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21. 天使達の休息
しおりを挟む「なあ…。仕事ってまともな仕事はないのか?」
ミカルが睨むようにキュピナに言っています。でもミカルの気持ちも理解出来ますね。精霊王が絡んでいたり、魅了の力を使う人間が混じっていたりと…今までの仕事はなかなか凄かったですから。
普通に相性の良い人間同士をくっつけるというお仕事を想像していたとしたら全然違いますからね。
キュピナもまさかこんな風になるとは思っていなかったと…思います。たぶん…。
元々イタズラが好きなところがあるので、お客様を選ぶ時に揉めそうな人を選んでいたりしませんよね…。
昔は人が困っている姿を見て笑った後で自分が助けに入り、感謝してもらう…みたいなことをやっていた前科があるので絶対に無いとは言いきれないのが悲しいです。
今度こそ普通のお客様だと良いですね。
「失礼ね…あれでも選んでいたのよ。嫌なら自分で仕事を取ってきなさいよ」
え?あれで仕事を選んでいたのですか。
いや~、それはないでしょう。
もしかしてキュピナってトラブル体質なんでしょうか?
自分でも気がついていないだけでトラブルを自分から選んで近寄ったり、引き寄せたりするタイプ?
……私が結論を出すのはどうかと思うので考えるのをやめておきます。これはゼウス様にご相談してみましょう。
「ねえ、それより何でルーファが来てないの?」
そういえば姿がありませんね。
「あ~、アイツは友人の所に行くって言っていた」
「友人…あの悪魔に私以外の友人がいるの?」
キュピナが目を大きく見開くくらいに驚いています。
「それ言うとルーファに怒られるからな。アイツ怒るとしつこいんだよな…」
これはミカルも言って怒られた経験ありですね。
現世では双子で転生したとはいえ元々は天使と悪魔です。大きな特性の違いがありますからね。性格も違うでしょう。
「リリアが通っているホストクラブにでも行ったのかしら?あそこに知人がいるって、そういえば言っていたわね」
リリアさん…最近お見かけしないと思っていましたが、ルーファの作戦にまんまとはまってしまっていたのですね~!
悪魔の罠にはまるとは…御愁傷様です。
「悪魔の考えは俺達にはわからないからな~。どこで何をしているのかなんていちいち気にしていたら身が持たないぞ」
確かにその通りですね。
「あっ、そうだわ!今日はお父様から珍しいお菓子を貰ったのよ。食べる?」
キュピナの手元には色鮮やかなケーキが見えます。美味しそうですね~。天使族もキューピッド族も甘いものが大好きですからね。
「それを早く言えよ!」
どうやら、2人のティータイムが始まりそうです。
今日は天使達の休息ですね。
私もそろそろ帰るとしましょう。
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