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11 先ずは接点を増やす作戦ですわ!
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あの二人の恋を成就させるためには、私になにができるでしょうか?
チートはたくさんありますけど。
突然「言い訳グッズ」を出せるとか?
「矢印が見える」とか?
あ、「覗きが見つかりにくい」とか?
ついでに「体がペラペラしている」とか?
お二人の恋にどれだけ貢献できるのか、わかりません。ぶっちゃけ、ガチで。
でもやっぱりここは敬虔な使徒として、お役に立つべき局面なことだけはわかります。
なんとしても、なんとしてもお役に!そして、ムフフフ・・・
いえ、邪念はありません!ありませんったら!
純粋と書いてピュアと読む。私のことですから。
この、ピュア・アンナがお手伝いいたします!
とは言っても?
うーん。何にも思いつきませんね。
なんとかお手伝いのためにできること・・・まずはどうしたらいいですかね?
そう、やっぱり、二人の接点を増やすこと!これが恋愛の基本ですわよね!!
この天才的な発想を元に、私は受け様ことサシャ様の教室に忍び込んだ。
今は移動教室で誰もいないはず。
そして私はモブのため気づかれにくい。
場合によってはぺらぺらの紙みたいに薄くなることもできる。ふふふん。
あ、私も授業中だけど、心の友の代返により全くいないことにすら気づかれない。
イエイ節穴、オッケー節穴!!
担任の目が節穴って訳じゃありませんけど・・・まあ十分に節穴ですわね。
いいでしょう、ここは。
こっそりとサシャ様の机の中から教科書を抜き取る。
ついでに机の上に相合傘でも落書きしておこうかしら?
うーん、初回だからやめておきましょう。
やりすぎは逆効果になりますから。
そして、次の休み時間。
ヒュー様が席を立った瞬間に素早く教室に侵入し、サシャ様の教科書をヒュー様の机の中に入れておいた。
ふふふ、ミッション完了!
あとは鑑賞あるのみ!!
名付けて”サシャ様の教科書を盗んでヒュー様の机に入れておいて接点を増やす作戦”ですわ!
次の授業時間。
机の中に入っている、サシャ様の教科書にヒュー様が気づいた。
私はその姿をドアの陰にぴったりと張り付いて鑑賞している。
チートですわ、チート!だれにも気取られませんの。素晴らしいでしょう?
「あれ、これ、なんで2冊・・・?」
教科書を裏返すと、そこには「サシャ」の文字。
「サシャ・・・」
静かに名を呼んで教科書に指を這わせる。
あああああ、切ない切ない切ない!!
これこれこれ!!
でも、不倫はダメ絶対!!絶対にサシャ様を日陰者にはさせませんからね!
レッツ婚約破棄!ほら、みんな大好きだから。婚約破棄モノ。
とはいえ、授業中でした。一人悶え苦しむぺらぺらのモブが一人。気にしないでください。幸せなんで。
次の休み時間、ヒュー様がサシャ様のところに。
「サシャ、ヒューが呼んでるぞ?」
友人の声に、ピクリと反応するサシャ様。きゃーーーー!!!
でも、不思議なことに、黄色矢印が強化されます。
わかった。これは、サシャ様の意思。
絶対に悟られないようにするサシャ様の意思ですのね?おおぅ!
ドアには笑顔のヒュー様。
ちょっと、こんなところでワンコ属性出さないでくださいます?ついつい萌えてしまうではないですか!
「なぜかお前の教科書が俺の机に入ってたんだ。困るんじゃないかと思ってさ」
会えて嬉しそうなヒュー様。
悲しいけど、でも嬉しい複雑なサシャ様。
「ありがとう。なんで紛れ込んだんだろうな?」
そう言いながら笑顔で教科書を受け取ると二人の指が一瞬触れた。
「あっ・・・」
目と目が合う。
ぺき。
小さな音を立ててサシャ様の矢印にヒビが入った。
「サ・・・」
「あ、ありがとう、俺、次の授業は移動だから、じゃあな」
サシャ様はさっさと教室の奥に引っ込んでしまった。
でも、その耳は真っ赤に染まっている。
避けられた悲しそうなワンコことヒュー様。
いや、早く婚約破棄しろよな、お前!なに被害者ぶってんだよ!
思わず蹴りを入れそうになってしまいました。
その頃、教室の奥では。
サシャ様が教科書の表紙をそっと指でなぞっていた。
「ありがとう。俺の代わりにヒューのそばに行ってきてくれたのか。俺はそばにいることができないから・・・」
その目にはうっすらと涙がにじんでいた。
ぐおおおおおおおおお!!!
尊すぎて、モブ、死にそうです!!
今日も幸せをありがとうございます!!!
チートはたくさんありますけど。
突然「言い訳グッズ」を出せるとか?
「矢印が見える」とか?
あ、「覗きが見つかりにくい」とか?
ついでに「体がペラペラしている」とか?
お二人の恋にどれだけ貢献できるのか、わかりません。ぶっちゃけ、ガチで。
でもやっぱりここは敬虔な使徒として、お役に立つべき局面なことだけはわかります。
なんとしても、なんとしてもお役に!そして、ムフフフ・・・
いえ、邪念はありません!ありませんったら!
純粋と書いてピュアと読む。私のことですから。
この、ピュア・アンナがお手伝いいたします!
とは言っても?
うーん。何にも思いつきませんね。
なんとかお手伝いのためにできること・・・まずはどうしたらいいですかね?
そう、やっぱり、二人の接点を増やすこと!これが恋愛の基本ですわよね!!
この天才的な発想を元に、私は受け様ことサシャ様の教室に忍び込んだ。
今は移動教室で誰もいないはず。
そして私はモブのため気づかれにくい。
場合によってはぺらぺらの紙みたいに薄くなることもできる。ふふふん。
あ、私も授業中だけど、心の友の代返により全くいないことにすら気づかれない。
イエイ節穴、オッケー節穴!!
担任の目が節穴って訳じゃありませんけど・・・まあ十分に節穴ですわね。
いいでしょう、ここは。
こっそりとサシャ様の机の中から教科書を抜き取る。
ついでに机の上に相合傘でも落書きしておこうかしら?
うーん、初回だからやめておきましょう。
やりすぎは逆効果になりますから。
そして、次の休み時間。
ヒュー様が席を立った瞬間に素早く教室に侵入し、サシャ様の教科書をヒュー様の机の中に入れておいた。
ふふふ、ミッション完了!
あとは鑑賞あるのみ!!
名付けて”サシャ様の教科書を盗んでヒュー様の机に入れておいて接点を増やす作戦”ですわ!
次の授業時間。
机の中に入っている、サシャ様の教科書にヒュー様が気づいた。
私はその姿をドアの陰にぴったりと張り付いて鑑賞している。
チートですわ、チート!だれにも気取られませんの。素晴らしいでしょう?
「あれ、これ、なんで2冊・・・?」
教科書を裏返すと、そこには「サシャ」の文字。
「サシャ・・・」
静かに名を呼んで教科書に指を這わせる。
あああああ、切ない切ない切ない!!
これこれこれ!!
でも、不倫はダメ絶対!!絶対にサシャ様を日陰者にはさせませんからね!
レッツ婚約破棄!ほら、みんな大好きだから。婚約破棄モノ。
とはいえ、授業中でした。一人悶え苦しむぺらぺらのモブが一人。気にしないでください。幸せなんで。
次の休み時間、ヒュー様がサシャ様のところに。
「サシャ、ヒューが呼んでるぞ?」
友人の声に、ピクリと反応するサシャ様。きゃーーーー!!!
でも、不思議なことに、黄色矢印が強化されます。
わかった。これは、サシャ様の意思。
絶対に悟られないようにするサシャ様の意思ですのね?おおぅ!
ドアには笑顔のヒュー様。
ちょっと、こんなところでワンコ属性出さないでくださいます?ついつい萌えてしまうではないですか!
「なぜかお前の教科書が俺の机に入ってたんだ。困るんじゃないかと思ってさ」
会えて嬉しそうなヒュー様。
悲しいけど、でも嬉しい複雑なサシャ様。
「ありがとう。なんで紛れ込んだんだろうな?」
そう言いながら笑顔で教科書を受け取ると二人の指が一瞬触れた。
「あっ・・・」
目と目が合う。
ぺき。
小さな音を立ててサシャ様の矢印にヒビが入った。
「サ・・・」
「あ、ありがとう、俺、次の授業は移動だから、じゃあな」
サシャ様はさっさと教室の奥に引っ込んでしまった。
でも、その耳は真っ赤に染まっている。
避けられた悲しそうなワンコことヒュー様。
いや、早く婚約破棄しろよな、お前!なに被害者ぶってんだよ!
思わず蹴りを入れそうになってしまいました。
その頃、教室の奥では。
サシャ様が教科書の表紙をそっと指でなぞっていた。
「ありがとう。俺の代わりにヒューのそばに行ってきてくれたのか。俺はそばにいることができないから・・・」
その目にはうっすらと涙がにじんでいた。
ぐおおおおおおおおお!!!
尊すぎて、モブ、死にそうです!!
今日も幸せをありがとうございます!!!
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