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26. 休暇明けのキュピル

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「はぁ~、今日からまた仕事を頑張ろう!」

 ゼウス様から休暇をいただいて彼女と仲直りの旅行に行ってきました。彼女の機嫌も良くなって何とかふられる危機は回避できたみたいだし、仕事に集中できそうだよ。

 そういえば休暇の間はキューピッド一族から代理で誰かが入ってくれていると聞いたけど…誰が入ってくれたんだろうか?

 まあ、行けばわかるか。

 いつものようにミカルやルーファ達を監視する場所に来たが…誰も居ない。

「あれ?休憩でもしてるのかな?」

 でも変だよな。こんな時間に休憩するか?

 不思議に思って辺りを探してみたが人の気配が全く無い。

「え?もしかして、サボり…」

 監視の仕事はキューピッド一族の大事な仕事の一つだと思っている。

 それをサボり?

 しかも、ゼウス様から頼まれたのに?

 許せない…。

 キュピルの顔に怒りが見える。

 だが、今この場から離れることもできないし…。今日の仕事を終えてからゼウス様に報告しよう。まずは、ルーファ達の様子を監視しないと!

 キュピルは望遠鏡でルーファ達を探した。

「ん?何かがあったみたいだな。ルーファが悪魔の能力を使っているみたいに見える。それに、キュピナの様子もおかしい…。何だ、何があったんだ?」

 望遠鏡で辺りを観察してみると…。

「あれ…?あれはキュピデじゃないか…。何をしているんだ?え…いつ人間界に降りたんだ?」

 キュピデ…頭脳明晰でキューピッド族の中でもエリートと呼ばれる1人だ。

 ただ、性格が悪いのでも有名な人物なんだよな~。色々と黒い疑惑の噂もあるが証拠が無いのであくまでも噂で収まっているというグレー色の人物。

 そのキュピデが人間界で若い女性と一緒に歩いている。しかも誘導しているみたいに見えるな。何をしているんだ?

 嫌な胸騒ぎがする。

 もしかして…代理の監視員はキュピデだったとか?

 そういえば…昔、キュピナと揉めていたことがあったのを思い出したぞ。

 たしかキュピナが縁を結んだのに、新たにキューピッドの矢を打ち縁を切らせたと言って怒り狂っていたような…。

 あの時も「悪気は無かったがうっかりと手元が狂って当ててしまった」とキュピデが言うから罰は無かったんだが…。

 今回もキュピナの邪魔をしている…?とかはないよな。

 しかし…目の前のキュピデが怪しい行動をとっているようにしか見えない。

 もう一度回りをよく観察してみた。

 ルーファは気がついているのかカフェから出てキョロキョロと辺りを見回している。

 これはゼウス様にすぐに相談したほうが良さそうだな。

 急いでゼウス様の所に向かうことにした。

 ここは監視カメラの電源を入れておこう。

 ポチっとな。
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