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21. 嫌な予感
しおりを挟む昨日何があったのか…。
確か…島岡さんとお食事をして、それから…。
それから何があったんでしょうか?
全く覚えていません。
…というか、ここはどこでしょうか???
私は誰のベッドで寝ていたんですか?
私は慌てて身なりをチェックした。
ホッ…昨日の服をきっちりと着ています。
隣に誰も寝ていません。
コンコン…部屋のドアをノックする音が聞こえます。
この部屋の持ち主よね…。
私は髪の毛を整えて返事をした。
「おはよう、気分は大丈夫かな?」
現れたのは…。
「島岡さん…私はどうしてここにいるのでしょうか?」
「覚えてない?昨日、途中で寝てしまって起きなかったんだよ。家も分からないし、取りあえず僕の家まで運んだんだ」
あ~、昨日は調子にのっていろいろなお酒を飲んだのがよくなかったんですね。
反省します。
「…ご迷惑をおかけしました」
「いやいや、僕は別に何もしていないよ。それに、君には昨日助けてもらったからね」
茶目っ気たっぷりに片目でウインクをしてくる。
島岡さんってこんなキャラでしたっけ?
「あ!今、何時ですか?!」
忘れてた!今日は有宗さんとの約束の日だ!
「疲れていたのか藤堂さんよく寝ていたから今は昼の1時だよ」
嘘!かなり寝ていたのね!
「この家から会社まではどれくらいの時間がかかりますか?」
「ここからだと、電車と徒歩で合わせて30分くらいかな」
それならまだ間に合いますわね。
私は急いでベッドから出て身支度を整えた。
「ありがとうございました。今日は予定がありますので申し訳ありませんがこのまま、失礼します。お礼は今度必ず…」
「お礼なんていいよ…。あ、また飲みに行こうね」
こんな迷惑をお掛けしたのに…良い人ですね。
「はい。では、失礼します」
慌てて玄関に向かうと島岡さんに呼び止められた。
「あ!待って駅まで送る…じゃなくて、家まで車で送るよ。その方がこの時間は早いよ」
家までか…しかし、時間がないし背に腹はかえられません。
普段なら絶対に送くってもらいませんが…。
「お言葉に甘えさせてもらいます。よろしくお願いします」
結局、島岡さんにマンションの前まで送っていただいた。
お父様に見られたら大変な事になるわね。
静さんにも外泊の事を口止めしておかないと…。
「ありがとうございました…。気をつけて帰って下さいね」
「ありがとう。しかし…本当に良いマンションに住んでいるんだね…」
驚いた表情でマンションを見上げています。
「いえ…、あ…すいません。本当に急いでますので失礼します。また月曜日会社で…」
島岡さんは手を顔の近くまで上げて"じゃあね"といった感じで車で去って行った。
急いで用意しないと!
もうすぐ2時だわ!
エントランスのロックを解除するために、暗証番号を打ち込もうとしたら後ろから声をかけられた。
「ねぇ…あの男は誰なのかな?」
振り返ると、有宗さんが仁王立ちしていた。
来るのが早すぎませんか?
嫌な予感がするのは気のせいですよね…。
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