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78. やっぱり夢なのね
しおりを挟む島岡さんが私に告白…。
都合の良い夢を見すぎね。
夢から覚めたくないわ。でも…夢ってだいたい良い所で終わるのよね。
…ん?覚めないわね。
これってよくありがちだけど、あれをやってみようかしら。
私は両手で自分の顔を叩いた。
「え…痛いわ…。なぜ?」
痛いということは…。
「えええーー!!!」
現実ですの~!?
え?島岡さんが私を好き?
そんな事がありますか?
それに、初恋は実らないのでしょう?
あ、分かりました!
痛いと思ったのも夢だったという…ものですか?
怖くなってきましたから、そろそろ目覚めませんか?
今度は頬をつねってみましょう。
痛い!
「藤堂さん…大丈夫」
いつの間にか島岡さんが私のすぐ近くまで来ていてつねった頬に優しく触れた。
「赤くなっているよ。僕の告白を夢だとでも思ったのかな?」
…バレていますね。
顔が真っ赤になっているのが分かります。
「クスッ…。藤堂さんっていつもはしっかりしているのに、たまにすごい抜けていると言うか…そういう所も可愛いのだけど…」
島岡さん、甘々が過ぎませんか?
私の顔の赤さが尋常ではないレベルになっていませんか?というくらい顔が熱くなってきました。
「これは現実で、僕は藤堂さんの返事を待っているんだけど。藤堂さんの返事を聞かせてくれるかな?」
本当に現実?
返事なんて決まっているのですが。
でも、まだ信じられないのです。
「…これは本当に現実なのですか?信じられません」
島岡さんが困った顔になった。
「どうやったら信じてもらえるのかな?」
「島岡さんが私の頬をつねってくれませんか?」
今度は驚いた表情に変化する。
「僕が?!」
「はい。島岡さんが私の頬をつねってくれて痛ければ現実だと信じます」
私は鼻息荒く言いきった。そうでもしてもらわないと信じられないのだ。
「ん~、僕は女の子をつねるのは嫌だな…。代わりにこれでは駄目かな?」
島岡さんは私の頬に触れていた手を頭に回し、顔を近づけてきた。
へ?
「チュッ…。これでどうかな?」
頬をつねる代わりに頬にキスをしたのだ。
「キ…キスを…したのですか?」
恥ずかしいのと、興奮しすぎているせいで上手に話せません。
「外国だと挨拶代わりによくするんだよね?それではまだ信じられない?」
確かに外国だとよく頬にキスをしたりします。
だけど、好きな人からは威力がありすぎるというか…。
私の心臓壊れませんか?というくらい速くなっているのです。
あ!また島岡さんの顔が近づいてきました。
こ、今度は何ですか~!?
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