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13. 独占欲 (R)甘々注意報です!
しおりを挟むルカには言えなかった…。
実は棚澤医師と最初に会った後で賢人さんに色々と聞かれて話したのよね…。あれって何か駄目だったのかしら?
賢人さんは普通に聞いてくれていたと思うのだけど、ルカが心配しすぎなのよね。だって棚澤さんと私は何もなかったのだから。
でもルカの様子が急に変わったのは気になるわ。何か思い出したって感じだった。
けど…ルカと棚澤さんはそんなに話した事がなかったはずなんだけどな。ん~?
「はぁ~、頭がでも痛くな…ってき…たわ。」
「それは大変だ!」
病室の扉を開けると同時に急いで入って来たのは賢人さんでした。
「え?!賢人…さん…お仕事…はどう…したの?」
いつもなら夜遅くに病室に来ているのに今はまだ夕方です。
「今日は早めに終われたんだ。それより大丈夫?ナースコール押そうか?頭が痛むんだよね?」
賢人さんは私の頭を優しく撫でながら早口で話します。慌てている?そんな賢人さんが可愛く見えてしまいます。
「フフッ…。」
「菫ちゃん?どうしたの?」
賢人さんが更に心配そうに私の顔を見つめます。
「賢人…さん。可愛い…。」
賢人さんの動きが止まり顔が赤くなりました。
「こら菫ちゃん…からかわない。本当に心配してるんだ。」
そうでしたね。
「ごめん…なさい。」
「でも頭が痛いのはもう大丈夫なの?」
そう言えばズキッとしていたものが今は感じません。笑ったのが良かったのかしら?
賢人さんは笑顔になるとゆっくりと顔を近づけて私の額に優しく口づけをしました。
「はい、おまじないだよ。これで暫くは頭痛はしないよ。」
熱はでそうですけどね…。今度は私が顔を赤くしました。
こういうことをスマートにする賢人さんは何と言うか…すごいです。
私がジーと賢人さんを見つめていると賢人さんがまた顔を近づけて来ました。今度は左の頬に口づけをした後、耳元で囁き始めました。
「そんなに見つめていると我慢できなくなるからね…。」
何をですか?これは聞くとダメなやつでしょうか?でも目が賢人さんから離れません。
「これは…僕は誘われているのかな?可愛いお嫁さんと離れて過ごす僕の忍耐を試しているのかな?」
忍耐を試す?だから何の事なんでしょうか。
「賢…。」
賢人さんに何を言っているのかを聞こうとしたら、口を塞がれていました。
チュッ…チュッ…。
私の唇に何度も触れては離れてを繰り返していたかと思うと今度は下唇だけ、上唇だけと唇をはむようにくっついたり離れたりしています。
これは!恋愛本で勉強しましたわ!!
バードキスとか言うものですよね。
「菫ちゃん…何か僕意外の事を考えていない?」
「え…。」
賢人さんにはバレています。
「本気でいこうかな…。」
賢人さんが私の両頬に手を当てて深く口づけをし始めました。先程とは違って唇が離れません。
息ってどうすのかしら…。
「菫ちゃん、口を少し開けて…。」
私は頭がボーとして賢人さんの言う通りに口を開けました。
「良い子だね。」
唇を賢人さんの舌で舐められ身体がビクッとします。嫌な感じではなく子宮が疼く…というのでしょうか。
静かな病室で賢人さんと私の唇の触れる音が響いていて恥ずかしいです。
「ねぇ、今日もあの棚澤医師はやって来たの?」
少し唇を離した賢人さんが尋ねてきますが私の頭は慣れない長い口づけに頭が追い付いていません。
「…ええ。3度ほどいらっしゃいました。」
「3度も…。」
それだけ聞くと賢人さんはまた私の唇に触れてきました。今度は舌にも…。
舌をからめられ上顎や歯の裏の歯列を舌でなぞられ身体がビクビクするのを止められません。
「可愛いのは菫ちゃんだよ。キスで感じているんだよね。可愛い僕の奥さん…。悪い虫がつかないようにしとかないとね…。」
悪い虫?また何の事を言っているのでしょうか。
賢人さんの唇が私の唇から離れていきます。今度は私の顎や首筋に賢人さんの唇が触れていきます。
「痛…。」
首筋を過ぎ鎖骨の辺りに触れた所で痛みを感じます。
「ごめん…。きつくつけすぎたかな。」
つけすぎる?何をでしょうか?さっきから時々賢人さんの言っていることが理解できません。
私が不思議そうな顔をしていたのでしょう、気がついた賢人さんがようやく私から離れました。
「菫ちゃんは何も心配しなくて良いよ。僕の菫ちゃんだっていう印を少し残しただけだからね。」
私から離れた賢人さんはいつも通りの優しい笑顔になっています。
「印…?」
何だか前にも同じような言葉を聞いた気がするのですが思い出せません。
これが後から大変な事のきっかけになるなんて私はまだわかっていなかったのです。
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