全寮制男子校

mmkz

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食堂事件から数日経過してあれから翔は何故か俺達と話をしないし眼も合わせなくなってしまった。

和也は最初は苛々して意味がわからないとキレていたがもうどうでも良いかの様に翔を忘れて俺を構う。
翔は教室でさえ無視だ。
逆に変わった事と言えば翔のそばには眼鏡が常にいるようになった。
朝と昼と放課後呼びに来て二人で消える。

誰かの噂で俺の耳に聞こえて来た言葉…。あの二人は付き合ってると。眼鏡が友達に言い降らしてると。

俺は自分の気持ちが解らなくなってしまった…。
俺が心を許せる人間が簡単に他の人のモノになってしまった現実に思考がついてこない…。
もっと深い所で二人とは繋がってると思っていたが…俺の勘違いか?不安が一気に襲ってくる。




「なあ…?お前も離れるのか?だったら…早く離れてくれよ…」



寮の部屋のリビングに俺と和也はいる。
自分で入れた不味いコーヒーを飲みながら口が勝手に動いていた。



「はっ…?」



和也の呆れた様な声が返ってくる。ここ数日で俺の精神は思ったほどにダメージが大きかったんだろう。思考がおかしい…。
ポツリポツリと今まで話せなかった事が勝手に出てくる。



「なぁ…繋がりってなんなんだ?俺は二人と深い場所で繋がってると思ってたっ!こんな簡単に離れるならただの友達でいてくれよ…っ!もうSEXしねぇ!」




和也は何も悪くない。当たり散らしてしまった…。
和也の傷ついた顔を見ると心がまた苦しくなって顔を背けて部屋に走り逃げ去る。扉の鍵をかけてそのまま座り込んで膝を抱える…。
俺は大事だったんだ。でも…もう良い…。友達に戻るだけだ…。大丈夫…。







~~~~。


和也視点

部屋に入った剛を見てもうでも良いと思っていたヤツに信じられない位の怒りが沸いた。友達に戻る…。そんなの俺は許さない。

怒りを保ったまま隣のリビングを出て隣の部屋の扉を叩く。途中で蹴りも入れてやった。



「んだよ…」



同室者は居ないんだろう翔が怠そう上半身裸で出てきた。
その扉の後ろには全裸の眼鏡…。
あぁ…こいつはもうダメだ…。



「わりぃ俺な翔と少し話しあるから服きて外に出てくれない?」



『え?いやです。僕まだ…足りない…』


ドゴッ。

壁を殴って無言で着替えを促す。ビビったのか着替えて足場に出ていった。変だ…翔と付き合ってるならこんなんでビビるか?
しかも翔が助けもしない…。何だこれは…?



「俺マジ切れそうだわ…ちゃんと話してくんねえ?剛に俺友達宣言されてSEXもうしねぇって言われたんだわ…すげぇ深く繋がってたみたいよ?俺ら」



翔の部屋に行き鍵を掛ける。



「くっ…分かってんだよ。でも言えねぇ…」



「いい加減にしろ!俺だってアホじゃねぇ…あいつと付き合ってないだろ?見りゃわかんだよ!良いから言っちまえ!剛も限界で俺も限界なんだっ!」



翔の腕を掴み無理やりこっちを見させる。すげぇ苦しそうな翔の目線が痛い。でも俺は翔も大事だが剛が一番だ…。早く解決してあの熱を持った触り心地のいい肌に触れてぶつかりたい。




「………っ…見られたんだよ…教室でヤった時……」




「は?それって…俺も原因あるよな?」




「いや…違う。交流会の時で俺と剛だけだ…。スマホで撮ってやがって時間が経って我慢できなくなったって言って来やがって…。全校生徒にバラされたくなきゃ付き合えって言われたんだよ」



「んだそりゃ…あんな普通の顔してるのにすげぇ度胸だな…」



正直ビビった。翔と付き合いたい一心で脅してる。しかも気持ち関係なく隣に居ることを強要して…。
はっ!俺はさっき動揺してたからスルーしたが大事なこと聞かないとダメなかった…。



「取り敢えず分かった。つーか!SEXしたのか!?」



「してねぇよ。無理だって言ったら写真撮りてぇって言って自分で勝手に脱いてたぞ?アホだろ?
自慢する証拠が欲しいからってそこまでするか?普通。別に俺はバレてもいいしどうでもいい。ただ…もし全校生徒に剛の身体と声が聞かれると思ったら無理だった…」



激しく同意だ。俺ら以外に剛のエロい身体と声を見せたり聴かせたくない…。
どうすれば良い?考えが全然纏まらない。
ふと思う。さっきの眼鏡の態度…ビビり方…。



「あいつってさ結構度胸無いよな?俺が凄んだだけでビビったし…」



「そうみたいだったな…俺に助けを求める余裕も来なかったしな」



「ビビりなら脅せばいけねぇ?」



「結果どうなるか分からねぇぞ?あの手のタイプは一回暴走したら止らねぇだろ?」



あの眼は小心者の眼だ。剛には絶対及ばない弱者の眼…。弱味を握って翔を自分の傍に置きたいだけ…。
いや…暴走はあり得る。少し様子を見た方が良いか…。



「取り敢えず様子見か?俺と常にメールして隙無いか探ってくれ」



「あぁ…わかった。ってか和也…剛抱くなよ…」



「わぁってるって!俺だってあんな剛抱けねぇ…」




あまり長居したら眼鏡が何か思うかもしれない。それだけはダメだ。
翔に挨拶して自分部屋に戻る。
翔の存在が無くなっただけで剛があんなに弱くなるとは思わなかった…。
暫くはただの友達として接してやるよ。
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