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40. 嘘だよね!
しおりを挟む「サファイア~!」
僕が猫になりたいと言った事でサファイアを怒らせてしまった。
僕はただサファイアやサファルと同じになりたかっただけなんだ。
仲間外れは嫌だっただけなんだ。
それなのに…。
確かにサファイアの言っていた通りだと僕も思うよ。
僕が猫になっている間に国に何かあれば大変だからね。
それくらいは分かっているよ…。
だけど…。
いや、今は考えている時ではない。
サファイアを追いかけないと!
「サファイア~!出ていくなんて言わないで機嫌を直してー!」
多分、脅しただけで実行はしないと思うけどね。
だけど、僕の考えが甘かった事をすぐに知った。
僕がサファイアの部屋に行くとサファイアはすでに荷物を鞄にまとめて部屋から出ようとしていたのだ。
「え…サファイア…どこに行くのかな」
玄関へと向かうサファイアに歩きながら話しかける。
「サファルと一緒に実家に帰ります!」
「え、でもサファイアの実家は遠いからサファルを連れて帰るのは難しいと思うんだけど…」
馬車で何日もかかるよ。
「先程、ハリーさんと連絡を取ってホーさんに来てもらえることになったので大丈夫です」
そうだ!忘れてたけどサファイアは聖獣様といつでも連絡がとれるんだったー!
「ホーさんって鳳凰みたいな大きな鳥の聖獣様だよね、空を飛んで帰るのは危なくない?」
「大丈夫です。私は慣れていますし、サファルは私が抱き抱えたまま乗りますので」
話がついているんだね…段取りが良すぎだよ~。
「あ~、えっと、サファイアの言う通りにするから…考え直してくれない?」
「私は分かります…。そう言う時はこっそりと実行するおつもりですよね」
歩いていた足を止めて僕の方を向いたサファイアが仁王立ちになっている。
だんだんお母様に似てきてる気がするんだけど…。
気のせいかな…。
僕は笑顔で顔を左右に振った。
「そ、そんな事ないよ…多分…」
サファイアが再び歩きだした。
「サ、サファイア…待って!」
良かった…止まってくれた。
「アデル様!じっくり考えて下さいね。暫くお会いしませんが体に気をつけて…」
そういってカーテーシーを僕にした。
え、今…暫く会わないって言わなかった?
嘘だよね…。
サファイアが玄関から外に出ると聖獣様が空から下りてきた。
『久しぶり~サファイア。元気そうね』
「ホーさん、我儘を聞いて頂きありがとうございました」
サファイアが聖獣様と何か話をしている。
まさか、本当に行ってしまうのか…。
「お待たせしました…」
侍女がサファルを連れてきた。
連れてきては駄目だろ~!
「では、アデル様失礼します」
聖獣様に乗ってサファイアとサファルが行ってしまった…。
…行ってしまった。
サファイア~、サファル~カムバックー!!
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