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12. まさか?!
しおりを挟む突然、シア王子から呼び出しのお手紙を頂いた。
一体何があったんだろう?と思いつつ王宮に向かう。
「やあ、突然呼び出してすまなかったね」
いつもと変わらないシア王子の笑顔。
「いえ、それで本日はどの様なご用件なんでしょうか?」
「いきなり本題を聞くの?もう少しこの時間を楽しもうよ」
シア王子は侍女に命じてお茶の準備をさせた。
「まあ、お茶でも飲みながらゆっくり話そう」
シア王子の、のんびりした性格は変わっていない様ですね。
「はい」
私は仕方なくお茶に口をつけた。
「美味しい…」
「でしょ、これは取り寄せたんだよ。ルナはこれが好きではないかなと思ってね」
この紅茶は前世の私…キャロルが好きだった紅茶だ。
シア王子はもしかして気がついているの?
しかも、いきなり名前呼びになっていませんか?
「ルナに似た人がこの紅茶が大好きだったから、もしかして…と思ってね」
たぶん、キャロルの事ですね。
シア王子覚えてくれていたんですね。
「所で、手紙の件なんだけど証言は色々と集めたけど物的証拠は手に入らなかったんだよ。もしかして、ルナが持っているのではないかなと思って今日呼び出したんだよ」
やっぱりそうですか~。
本当に悪知恵のはたらく男だったんですねデリムって。
何でキャロルはあんな男を好きになったのか…。
自分の異性を見る目の無さに反省します。
「そうでしたか。実は…証拠になるかはわかりませんが掃除していた時に見つけた物はあります。それは、お父様のベッドの下にあった物なのですが…」
シア王子の体が近づきます。
「それは何だったの?」
「直接見て頂いた方が良いと思うので今度持参します」
「そうか…わかった。少なくとももう一度ルナと会えるんだね。あっ、それから気になっていたんだけど両親の罪を明らかにしたらルナはどうするの?」
やはりきましたねこの質問。
「両親の刑がどうなるかによって違ってきますが…。できれば、公爵家を守りたいと思っております」
そうなるように手紙にも書いていたからシア王子は気になっているんだと思う。
「…そこで提案なんだけどね、私と婚約しない?」
「へ?」
驚きすぎて変な声が出てしまいましたよ。
「失礼しました。シア王子様と婚約ですか?」
全くの予想外ですけどー!
「うん。私はいずれ降下しないといけない身だからね。そう考えたらルナと結婚するのが一番良いんではないかと思ってね。そうすれば、公爵家も守られると思うよ」
た、確かにそうかもしれませんが…。
私が悩んでいる間にシア王子はいつの間にか私の手を取り自分の両手で包んでいました。
「歳が離れた私と結婚するのはそんなに嫌かな?」
首を少し傾けてイケメンスマイルを見せてきます。
くぅ~!
こんなお願いみたいなキュンキュンする仕草、あざと可愛すぎます。
シア王子…いつの間にか、やり手王子に成長されていたのですね。
恋愛経験の少ない私には凄い攻撃です。
「い、嫌ではないです」
「では、決まりだね!」
イケメン笑顔がより一層輝きました。
どうやら私は前世の従兄弟と結婚することになりそうです。
こんな計画聞いてないよ~!
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