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5. お仕置き (R)注意報です
しおりを挟む「田村?知らないな…。誰だ?」
帰宅した賢人さんに今日の出来事を話したら、インターホンに実は録画機能をつけていたらしく、その画像を確認中です。
「会社の人ではないのですか?」
一体誰なのかしら…田村は偽名?
不安になってきました。
「少なくとも僕の会社の社員ではないと思うよ。一応は社員全員の顔と名前を覚えているからね。」
全員の顔と名前をおぼえているのですか?!凄いです賢人さん!…って今はそこに感心している場合では無いですね。
「菫ちゃん…。」
インターホンの画像をチェックし終えた賢人さんが私の方に振り返り私を強く抱き締めてくれています。
「君は本当に目が離せないよね…。」
優しく私を抱き上げたまま賢人さんはソファーへ座りました。私が賢人さんの上にお姫様抱っこされたままの格好で座らせられています。
膝の上に私を乗せたまま…。重たくないのかしら…。それに恥ずかしいです。
「菫ちゃん、僕は前に言ったよね。会社の人が来ても対応しなくて良いからねって。」
そうですが…。
「覚えています。でも忘れ物を持って来て下さっているのに開けないわけにはいかないと思って…。」
間違ってはいないと思っています。ただ、会社の人ではなかったというのが予想外でした。
「これからは下にいるコンシェルジュに全てを対応してもらう様にするよ。そうじゃないと心配で仕事が手につかない。」
このマンションには一階のロビーに常時コンシェルジュの方がいらっしゃって、頼めば荷物だとかお客様の対応等を全てしてくれるのです。今は私が仕事を辞めて専業主婦として家にいるので私がしますと言ってお願いしていなかったのです。
賢人さんが仕事が出来ないと言われると…何も言えません。
「分かりました。」
賢人さんの手が私の頬を優しく撫でます。
「菫ちゃん、そんな顔をしないで…。」
そんな顔…。落ち込んでいるのが顔に出ているんですね。心配ばかりさせて申し訳ないと思っているのです。
チュッ。
私の額に賢人さんの唇の温度を感じました。
結婚してから知りましたが、賢人さんはキスが好きみたいで毎日どこかにキスをしてきます。私は慣れるのに苦労しています。賢人さんと結婚するまでキスもしたことがなかったので…。
「顔色が良くなったね。」
爽やかに微笑む賢人さん。私が恥ずかしくて顔を赤くしているのを楽しんでいます。意地が悪いです。
「まだ、治らないみたいだね?じゃあ…。」
賢人さんがイタズラっ子ぽい顔をして私に顔を近づけてきます。
「え…あっ賢人さん。」
賢人さんから離れようともがいてみましたが無駄な抵抗だったみたいです。動きを止められました。
両手を捕まれたまま賢人さんにキスをされます。唇から離れたと思うと少しずつ下に下にとキスの場所がおりていきます。
顎、首筋、鎖骨…。
「痛い…!」
鎖骨の辺りをきつく座れて思わず声が出てしまいました。
「ごめん、痛かった。でも、綺麗に跡はついたよ。」
跡?
「菫は僕の可愛い奥さんだって分かるようにしとかないとね。だから、分かるように跡をつけたんだよ。」
菫と賢人さんが呼ぶ様になると夜のスイッチが入ったということを結婚してから学びました。これは危険です。まだ、夕食も食べていませんし、お風呂にも入っていません。
「賢人さん、私…まだ入浴してなくて…あの…それに夕食も用意していますし…んっ…。」
私が話している間も賢人さんはキスを止めません。顔や首筋胸の辺りまで何回もキスをしています。
「離れようとしてもダメだよ。菫には申し訳ないけど夕食は後で温めなおして食べるし、どうしてもお風呂に入りたいなら一緒に入ろう。連れて行ってあげる。」
そう言い終わらない間に賢人さんは私を抱いたまま立ち上がり浴室に移動しています。それにいつの間にか着ていた服もはだけています。今日に限って脱ぎ着しやすいワンピースを着ていた事を後悔しています。
それにしても…賢人さんは手際が良すぎです!
浴室につくと私は中に入れられ、すぐに衣服を全て脱いだ賢人さんが入ってきました。
明るい所で見る賢人さんの裸…。
恥ずかしすぎて見上げる事ができません。それに私も全てを見られると思うと…。思わず体育座りをして身体を隠そうとしました。
「菫…まだ恥ずかしいの?そのままだと身体も洗えないよ。洗いたかったんだよね?」
そうなんですけど…。
これまで何回も一緒にお風呂に入ろうと誘われましたが断ってきました。それなのに、心の準備もすることが出来ないままこんな事になるなんて。
「仕方ない、僕が洗ってあげるね。」
「え?!」
私は思わず顔を上げて賢人さんを見てしまいました。
「キャッ…。」
光に照らされた賢人さんの引き締まった身体をバッチリ見てしまいました。恥ずかしい。
「可愛いな、僕の奥さんは…。」
賢人さんの声が嬉しそうなのは気のせいなのでしょうか?
賢人さんはボディーソープを泡立て私の背中に触れてきます。
「大丈夫だよ。優しくするから…。」
危険な感じしかしませんけど~!!!
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それではお楽しみください。すずなり。
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