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30. 発見!?

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「何これ?」

 ミカルが上から落ちてきた何かに手を伸ばした。ここは室内…。外ならまだ上から何かが落ちてくることもあるかもしれないが…怪しすぎるだろ。

「手紙…?宛名は俺達になってるけど誰からかは書いてない。とりあえず中を見てみるか?」

 そう言いながらミカルが俺の方を見たので頷いた。

「…はあ?!何で…何で知ってるんだ?」

 手紙を読んでいたミカルが大きな声をあげた。

「どうしたの?何が書いてあるの?」

 キュピナがミカルに駆け寄り手紙を覗く。

「これって…多分…天界からの手紙ね。でも教えてもらえて良かったわ。すぐに助けに向かいましょう」

 キュピナは手紙を見てすぐに思うことがあったらしいが、ミカルはまだ納得のいっていない顔をしている。

「はあ?何でこれが天界からの手紙なんだ?アイツらはそんなに親切じゃないだろう?それに何で俺達の仕事の中身を知っているんだ。おかしいだろう」

 まだ手紙は見ていないがミカルの言葉で想像がついてきたな。おそらく今回の事件の事で何かが書いてあるみたいだな。

「貴方は…。はぁ~、知らないのですか?私達はここに(人間界)に落とされた時から監視されています。何か問題を起こした時に困らないように、あっち(天界)に戻る時までずっとね」

「な!監視!?そんなのされてたのか!」

 ミカルも人間界に降りる時に説明を受けたはずだが忘れている…というか聞いてなかったが正解かな。こいつらしいな。

 しかし、天界から手紙とは…。

 よほどの事がないとそんなことはあり得ないはずだ。

 やはりキュピデが関わっているからか。

「今はそれよりもエレノアを助ける事が先よ!行くわよ!!」

 キュピナが呆然としているミカルを事務所に残して飛び出した。俺も急いで後を追う。

 手紙にどこに居るかが書いてあったらしく迷いなくキュピナが進んでいく。

 そして一軒の古いビルの前で立ち止まった。

「ここみたいね…」

 扉に手を掛けたが…やはり鍵がかかっている。

 仕方ないな…。

「のけ…。開ける」

 道具を胸のポケットから取り出し鍵の穴を見る。鍵穴をいじるとすぐにカチッと音がした。

「開いたぞ…」

「ルーファ…そんな事もできたの?」

 キュピナが呆れたような驚いたような複雑な顔をしていた。

「今はそれどころじゃないんだろ?」

「そうだったわ!」

 キュピナは慌てて鍵を外して扉を開けた。

「エレノアさん!どこ~!!」

 大声をだしながらビルの中を歩いていく。

 何処からか女性の声が聞こえてきた。

 「エレノアさん!?」
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