9 / 88
9. ご主人様のお友達
しおりを挟む最近、お屋敷の中を歩いているとやたらと視線を感じるの。
だけど、振り向くと誰もいないの…。
…昼間から幽霊ってでないよね?
ちょっと怖くなってきちゃったよ。
今日は、屋敷の皆さんが忙しそうだから邪魔してはいけないし、やっぱり…ザジさんの所に行こう。
怖さを吹き飛ばすにはモフモフしかないよね。
そう思っていたのに、ご主人様に捕まってしまった。
私のモフモフタイムを邪魔しないでほしい…。
「サファイア、今日は僕の友人が訪ねて来るから大人しくしていてね」
ご主人様のお友達がくるの?
このお屋敷にお客様なんて珍しいね。
どんな人がくるのかな?
そういえば、ご主人様ってイケメンなのに彼女とかもお屋敷に連れて来ないよね。
彼女いないのかな?
もったいないな、イケメンの持ち腐れだよ。
私が人間ならご主人様の彼女になってあげられるのにね。
でも、ご主人様なら選り取り見取りだから、私は選ばないか…。
……自虐でダメージをうけちゃったよ。
とりあえず、大人しくしてます。
やっぱり、ザジさんの所へ…と思ったら、また誰かに捕まった。
「新入りだなお前。珍しい種類の猫だな…ん?」
ダレ~!
誰か~!
知らない人に捕まった~!
助けて~!
ヘルプミ~!
「ニャニャニャ!シャー!」
足をバタバタさせてみるも逃れられず…。
本当に猫って大変だね。
「リル!サファイアをいじめちゃ駄目だよ」
ご主人様が慌てて来てくれた。
「サファイアの悲痛な鳴き声が聞こえたから何事かと思ったよ…来ていたんだねリル」
え?
ひょっとしてご主人様のお友達ってこの人?
私はリルさんに首根っこをつかまれたままのでリルさんの顔が見れない。
『離して~』
「ニャー」
「サファイアを床におろしてくれる?」
さすがご主人様、わかってますね。
リルさんは私を床に下ろした…というか放り投げた。
この人…。
振り返ってリルさんを見た。
ご主人様とは違うタイプのクール系のイケメンだ。
髪も瞳も黒い、前世を思い出しちゃうよ。
前世の世界ならイケメン俳優とかでいそうな顔。
「サファイアは僕の大事な家族なんだから大切に扱ってくれる?」
そのクール系イケメンのリルさんが、ご主人様に怒られてる。
「お前は本当に物好きだな。こんな変な猫まで飼いはじめたのか?」
「サファイアは変じゃないよ」
そうだ!そうだ!
言って、もっと言ってやって!
ご主人様。
「見た目も変わっているが、何よりこの猫、術がかけられているじゃないか!」
え?
術ですか?
「知ってるよ。だけど悪い猫ちゃんじゃないよ」
え?
ご主人様も分かっていたの?
それって神様が言っていたやつですよね?
「しかも、何の術かが分からないようにする高度な魔術を使ってる。こんなのを側に置いておくと間違いなく厄介な事になるだろ!」
え?
そうなの?私がここにいるとご主人様達に迷惑をかけることになるかもしれないの?
「僕ならサファイアを護ってあげられると思ったから置いてるんだよ。リルは僕を心配をしてくれているんだよね。ありがとう」
「本当に大丈夫なんだな?」
「屋敷全体にも護れるように術をかけてあるし、僕の強さは君も知っているだろう。」
「お前がそう言うのなら大丈夫だな…」
イヤ、全然大丈夫じゃないよ!
私のこの精神的なショックはどうなるんだ。
もしかして、私の記憶がないのも術が関係しているの?
神様のスランプのせいではなくて?
混乱している私をおいてご主人様とリルさんはゲストルームに入っていった。
『神様~!応答願います!』
……………。
『まだ、スランプなんですか~!』
……………。
まだ、連絡取れないんだね。
私のモフモフ生活のピンチなのに応答してよ。
神様~!
10
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
転生錬金術師・葉菜花の魔石ごはん~食いしん坊王子様のお気に入り~
豆狸
ファンタジー
異世界に転生した葉菜花には前世の料理を再現するチートなスキルがあった!
食いしん坊の王国ラトニーで俺様王子様と残念聖女様を餌付けしながら、可愛い使い魔ラケル(モフモフわんこ)と一緒に頑張るよ♪
※基本のんびりスローライフ? で、たまに事件に関わります。
※本編は葉菜花の一人称、ときどき別視点の三人称です。
※ひとつの話の中で視点が変わるときは★、同じ視点で場面や時間が変わるときは☆で区切っています。
※20210114、11話内の神殿からもらったお金がおかしかったので訂正しました。
公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜
白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます!
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。
私のスローライフはどこに消えた?? 神様に異世界に勝手に連れて来られてたけど途中攫われてからがめんどくさっ!
魔悠璃
ファンタジー
タイトル変更しました。
なんか旅のお供が増え・・・。
一人でゆっくりと若返った身体で楽しく暮らそうとしていたのに・・・。
どんどん違う方向へ行っている主人公ユキヤ。
R県R市のR大学病院の個室
ベットの年配の女性はたくさんの管に繋がれて酸素吸入もされている。
ピッピッとなるのは機械音とすすり泣く声
私:[苦しい・・・息が出来ない・・・]
息子A「おふくろ頑張れ・・・」
息子B「おばあちゃん・・・」
息子B嫁「おばあちゃん・・お義母さんっ・・・」
孫3人「いやだぁ~」「おばぁ☆☆☆彡っぐ・・・」「おばあちゃ~ん泣」
ピーーーーー
医師「午後14時23分ご臨終です。」
私:[これでやっと楽になれる・・・。]
私:桐原悠稀椰64歳の生涯が終わってゆっくりと永遠の眠りにつけるはず?だったのに・・・!!
なぜか異世界の女神様に召喚されたのに、
なぜか攫われて・・・
色々な面倒に巻き込まれたり、巻き込んだり
事の発端は・・・お前だ!駄女神めぇ~!!!!
R15は保険です。
女神様、これからの人生に期待しています
縁 遊
ファンタジー
異世界転生したけど、山奥の村人…。
普通は聖女とか悪役令嬢とかではないんですか?
おまけにチートな能力もなければ料理も上手ではありません。
おかしくありませんか?
女神様、これからの人生に期待しています。
※登場人物達の視点で物語は進んでいきます。
同じ話を違う人物視点で書いたりするので物語は進むのが遅いです。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる