全寮制男子校

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基本立食スタイルのパーティーなんだろうが、年齢が大幅に違う人達が居るためホールの端には円卓と椅子が並んでいる。俺は料理を選んでる二人の存在を忘れマナーもクソも無く皿にこん盛り乗るだけ料理を乗せて空いてるテーブルに座った。
飲み物はシンプルに水を用意して料理と対面した。折角海に来てるのだここの場所で獲れたのじゃなくても魚介を食べたくて生牡蠣からスタート。レモンを絞って一気に口の中に入れて頬張る。



「やべぇ…うめぇ…」




「おいっ!その顔見せるなって」




「無自覚なのを忘れてた…」



二人が戻って来て俺を他人から隠す様に座った。俺なんて誰も見てねぇよ。
二人の小言が痛い。顔で言ったらすげぇイケメンで危ないのはお前らだろうと思ってしまう。だって女性も視線も勿論あるが、同性からもしっかり視線を貰ってる。俺は少しイラッとしてしまうのも仕方ない。




「俺じゃねぇだろ?二人も相当だぞ?」



「分かってねぇのな…殆ど剛を見てるんだって」




和也が溜息を吐きながら言ってくるが理解不能。何言ってんだよ。ったく無自覚はダメだな。


((お前が無自覚なんだよっ!))



俺は二人の会話を無視する事にして食事に集中する。ああ…美味いな。俺達の座ってる場所に直ぐ外が見える窓がハマっていてその窓から見える大陸の明かりが凄く綺麗だ。
海から街を見る事なんて普段ない事だからか少し感動してしまう。
だからか?周りが凄く騒がしくなってその騒音が俺達に近づいてるなんて全然気付かなかったんだ。



「は?」




「俺もここの席座って良いか?」




何でこいつがここに居て俺達の前に立っている?思わず声が掛かる前に俺の口から声が出てしまった。


俺の眼に入って来たのは何時ぞやの信じられない位のテライケメン。和也とは全然違う金髪を丁寧にセットしながら和かに笑っている。




「あれ?髪伸びたのも良いね…今日こそは俺とどう?」




生粋のゲイであるテラに俺は狙われていたとフォークを持ったまま思い出し身体が固まる。
二人も思い出したのか俺を隠すように移動してテラに向き合う。




「剛に近くんじゃねぇ…てめぇの頭は学習能力ねぇのかあ?」




周りの眼線が凄すぎるのか、和也は静かにゆっくり睨みながらテラに声を掛ける。あいつは和也に任せて俺は翔に声を掛けた。



「なぁ?何であいつ居るんだ?」



「俺は知らねぇよ。もしかして親父の仕事関係か?」



「俺の母親のパーティーの時も居たし…ったく…面倒せぇヤツって事は分かった。取り敢えずどっかに行ってもらおう。ここで殴ったら俺雄介さんに殺される…」



「は?随分弱気だな?俺の親父に認めて貰うなら殴ったら方が箔が付くぞ?」




こいつ…絶対ワザとだ。そんな訳ねぇだろうがよ。ってか多分テラが本気で俺と殴り合いしたら俺は勝てない。夏にテラの本気を少し浴びてそれは分かっている。




「ここに居たのねー!探したわよっ!」



こんな事言ってはいけないが厄介な人がまた増えた。紗英さんが物凄い笑顔でこちらに突進して来る。おや?隣に居る頬を真っ赤に染めている可愛らしい人は…?翔の元婚約者じゃねぇの…。
絶対厄介な事になるのは必須。さぁ…俺の外面対人スキル何処まで持つか試してみようか?




「紗英さん。今日はお招きありがとうございます。料理も美味しくてとてもいいパーティーですね」



「剛くんに喜んで貰って嬉しいわ。良かったらもっと翔と和也くんとイチャイチャしてねっ!」




「ブッ!」



汚いぞ翔。もう分かってるだろ?お前の母さんは腐女子だ。隣に居るお前の元婚約者も腐女子だぞっ。



「かっ母さんっ!公に言っていい言葉じゃないだろ?」



「え?あぁ…ごめんなさいっ!香奈美さんと会って話してたら止まらなくなって!早く見てもらいたいから連れて来ちゃった…」



シュンと首を垂れている紗英さんになんて言って良いが分からないが今はそれ所では無い。俺達は今ラスボスに近いテラが襲って来ている。


「おや?凄い美人さんに可愛らしいお嬢さんだね?良かったらお名前教えてくれないか?俺の事はクリスって呼んで良いよ」



上から眼線すぎねぇか?




「お久しぶりね…忘れてるかもしれないけど私は笹野木紗英です。雄介の妻です。仕事関係者ならちゃんと覚えてくださいね。隣は香奈美さんと言って…まぁ貴方には関係ないわ」



空気が変わって紗英さんが最初の頃俺達を見下している時の雰囲気で話す。すげぇ…テラのこの顔面偏差値を物ともせず話をしている。流石にモブ子ですらテラの顔面をガン見してると言うのに…。




「これは失礼。笹野木さんでしたか。今日はご招待ありがとうございます」



「それなら夫に言ってくださる?私が招待した訳じゃ無いのよ?それに私の息子の友人に何か言っているみたいですけど困ってるみたいじゃない?私の言ってる事理解していただけますか?」



「勿論ですよ。それでは俺は雄介さんに挨拶に行きます。失礼しますね」



テラがお辞儀をして去って行く瞬間俺を見た気がしたが気の所為と思い頭からその存在を消す。それにしても紗英さん無双が凄い。主幹ってこんなに力があるのかと思わず腐女子を尊敬してしまう。





「ありがとうございます。あいつ少し変なヤツでしつこくて困ってました。」



「いいのよっ!剛くん達ガン見してて困ってると思ってね。さぁ…これで遠慮なくお話し出来るじゃない!ってか剛くん髪伸びたわねっ!イケメン度が上がってるわっ!和也くんも相変わらず甘いマスクで…あっ!涎が…」




さっきまでテラと話をしていた人とは思えないな。少し可愛く思ってしまい頬が緩む。




「まぁ!笑ったら可愛いじゃないっ!香奈美さんっ!見てっ!滾るでしょう?」




「はいっ!翔さんもとても幸せそうでっ!良かったら三人の馴れ初め教えてくださいっ!何時間でも付き合いますっ!」




腐女子二人のエネルギーに俺達は三人は恐怖した。
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