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46. 師匠

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私は今、東の魔女のエルナさんの所でお世話になっています。

ここで、私はどうしても気になる事があるんですよね。

『あの~、エルナさんに質問なんですけど、リルさんとは…どんな知り合いなんですか?』

因みにエルナさんは私の為に、クマナさんから猫語を習得する魔法を教えてもらい、私の話していることがわかるようになった。

エルナさん、私の為に…ありがとうございます。

「リルは私の魔法の弟子なの」

『そうなんですか』

「ああ見えて、小さい時は泣き虫でね…。魔力がありすぎてコントロールできなくて、友達から仲間外れにされて泣いていたのよ」

『リルさんが泣き虫…』

今度、本人に言ってみよう…。

「それを見かねて、私が魔力のコントロールの仕方を教えてあげたのよ」

へぇ~。リルさんにそんな過去があったんだ、知らなかった。

「今は魔法省で働いていてエリートです、みたいな感じだけど…私からしたら泣き虫リルのままなんだよね…可愛い弟子なのよ」

師匠の愛ですね。

あの、リルさんが可愛く見えるなんて…。

でも、そうなるともうひとつ気になりますよ…。

『女性に年齢を聞くのは失礼だとわかってはいますが…教えてもらえませんか?』

エルナさんが笑った。

「アハハッ、気を使わなくて良いわよ。魔女の年齢はわかりにくいわよね。サファイアちゃんは私を何歳だと思っているの?」

でた!"私、何歳に見える"問題。この質問の答えはすごい難しいんだよ。

自分が思っているよりも若く言わないと、実際の年齢より上を言うと空気が凍るんだよね。

でも、リルさんが小さい頃からの知り合いで、師匠なんだから…。

『28歳くらいですか?』

エルナさんが驚いた顔をしている。

「あはははっ!あんた、すごい気をつかったね。私、今年で45歳だよ」

えーーー!!見えないです。
私の全身の毛が驚きすぎて逆立っていますよ。
どう見ても、30歳くらいにしか見えません。
美の秘訣を知りたいです。

『若く見えますね…すごい…』

「魔女は基本的に長生きだから、私の年齢だとまだヒヨコちゃんって言われるよ」

そうなんだ。

『因みに、クマナさんは何歳何ですか?』

クマナさんは昨日、違う魔女さんの所に行くと言ってお別れしたから、ここには居ないんだけど…。

「勝手に言うと怒られるかな…?まっ、いいか。オババ様は今年で130歳だよ」

ひえぇー!!クマナさんって、そんな歳なの?
驚きだよ。

その時、エルナさんの表情が急に変わった。

「サファイアちゃん、あのカゴに入って私のマントをかぶっててくれる…」

どうしたんだろう?

『わかりました…』

私がマントをかぶったのと同時くらいに、この家の扉がノックされる音がした。

「誰?」

誰か来たみたい…。
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