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34. 皆さんも引き続きご注意下さい

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「良かったわ~。エレノワさんの結婚式素敵だった」

 今日はキュピナが縁を結んだエレノワさんの結婚式があったようです。

 なんとお相手は隣国の皇太子殿下。

 色々と面倒な事に巻き込んでしまったので天界も少し力をお貸しして素敵なご縁が結べたみたいです。キュピナも満足そうで良かったです。

「しかし、まさか天界が力を貸すとは思わなかったな」

 ミカルがキュピナがもらってきた結婚式の引き出物のお菓子を勝手に開けて食べながら話しています。お行儀が悪いですね。こぼれてますよ!

「それよりも後の話の事をどうするか…だろ?」

 ルーファは相変わらず落ち着いた様子でソファーに座って珈琲を飲んでいます。

「そうだよな…」

 実はミカル達にゼウス様から手紙を預かり事件解決後に渡したのですが、その内容についてですよね。

「まさかこんなに早く帰れるかもしれないなんて考えてなかったからな~」

 そうなんです。実はゼウス様からの手紙には地上での修行を終えて天界の学校に帰ってきても良いとかいてあったんですよ。

 まあ、でもミカルはこれについては何も考えていないでしょうね。普段から流されるままに生きているところがありますからね。これは想定内です。気になるのはルーファです。

「今帰っても中途半端な気もするが…。天界に帰っても退屈な事には変わりがないからな」

 意外です。ルーファは喜んですぐに天界の学校に帰ってくると思っていましたけど、違うみたいですね。

「そうね。私はもうしばらくここに残るわ。こちらの方が何かと楽しいのからね」

 キュピナはそう言うと思っていました。地上に降りてから何だか生き生きとしていますからね。

 結局、明確な答えが出ているのはキュピナ一人だけみたいですね。

「どっちでも良いなら二人とも残ってここを手伝ってよ」

 キュピナが二人にお菓子を配りながら話しかけています。

「まあ、俺はどっちでも良い」

 相変わらずのミカルの答ですね。

「…考えてやっても良いが条件にもよるな」

 条件って何なんでしょうか。ルーファだからとんでもないことを言われそうですよね。

「条件って…ルーファらしいわね。何よ条件って?」

 キュピナも私と同じことを考えているんでしょうね。

「…退屈させないで楽しませてくれるのならこちらに残ってやっても良い」

「「なにそれ!?」」

 ミカルとキュピナが同時に驚いた声を出しました。

 ルーファらしいといえばらしい内容です。

「天界よりは退屈しなかったでしょう?なら、大丈夫でしょ」

 キュピナが呆れるように言ってますね。

「確かに色々ありすぎて天界よりは退屈はしなかったな。俺もこっちに居ようかな」

 ミカルも決めたようですね。

「じゃあ、決まり!この三人で続けていきましょう!」

 キュピナがそう言うとミカルとルーファの口角が少し上がったように見えました。

「「仕方ないな。遊びに付き合ってやる」」

 今度はミカルとルーファが声を揃えて答えています。

「やった~!そうと決まれば新しいお客様を探してこないとね」

 キュピナが慌ただしく事務所を飛び出していきました。

 はぁ~。監視継続決定ですね。

 皆さんも天使と悪魔が引き続き地上に残るそうなのでご注意下さい!





 これにて完結になります。

 不定期掲載にもかかわらず、読んでくださっていた皆様本当にありがとうございました。

 感謝しています。

 ありがとうございました。
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