16 / 20
16. 復讐始めました
しおりを挟むシア王子が私の両親に話があると言って今日はこの屋敷にやって来ることになっている。
両親は何を言われるのかと朝から落ち着きがない。
因みに、両親はシア王子が私の婚約者に内定した事は知らない。
知っていたら、婚約の話だろうかと思っていたかもね。
「シア王子様がご到着されました」
さあ、いよいよ始まりますね。
「シア王子様、ようこそ我が屋敷へ。此度はどのようなご用件でしょうか…」
お父様の唾液を飲み込む音が聞こえました。
かなり緊張していますね。
「屋敷の中がスッキリしているな。引っ越しでもするのか?」
おっ、シア王子嫌み攻撃です。
「い、いえ、不要品を廃棄しただけでございます」
お父様、噛んでますよ。
「ほ~、そうか」
チラッとお父様の顔をシア王子が見た。
お父様の冷や汗が凄いです。
まだまだこれからなのに…。
「シア王子様、特別なお茶を御用意しておりますのでお座りになって下さい」
お母様が空気を読まず声をかけました。
変わりませんね。
「特別なお茶…か。ハハハッ…、まさか毒いりとかではないよな」
シア王子が笑いながら冗談ぽく言っているが、両親は笑っていない。
「冗談も通じないか。仕方ないな…本題に入るか。今日来たのは私の亡くなった従姉のキャロルの事について話があったからだ…」
うわ~、両親の顔色がどんどんと青くなっていきます。
「キ…キャロルのことですか」
お父様また噛んでいますわ。
「手紙がね出てきたんだよ。それを公爵に読んでもらおうと思ってね」
うわ~、シア王子が悪い笑顔してますよ。
「て、手紙ですか」
「これだ、これは写しだが内容は同じだからね」
そう言ってデリム達の前に手紙を開けて置いた。
デリムとアデレイトは手紙に顔を近づけて読んでいる。
シア王子様へ
この手紙が届く頃には私はもうこの世には居ないでしょう。
何故なら婚約者のデリムと幼馴染みのアデレイトが私を殺して公爵家を乗っ取るつもりだからです。
私は偶然に2人の話を聞いてしまったのです。
毒薬で私を殺すと…。
いつ実行されるかは分かりません。
ですからある方に協力をお願いしています。
もし私が亡くなったら手紙を保管して10年後にシア王子様に渡してほしいとその方にお願いしました。
今は幼いシア王子様も10年後には立派な大人になられて事件の真相を突き止めてくださると信じています。
それまでは揉み消されないように隠しています。
ですが…。
もし、10年後にデリム達に子供が出来ていたのならその子に罪はありません。
私は公爵家を潰したくは無いのです。
難しい事だとはわかっていますが、できればその子に公爵家を継がせてほしいと思います。
罰するのは両親だけにしてほしいのです。
証拠も隠してあります。
協力者が隠してくれているはずです。
その証拠を使って必ず2人に復讐を!
そうでなければ死んでも死にきれません!
こんな事をシア王子様にお願いするのはどうかと思い迷いましたが、私には頼れる人はシア王子様しかいないのです。
どうか、どうか…私の最後の願いを叶えてください。
キャロル
あらら、デリムもアデレイトも顔が青を越えて白色になってますわ。
手紙は全部読めたようですね。
面白くなるのはまだまだこれからですわ!
0
お気に入りに追加
503
あなたにおすすめの小説
【R18】王太子に婚約破棄された公爵令嬢は純潔を奪われる~何も知らない純真な乙女は元婚約者の前で淫らに啼かされた~
弓はあと
恋愛
タイトル通り、王太子に婚約破棄された公爵令嬢が純潔を散らされるお話です。
皆がそれぞれ切ない想いを抱えていますが、ハッピーエンドかもしれません。
※設定ゆるめ、ご都合主義です。
※本編は完結していますが、その後の話を投稿する可能性があります。
婚約破棄された公爵令嬢は、真実の愛を証明したい
香月文香
恋愛
「リリィ、僕は真実の愛を見つけたんだ!」
王太子エリックの婚約者であるリリアーナ・ミュラーは、舞踏会で婚約破棄される。エリックは男爵令嬢を愛してしまい、彼女以外考えられないというのだ。
リリアーナの脳裏をよぎったのは、十年前、借金のかたに商人に嫁いだ姉の言葉。
『リリィ、私は真実の愛を見つけたわ。どんなことがあったって大丈夫よ』
そう笑って消えた姉は、五年前、首なし死体となって娼館で見つかった。
真実の愛に浮かれる王太子と男爵令嬢を前に、リリアーナは決意する。
——私はこの二人を利用する。
ありとあらゆる苦難を与え、そして、二人が愛によって結ばれるハッピーエンドを見届けてやる。
——それこそが真実の愛の証明になるから。
これは、婚約破棄された公爵令嬢が真実の愛を見つけるお話。
※6/15 20:37に一部改稿しました。
殿下は私に向けて、悲しそうに婚約破棄を宣告されました
柚木ゆず
恋愛
王太子ノルベルトと婚約している伯爵令嬢・シャルロッテは、結婚まであと二日という時に婚約破棄をされてしまいます。
大勢の前で婚約を破棄した上に、シャルロッテを罵るノルベルト。彼はシャルロッテを傷付ける言葉を平然と放ち、悪びれもせず去ってゆきます。
しかし――。そんな姿を目で追っていたシャルロッテは、気付いてしまうのでした。
去りゆくノルベルトの顔はとても悲しげで、罪悪感に押し潰されそうになっていることに。
【完結】子供が出来たから出て行けと言われましたが出ていくのは貴方の方です。
珊瑚
恋愛
夫であるクリス・バートリー伯爵から突如、浮気相手に子供が出来たから離婚すると言われたシェイラ。一週間の猶予の後に追い出されることになったのだが……
好きだと言ってくれたのに私は可愛くないんだそうです【完結】
須木 水夏
恋愛
大好きな幼なじみ兼婚約者の伯爵令息、ロミオは、メアリーナではない人と恋をする。
メアリーナの初恋は、叶うこと無く終わってしまった。傷ついたメアリーナはロメオとの婚約を解消し距離を置くが、彼の事で心に傷を負い忘れられずにいた。どうにかして彼を忘れる為にメアが頼ったのは、友人達に誘われた夜会。最初は遊びでも良いのじゃないの、と焚き付けられて。
(そうね、新しい恋を見つけましょう。その方が手っ取り早いわ。)
※ご都合主義です。変な法律出てきます。ふわっとしてます。
※ヒーローは変わってます。
※主人公は無意識でざまぁする系です。
※誤字脱字すみません。
純粋無垢な王子は笑顔で敵を排除する
しろ卯
恋愛
強すぎる力を持って生まれたセスは、人に触れることを許されず、周囲に疎まれ孤独に生きていた。
ある夜、セスは真紅の髪と瞳を持つ、妖精のような少女に出会う。彼女はいつか、彼を抱きしめてくれると約束してくれた。
けれどセスの身に降りかかる苦難は、約束の日を待たずして、彼の心を壊していく。
魔の手が愛する者にまで迫った時、彼は動き出す。
◇
序盤はシリアス、中盤から軽めなタッチで反撃します。
なろうさんにも投稿しています。
【完結】【R18】妹に婚約者を寝取られ断罪されたわたくし。~連行する騎士様、監禁先で蹂躙してくださいませ【本編完結。番外編7つ】
にじくす まさしよ
恋愛
筋肉と愛欲シリーズ第一弾
待望の著書の発表がついに実現っ!(大嘘)
数名の方からリクエストがあり久しぶりにR18を手掛けてみます。
ここは、魔法ありなファンタジーな世界。ヒロインは王子の婚約者として日々様々な学問や政治、帝王学に加えて魔法までみっちりと秒単位のスケジュールで管理されていた。幼かった頃には、確かに笑って駆けっこしていた記憶がいい思い出として残って────いや、全くない。脳みそのどこをひっくり返しても勉強、指導、復習、予習、失敗すれば叱責に、酷いときは鞭打ちだ。返り討ちにしてやったが。
人なみにささやかな幸せを望み、疲れ果てた頃、自分を無視して最低限度のカードすら届けない婚約者とはすでに絶対零度よりも厳しい冷たい仲である。しかし、立場の弱い自分からは婚約解消するわけにはいかず、下手すれば親族郎党が罰せられ領民にまで被害にあうだろう。なんとか、薄氷の上を渡るようなギリギリの状態の中、学園生活が始まった。
ヒロインには同い年の後妻が連れて来た愛らしい妹がいる。恐らく父親は同じだろうが、対外的には後妻の連れ子とされている彼女は愛らしく誰からも好かれる優しい少女だ。心までがんじがらめになっているヒロインとは大違い。
義妹ではなく、妹として扱えと厳命されている。彼女は父に溺愛されており、厳しい教育は全くない。天真爛漫に育った彼女と一緒にヒロインは比べられるようにというより、存在を無かったかのように育てられ現在に至る。
そして、今日も一人、妹に魅了された男の子が一人彼女に近づいていくではないか。
ちょっと待てやこら。てめえ、仮にも私という婚約者がいるだろうが……! 政略結婚の意味知ってますぅ? てめえの頭はスカスカですか? そうですか。────はっ! ゴホン失礼しました。あまりの暑さに脳内がオーバーヒートしていたようです。
そんなわけで、可憐な美少女である妹に心惹かれたわたくしの婚約者である王子は、わたくしの苦言を一切聞き入れる事などなく、婚約破棄を声高らかに宣言したのであった。
ヒロインの性格はずぶとく前向き(?)で明るめなのでシリアスはありません。
※性行為に準じた表現があります
※※性行為表記あり
暇つぶしにどうぞ。気ままに書き進めます。
お気に入り76 こんなに読んでくださるとは思ってもみませんでした。ありがとうございます。最後まで書きあがっていますけれども、毎日が修正だらけです。がんばります!2021.8.26
お気に入り100にびっくりしています。ありがとうございます!2021.09.01 本懐を遂げた記念、キャラたちも喜んでいる事でしょう!
貧乏伯爵家の妾腹の子として生まれましたが、何故か王子殿下の妻に選ばれました。
木山楽斗
恋愛
アルフェンド伯爵家の妾の子として生まれたエノフィアは、軟禁に近い状態で生活を送っていた。
伯爵家の人々は決して彼女を伯爵家の一員として認めず、彼女を閉じ込めていたのである。
そんな彼女は、ある日伯爵家から追放されることになった。アルフェンド伯爵家の財政は火の車であり、妾の子である彼女は切り捨てられることになったのだ。
しかし同時に、彼女を訪ねてくる人が人がいた。それは、王国の第三王子であるゼルーグである。
ゼルーグは、エノフィアを妻に迎えるつもりだった。
妾の子であり、伯爵家からも疎まれていた自分が何故、そんな疑問を覚えながらもエノフィアはゼルーグの話を聞くのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる