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20. アデルの驚き
しおりを挟む「え…?」
僕は疲れているのかな…。
愛するサファイアの言葉を聞き違える何て。
「ごめんサファイア…。もう一度言ってくれる?」
「はい。あの…信じられなくて当然ですので落ち着いて聞いて下さいね。私のお腹の中にいるサファルと会話ができるみたいなのです…」
え~と、サファイアは夢と現実を間違えている?
そんなに疲れているのかな。
僕としたことが気がつかなかったよ。
「ごめんね…サファイアが疲れていることに気がついてあげられなくて…」
僕はサファイアを抱き締めた。
腕の中にいるサファイアが僕を軽く叩いている。
「私は疲れていません。本当なのです!サファルがハリー様に言葉を教えてもらって話せる様になったらしく、私に話しかけて来るのです!」
ハリー様に言葉を教えてもらった?
ハリー様はそんな事もできるのか。
いつもは寝ているか起きているか分からない様な聖獣様なのに…。
『おかあさま…おとうさまにいってください…』
「サファルからアデル様に伝えて欲しいと今言ってきました。私が寝ている時にお腹を撫で回しキスをするのを止めて欲しいと言っています…ぐっすり眠ることができないそうです…というか、そんな事をされていたのですか?」
「え…え~と」
何故バレている!
いつも帰りが遅いのでサファイアが眠っているのを確かめて我が子に語りかけながらお腹にキスをしているが周りに誰も居ないことを確認してやっているのになぜ…何故バレているんだ~!
サファルが本当にサファイアに話しかけているのか?
僕には全然聞こえないぞ。
「サファルがまだ信じないのなら話せる事は沢山ありますよ…と言っていますがアデル様信じますか?」
話せる事…何を話すつもりだろうか…。
サファイアが寝ている時に写真を撮っているとか、思いきり抱きついてキスをしているとか、それとも…ここから先は言えないな。
どれもバレるとサファイアに暫く口をきいてもらえなくなりそうなものばかりだ。
「…分かった、信じるよ。疑って悪かったよサファイア」
僕はサファイアのおでこにキスをした。
仲直りのつもりだ。
「でも、我が子ながらすごいね…。まだ、生まれていないのに言葉を話すなんて…」
サファイアが少し頬を膨らまして怒っている。
可愛すぎる…。
「ですから、アデル様にご相談をしたのです!」
そうだったね。
天才すぎる我が子をどうするか…。
生まれてから考えようかと思っていたけど、どうやらそうもいかないみたいだね。
このままだとサファイアごと誘拐される危険性もでてきたということだよね。
とりあえずあの方に相談してみるか…。
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