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62. ドキドキはご遠慮します

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皆さん神様が登場しました~!

何と、島岡さんがお店にやって来たのです。

島岡さんに後光が見える様な気がしますわ。

島岡さんの登場と同時に森本先輩のご機嫌も急変しました。

しかも島岡さんが同じ席について下さったので修羅場の地雷は何とかなりそうです。

島岡さんに足を向けて寝られませんね。

「まさかここで2人に会うなんて思っていなかったよ」

「藤堂さんと島岡さんに教えてもらったカフェに行ってみようという話しになって…きちゃいました」

いつそんな話をしましたか?

記憶にないです。

「ここは珈琲だけじゃなくてサイドメニューも美味しいんだよ」

「え~!そうなんですか。何がお勧めですか?」

「…そうだな、甘いものなら今日持っていったプリンで食事なら…オムライスかな。ここのは昔ながらの薄い卵でくるんだオムライスなんだ」

「まあ、美味しそうですね」

2人で会話をしているのを私は見ながら相づちをしているだけの状態です。森本先輩の邪魔をすると後が…想像しただけで怖いです。

あっ、でも島岡さんは私にもアイコンタクトをとってくれていますよ。

「ランチにサラダとスープのセットで出しているから今度食べてみたら良いよ」

「そうですね。近いうちに必ず来ます」

何でも速攻の森本先輩なら明日にでもランチしてそうな予感がしますが…。口にするとまた睨まれそうなので黙っておきます。

「いらっしゃい。今日は美人2人と一緒だなんてどうしたんだ?」

お洒落な髭をはやした遊び人風のイケメンの男性が話しかけてきました。

「あ、今日は居たんだな。こいつはここのカフェのオーナーで僕の友人の佐伯 琉斗(さえき りゅうと)。オーナーって言ってもほとんど店に居ないんだけどね。琉斗、彼女達は会社の同僚だよ」

「へ~、美人が多い会社なのか。良いな~」

見かけ通り…と言うか軽い感じですね。

「美人だなんて~」

森本先輩はイケメン好きなので喜んでいる様子です。それに経営者ということは…森本先輩のストライクゾーンど真ん中なのではないでしょうか。

キラキラした瞳で見つめていますよ。

分かりやすすぎだと思うのですが…。

「琉斗はこの店の他にバーや服屋も経営してるんだよ」

ますます森本先輩の好みですね!

「まあ、そんなに沢山…」

更にキラキラ度がアップしています!

間違いなく明日のランチはここに森本先輩が来ていますね。いえ、明日だけではなくこの先暫くはこの店に通っているでしょう。

私はこの店には近づかない方が良いですね。

ふう~、何とか地雷を踏まずに過ごせそうですわ。

こんなドキドキはご遠慮したいですわね。


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