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54. …反則ではないですか?

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お弁当対決と言ってもいいような…森本先輩提案のお弁当持ち寄りデーが近づいてきました。

橘さんに聞いたら「俺は自分で作るのは下手だから何か買っていくよ」とのことでした。

島岡さんにも緊張しながら聞きましたよ。

「僕はデザートでも持って行こうかな。藤堂さんのお弁当楽しみにしているね」って言われてしまいました。私の顔が茹でダコさんの様に真っ赤になったのは言うまでもありません。

恥ずかしい…。

島岡さんから「楽しみにしているね」と言われたからには美味しいお弁当を作らないといけませんわ!
森本先輩には悪いですが本気で作らせてもらいたいと思います。

でも…何を作ろうかしら?

春らしいお弁当…色で言えばパステルカラーの綺麗な色彩が見た目美しくて良いかな。

そうだわ!手鞠寿司なんて良いかも。

食べやすい大きさだし、具材を考えれば色とりどりになるわ!

おかずは春野菜を使ったものにしようかな。

参考に今からデパートの地下に行ってお弁当を見てこようかな…。うん、そうしよう。

急いで支度して近くのデパートに向かった。

結構人がいるのね…。

今までお惣菜売り場ってあまり見たことがなかったけどいろんな種類があって楽しいのね。

サラダのお店や揚げ物のお店お寿司のお店やおこわのお店なんかもあるわ。

面白い。

あら?見慣れた人を発見しました。

向こうは商品を見るのに集中していて気がついていないみたいですわ。

…忘れていました。今は地味活動様の化粧はしていませんでした。

たぶん、気がつかれませんね。

「これって味見とかできないんですか?」

うん、やっぱり聞き覚えのある声ですわ。

「じゃあ、これを100グラム下さい」

手には沢山の商品がありますけど…まだ買うんですか。

「これくらいで良いわ。あとは…重箱買わないと!」

勇ましい感じで大量の荷物を持って重箱を探しに行ってしまいました。

もしかして…森本先輩はデパ地下商品を詰め合わせて持ってくるつもりなんでしょうか…。

でも、確かあの時島岡さんに「腕によりをかけて自慢の料理を作ってきますから食べてくださいね」って言ってませんでした?

プロの商品を使うのは反則だと思うのですが…。

写真でも撮っておいた方が良かったのでしょうか。

いや、でも今更ですね。

それに、出来合いものは駄目なんてルールありませんものね。

よし!私は彩りとかプロの技を盗んで帰ろう。

美味しいと思ってもらえる様な物を頑張って作ろう。

島岡さんに喜んでもらえたら嬉しいなと思いながらデパ地下を散策しました。

イメージは出来上がりました。

あとはその日を待つのみです!
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