。

『大丈夫…フガ…です。フー…久しぶりなんでちょっと興奮してるのかも…フン…しれません』

ルルさんにモフモフさせてもらって…幸せです。
よくお手入れされた艶やかな毛並みとフワフワな感触がたまりません。
それに、石鹸の香りみたいなのがして…あ~…幸せ。

ザジさんとは、また違う良さがありますね。

…ザジさん…会いたいな…。
でも、今は我慢しなくちゃね…。

「しかし、変わった猫だね。犬のお腹に顔を押し当てて喜んでるよ…」

「私も初めて見たわ…」

モリーさんも、エルナさんも、そんなに見ると見物料金頂きますよ。

今はモフモフ飢餓状態だから人前でやりますが普段はこっそりとしてるんですからね。

ご主人様達にはバレてますが…。

「サファイアちゃん、楽しいの?」

当たり前の事を聞きますねエルナさん。

『楽しいです。癒されます。ルルさんを連れて来てくれたモリーさんに感謝します』

エルナさんは、私が言ったことをモリーさんに話したみたい。

モリーさん爆笑しています…。

「ルルも変わった友達ができて嬉しいんじゃないか…良かったなルル」

「ワン!」

ルルさん良い返事です。私と友達になって下さるのですね。嬉しいです。

『今日の目的は貴方に会うことだったの』

ルルさん…どういう事ですか?

『モリーと私はカルダナル国のある人から頼まれて、貴方を探していたんです』

『私をですか?いったい誰が…』

『アデル様です。心配してますよ、ザジも長老さんも…』

『ザジさん達と会ったんですか?』

『ええ、ザジは私の友達よ。一時期、命がとても危険な状態だったけど今は落ち着いているわ。貴方がどうなっているのか、かなり心配していたわよ。長老さんも子供さん達を使って貴方を探しているみたいよ』

皆さん…なんて、何て良い人じゃない…よい猫と犬なんだろ~。
また、泣けてきちゃった…。

「ミャ~ミャー」

「あれ、泣いてるのかな?」

「そう…みたいね」

また、2人が驚いた顔で見ているけど気にしません。

「いけない、もうこんな時間だ。帰るよ。行くぞルル」

モリーさんが帰り際に私の所にやって来た。

そして、小さな声で私に話しをした。

「大人しくここで待っていて下さい。迎えに来ますからサファイア様」


モリーさん…一体何者なの?




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