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33. 帰省
しおりを挟む「実家でゆっくりしていらっしゃい。また、1週間後にお会いしましょう」
公爵夫人が見送りに部屋まで来てくださった。
「ミレーナも急に魔法が解けたから戸惑うこともあると思うけど家の人に聞いてもらいなさいね」
リリル様も来てくださった。
そう、私は一時淑女レッスンをお休みさせてもらって実家に帰る事になったんです。
理由は魔法が解けてから私の様子がおかしいから…。
リリル様が気にして下さって"1回実家に帰りなさい!"と言われてしまったんですよ。
様子がおかしいのは違う理由なんですけど、そんな事を本当には言えず…大人しく実家に帰る事にしました。
魔法が解けた事は手紙に書いて送っているので別に帰らなくても良いんですけどね。
「申し訳ありません。帰って来たら頑張ります」
私は無理やり笑顔を作って挨拶した。
『元気でな!』
「ビリーちゃんが居なくなると寂しいわ~。ビリーちゃんも帰って来てね」
公爵夫人にもかなり気に入られているんですね。
『奥様美人!ビリー、大好き』
「やだ、ビリーちゃん…」
ビリー様…人間なら同性にかなり嫌われるタイプですよ。
リリル様達と挨拶を済ませ、私達は馬車に乗り込んで実家に向かった。
実家に到着すると家族全員が待っていた。
…お父様、お兄様達は仕事のはずだよね?
何してるの?
「「「ミレーナ!」」」
お兄様達が一斉に私に抱きつこうと寄ってきた。
「俺が先だろ!」
アイドお兄様、お城にいるはずですよね?
「いやいや、ミレーナは僕と一番仲が良いから僕からだよ!」
タミルお兄様、魔法省のお仕事はブラックで家にはなかなか帰る事が出来ないって手紙に書いてませんでした?
「何を言っているんだ、こういうのは長男が最初と決まっている!」
ノエルお兄様お仕事が忙しいと聞いてましたが何故ここにいるのでしょうか?
「ええい、五月蝿い!父親が一番に決まっているだろう!」
お父様も交えて4人で口喧嘩しています。
私はその横を通り抜けてお母様に抱きつきました。
「お母様、只今戻りました」
「あらあら、本当に魔法が解けてしまっているのね。このままだと危ないかもしれないわね…」
お父様達がケンカを止めて一斉にこちらを見ました。
「「「「その通りだ!」」」」
「リリル様と婚約はしたが今の姿だと、また以前のように誘拐される可能性が高い…」
いやいや、お父様考えすぎですよ。
「何か効果のある魔法がないか調べてみるか?」
タミルお兄様いったいどんな魔法を考えていますか?
「いや、俺の仲間に24時間護衛させよう!」
アイドお兄様達は王族の方を守る為にいるのでしたよね?
「家族全員が交代でミレーナの護衛をするというのが一番じゃないか?知らない男と2人きりになんかさせられない」
うわ~、ノエルお兄様凄い案を出してきましたね。
それぞれ仕事があるのに無理に決まっているでしょう。
「「「「それ、良い!」」」」
へ?
お父様達はノエルお兄様が出した案に感心している様子です。
家族に護衛なんてされたくないんですけど~!
『俺もする!』
あっ、ビリー様も参加するみたいです。
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