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45. リリル様からのプレゼント
しおりを挟む「素敵です!これはリリル様の反応が楽しみですね。フフッ…」
侍女のナリスさんの笑顔が意味ありげで怖いです。
「ナリスさんにそう言って頂けると自信がもてます」
クリオさんにお願いしていたドレスが出来上がったのだ。
本番前に着てみて髪型とアクセサリーを決めましょうとナリスさんに言われたので今、着させてもらいチェック中なのです。
クリオさんの作ってくださったドレスはとても素敵なんですよ。
アクアマリン色の光沢のあるサテン生地を土台に同じ系統の色のラメ入りレースなどが全体にあしらわれていて動く度にキラキラと光るようになっている。
しかも、デザインも胸元が開きすぎず、スカートのボリュームも抑えてあって一見シンプルなんですが生地のおかげでそう感じさせないという、本当にプロのお仕事だなあと思えるドレスです。
着心地も最高なんですよ。
クリオさんに感謝ですね。
リリル様驚いてくれるかな…。
「さあ、ミレーナ様アクセサリーと髪型を決めてしまいましょう」
「はい」
「忘れておりました!リリル様からミレーナ様にとお預かりしていた物があるんでした」
ナリスさんはリボンのかかった箱を私にくれた。
なんだろう?
「是非、今度のパーティーで使用して欲しいとの事でした」
私はリボンをほどき箱を開けた。
「うわぁ…。綺麗」
中は綺麗なアクセサリーだった。
大きな宝石のついたネックレスと雪の結晶の様な形をした宝石がついた揺れるイヤリング。
「これは、ダイヤですね。素晴らしいプレゼントですね…リリル様の気合いが感じ取れます」
リリル様の気合い?
ナリスさんはたまに分からないことを言いますよね。
だけど、ダイヤモンドなんて凄い高価なものを私に…。
貰っても良いんでしょうか?
確かに公爵家の婚約者ならこれくらいの高価な物が必要かもしれませんけど…。
「まあまあ、そんなに考え込まないで下さい。後で着けてみましょう。先に髪型を決めてしまいましょう」
ナリスさんは私が悩んでいるのを察したみたいで声をかけてきた。
「リリル様からプレゼントされたアクセサリーを見せる為に髪はアップか、後ろに流す形にしませんか。ミレーナ様はどちらがお好きですか?」
「そうですね。私はアップが少し苦手なので違う方が嬉しいです…」
「分かりました」
ナリスさんは私の話を聞き終わるとすぐに手を動かし始めた。
ベテラン侍女の動きは無駄な動きがなく素早く私の髪をまとめあげた。
『ミレーナ、お姫様みたい!綺麗!美人!』
ビリー様が興奮した様子で翼をばたつかせている。
「本当にお綺麗です。後はこのアクセサリーを着けて終わりですね」
「これが…私…」
鏡の中の自分を見て驚いた。
どう見ても今まで見たことがない別人の私がそこに居るのだ。
「これは、リリル様に一度お見せしておいた方が良いかも知れませんね…。当日だと見とれてしまうかも…」
ナリスさんが何かブツブツと言っている。
私は自分を見ながら、馬子にも衣装と言う言葉を噛みしめていた。
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