全寮制男子校

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二人で呆れてる視線を俺に送ってくる。自分では無自覚だと思ってはいない。
それなりだと思ってるし、中学の時には彼女も居た。(特に進展はしなかったが)しかし、この学校は顔面偏差値が高い。他の生徒に興味がない俺ですら顔面偏差値が高いって思うのだ、コイツら二人なんて化け物だ。
その二人に自覚が無いとか言われたくない。


「ってか、もういいだろ?さっさと食って部屋行こうぜ」


「そうだな、俺たちがここに居るだけでこれなら生徒会とか来たらマジでヤバイ」


「さっきの講堂で生徒会の人話してた時とか凄かったもんな。あんまり覚えてないけど、顔も良かったし。そりゃ食堂に来たら煩くなる気がするわ」


「そうなんだよ。だからさっさと注文して食おうぜ。俺は…カツ丼だな」


「剛はカツ丼か…俺はカレーにしよ」


「俺はラーメンでいい」


「よし決まったな、注文するぞ」



一人一人注文して、来るのを待ってるとふと気づいた。和也のカードキーの番号だ208...俺と同じ?


「和也ちょっとカードキー見せてくれ?」


「はい、どうぞ。朝職員室で貰ってさ…すぐ使えるなんてすげぇよ」


「やっぱり...」


「どうした?」


「俺と和也同室だな。朝には荷物無かったし、なんも言われてない」


「えぇ?剛と同室?やりっ」



和也がガッツポーズしてる。俺も和也が同室なら嬉しいとは思う。午前の行事中に部屋に荷物運んだんだろうと勝手に想像して納得した。


「へぇ…和也と剛がね...それなら俺も遊びに行きやすいし…良かったな」


最初ちょっと黒いオーラ出てなかったか?翔が堂々と遊びに行く発言してくる。


「翔も来てくれるのか?すげぇ嬉しい。なんだ…二年の外部なんて絶対楽しくないと思ったのに、二人と出会えて残りの生活楽しみだ」



本当に楽しみなのだろう。屈託のない笑顔で俺に抱きついてきた。だからデケェんだって、お前。


「つっ!」


大型犬和也と戯れていたら、寒気が襲ってきた。振り返ろうとして背中があったかい何かに包まれる。

「二人でイチャイチャすんなよ?俺寂しいじゃん」


「ふっ...」



翔の腕が俺の前でクロスしてる。俺は後ろから抱きしめられいる。と言うか…前から和也、後ろから翔と挟まれてしまっている。しかも、翔が耳元で話すから変な声が出そうになってしまう。
おい!食堂で何してるんだ俺らは。


「お待たせいたしました。カツ丼とお先にカレーのお客様」



ナイスタイミングで昼飯がきた。この状況でも動じない運び手さんがすげぇ。
慌てて二人を席に戻し翔のが来るまで説教することに決めた。自分が恥ずかしかったのもある。


「お前ら二人にお願いだ。自分の容姿を考えて行動してくれ。今のでまた煩くなってんだろ?頼む…」


「わりっ…つい嬉しくてな。翔にはビックリしたけど」


翔は元からお触り多いタイプなんだよ。(友情でのスキンシップのことだからな)でもこんな人前で構ってくる事なんて無かったのにどう言った心境の変化が?俺には分からない。


「俺はいつも通りだろ?まぁ俺と仲いい剛と簡単に戯れてる和也見て嫉妬したんだ…」


「はぁ…嫉妬ってそれならお前も和也と戯れたらいいだろ?」


「え!?」



和也が狼狽してる。冗談のつもりで言ったのに本気にしたようだ。まぁやってしまったのは仕方ない。お互いノーマルだからこそこの位で済んでるのだ。さて翔のも来たし飯を食おう。



「すげっ…剛めっちゃ幸せそう...」


「だろ?こいつが飯食ってる時他の奴らの視線もすげぇんだ」


「翔の言ってること分かる。他の生徒の視線の原因これだわ。俺らもだろうけど...そのちょっとエロい感じが...」


「お前もそう思うか?なんか和也と剛のやり取りで身体が滾ってくる…」



二人してコソコソ俺に聞こえないくらいで話をしてる。そんなに俺の顔は緩んでいるのだろうか?でも食ってる時は力の入ってない顔だろうと思ってる。
はぁ…飯が美味い。ここの学食は素晴らしい。
安い、美味い、早いだ。そのことに感動してて気付かなかったが、何故か二人ががっしりと握手していたのを俺は知らない。


一時を過ぎてからの遅い昼飯も食べ終わり、各自部屋に戻ることになった。



「俺は部屋に行って着替えたら剛の部屋行くから」 


「了解」



翔が自分部屋に入っていった。さて和也の荷物は何処かな?と自室を開けても荷物はなかった。それなら、奥か?と思い、俺が右の部屋を使ってるため左の部屋に和也を連れていった。


「あったな…発見。そんなに荷物ないから早く整理できそうだ」


「よかったら手伝うぞ。どうせ暇だしな」


「まじ?助かる!」


「おう。取り敢えず俺着替えるわ」




左の部屋に和也を置いてきて、俺は着替えるために自分の部屋に戻った。今日はなんか翔に凄く触られる日だと改めて思った。和也が俺に近い接し方してるからなのか?良く分からん。
そうこうして、学ランからジーパンに黒のパーカーを着て和也の部屋に戻る。
まだ翔は来ないらしい。


「おい…入るぞ?」


「おっ!助かる」



入って見て和也も着替えていたのか、まだダンボールは解かれていない。和也の私服はジャージだった。それすら似合う体格の良さが羨ましい。


「和也何かスポーツとかしてたのか?良い体してるな」


「へ?あっ!あのなんもしてないけど...」


「何もしてないなら、逆に羨ましいな」



和也の筋肉に触れてみる。胸筋から腹筋二の腕、やはりしっかりしていた。俺も鍛えてるから筋肉はあるが、所詮細マッチョだ。太い二の腕とか憧れがある。


「剛!擽ってぇ!」


「あ?そうか。悪かった」



そんなに触ってたか?目の前で和也が悶えている。少し面白い。


「もう触ってないから大丈夫だろ?さて荷物やろうぜ」



「ったく!誰のせいだ」


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