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20. もしかして…
しおりを挟む島岡さんの予約していたお店にいるのですが…デジャブですか?
ここって、橘さんに連れてきてもらったお店と同じですよね?
は~、今日も個室ですね。
「あの~、本当に藤堂さんなの?」
島岡さんはまだ信じられない様子です。
「ですから、間違いありませんよ。同じ会社の藤堂です」
「でも…いつもと雰囲気が…」
やはりそう思いますよね。
「いつもは目立ちたくないので、目立たない様に化粧しているんです。でも、それだと先程の女性達は納得してくれなさそうだなと判断しましたので化粧濃いめで現れました」
本当はこちらが薄めですけどね。
いつもは特殊メイクをしていますとは言えませんからね。
「そうなんだ…。それにしても、凄いね…。別人だね」
島岡さんが驚き過ぎているのか、片言の様な話し方になっています。
こうなったら、お酒の力でも借りて場を和ますしかないですかね。
「島岡さん、どうぞ飲んでください。明日はお休みですし、おつぎします」
私は生ビールをガラスコップに注いだ。
「「お疲れ様です」」
2人で乾杯し、喉が渇いていたのですぐに飲み干してしまった。
いつもはワインを飲む事が多いのだけど、たまには生ビールも良いですね。
美味しい。
「いつもはどうして目立ちたくないのか聞いても良いかな?」
島岡さんがビールを飲み干して質問してきた。
「…そうですね。幼い頃から目立って良い事が無かったからですかね。地味だと皆さん気にもとめないし、何かと動きやすいんです」
「そうなんだ…。女性は綺麗になって目立ちたい思いが強いんだなと思っていたけど…そうではない、藤堂さんの様な女性もいるんだね。ますます好感が持てるよ」
話しながら島岡さんが私にビールをついでくれます。
今の会話の中に気になるフレーズがありませんでしたか?
ますます好感が持てる?って言っていませんでした?
私…島岡さんに対して何か好感を持たれる様な事をした覚えが全くないのですが…。
「まあ、飲んで!今日は僕の奢りだから遠慮しないでよ」
じゃんじゃんビールが注がれます。
いや、私はそんなにアルコールに強くないのですが…。
「今日の助けてもらったお礼もしたいし、いっぱい食べて飲んでよ」
美味しそうなお料理が目の前に並びます。
前回、橘さんときた時に美味しいお店だなと思っていたので、また来れて嬉しいですが、まさかこんなに早く再来店するとは思いませんでしたけどね。
よし!じゃあ今日は沢山食べて飲んで最近溜まっていたストレスを発散しましょう!
お刺身も美味しいです。
あ、お酒がビールから焼酎に変わりました。
焼酎も美味しいですよね。
ん?次は日本酒ですか。
冷やしたのも熱燗もどちらも美味しくて好きですよ~。
あれ?何だか…眠たくてなってしまい…ました。
調子に…のって…飲み過ぎました…かね…。
「ふぁ~!」
???ここはどこでしょうか???
見知らぬ部屋のベッドで寝ていたみたいです。
あれ?私…もしかして…やらかしましたかしら?
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