19 / 100
19. 島岡の彼女ですが…
しおりを挟む「何なんですか?!せっかく私達が誘っているのにその態度…酷いです」
私にはあなたの方が酷いと思えるのですが…間違っていませんよね?
しかも、少し酔っているようですね。
どうしましょう…。
助けるにしても、あの様なタイプの女性は今の私の様な地味な女が彼女として出ていった所で話を止めないでしょうね…。
あ、いい忘れていましたが、大学で心理学も学んで心理カウンセラーの資格もとりました。
なので、セミプロ視点で申し上げます。
あのタイプの女の人に対抗するには…あの人より格上だと思われる人が登場しないと駄目だと考えます。
仕方がありませんね…。
いつも島岡さんにはお世話になっていますし、島岡さんには、頑張って化粧したらこんな顔になりました…と言い訳してみましょう。
急いで近くの公園のトイレに入り髪をほどき、特殊メイクを落とし、薄化粧しました。
島岡さん私が行くまで何とか持ちこたえて下さいよ。
「酷いと言われても私は当たり前の事を言っているつもりですが…」
「島岡さんがこんなに付き合いの悪い人だったなんて…会社の人に言ってやるから!」
「ごめんなさい…お待たせしてしまいましたか?あら、島岡さんそちらの女性達はどなたですか?」
私は地味メイクを一掃し休日の高宮 菫として登場した。
島岡さんも彼女達も口が開いてしまい唖然としている。
いや、島岡さんはダメですよ!
私は島岡さんに目で合図を送った。
気がついて!
「あ…彼女達は僕がお世話になっている取引先の会社の人達だよ」
何とかアイコンタクトの意味は理解して頂けたみたいですね。
「あら、いつも島岡がお世話になっています。私は島岡の彼女の藤堂と申します」
思いっきり絡んでいた女性を見つめながら挨拶をしてやりましたわ。
彼女達はまだ驚いていますわね。
「約束の時間に過ぎてしまいましたわ。早くお店に行かないと…」
私はそう言って島岡さんに張り付いていた彼女達を剥がし、呆然としている島岡さんと腕を組んだ。
「では、皆様失礼いたします」
彼女達を置き去りにして、店の方向へ歩きだした。
彼女達が見えなくなると島岡さんが急に足を止めた。
「あの、ありがとうございました!とても助かりました…所で、どうして私や藤堂のの名前をご存知なのですか?」
ん?気がついて無いんですね。
私は髪をいつものように後ろで1つに結び、横に流した前髪もいつものように目を隠すように戻して見せた。
「え…?え~!!藤堂さんなのか?!」
島岡さんは自分が思ったより大きな声を出したことに気がつき自分の口を手で押さえた。
「すごい…え?本当に?信じられない…」
島岡さんは私をジーと見つめながらブツブツと独り言の様に話している。
この反応を見る限りだと私の特殊メイクの腕も落ちてなさそうね。
学校に通い直さなくてもすみそうだわ。
でも、良かった。
取りあえずは"島岡さん救出作戦"成功みたいね。
これで駄目ならどうしようかと思っていましたから。
その時島岡さんの電話が鳴った。
予約していたお店からみたい。
「取りあえずお店で話そう…」
島岡さんは電話を切ると大きな溜め息を1つついてから私に話しかけてきた。
「はい」
2人でお店に向かいながら、私は先程考えた言い訳を頭の中で復習していた。
これで大丈夫なはず…ですよね?
0
お気に入りに追加
152
あなたにおすすめの小説
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
けいこ
恋愛
カフェも併設されたオシャレなパン屋で働く私は、大好きなパンに囲まれて幸せな日々を送っていた。
ただ…
トラウマを抱え、恋愛が上手く出来ない私。
誰かを好きになりたいのに傷つくのが怖いって言う恋愛こじらせ女子。
いや…もう女子と言える年齢ではない。
キラキラドキドキした恋愛はしたい…
結婚もしなきゃいけないと…思ってはいる25歳。
最近、パン屋に来てくれるようになったスーツ姿のイケメン過ぎる男性。
彼が百貨店などを幅広く経営する榊グループの社長で御曹司とわかり、店のみんなが騒ぎ出して…
そんな人が、
『「杏」のパンを、時々会社に配達してもらいたい』
だなんて、私を指名してくれて…
そして…
スーパーで買ったイチゴを落としてしまったバカな私を、必死に走って追いかけ、届けてくれた20歳の可愛い系イケメン君には、
『今度、一緒にテーマパーク行って下さい。この…メロンパンと塩パンとカフェオレのお礼したいから』
って、誘われた…
いったい私に何が起こっているの?
パン屋に出入りする同年齢の爽やかイケメン、パン屋の明るい美人店長、バイトの可愛い女の子…
たくさんの個性溢れる人々に関わる中で、私の平凡過ぎる毎日が変わっていくのがわかる。
誰かを思いっきり好きになって…
甘えてみても…いいですか?
※after story別作品で公開中(同じタイトル)
いつの間にかの王太子妃候補
しろねこ。
恋愛
婚約者のいる王太子に恋をしてしまった。
遠くから見つめるだけ――それだけで良かったのに。
王太子の従者から渡されたのは、彼とのやり取りを行うための通信石。
「エリック様があなたとの意見交換をしたいそうです。誤解なさらずに、これは成績上位者だけと渡されるものです。ですがこの事は内密に……」
話す内容は他国の情勢や文化についてなど勉強についてだ。
話せるだけで十分幸せだった。
それなのに、いつの間にか王太子妃候補に上がってる。
あれ?
わたくしが王太子妃候補?
婚約者は?
こちらで書かれているキャラは他作品でも出ています(*´ω`*)
アナザーワールド的に見てもらえれば嬉しいです。
短編です、ハピエンです(強調)
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿してます。
【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる