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第二十九話 窮地
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第二十八話 加筆修正しました。
昨日、時間が足りなくて途中になってしまったものです。
そちらから読んでくださいますよう、お願いしますm(_ _)m
*********************
「で?どう償ってくれるのだ?ランドール伯夫人?」
王の顔ににんまりといやらしい笑みが広がった。
わざとだ。わざと、ルシアナが粗相をするように仕向けたんだ。狙いはなに?
困ったような顔を見せてはならない。むしろ喜ばせてしまう。
嫌われようと必死で小細工をしていたことは、とっくに見抜かれていたんだろう。
「伏してお詫び申し上げます。どうか、ひざまずくことをお許しください」
ルシアナを取り巻く切っ先は鈍い光りを放ち、今にも切り裂かれてしまいそうだ。
王が鷹揚にうなずくと、護衛騎士たちは剣を収め、金属がさやに収まる音が部屋に響いた。
「ランドール伯夫人が困っておるではないか。お前たち、気が利かないぞ?」
「はっ、申し訳ありません」護衛の中で一番体が大きい髭面の大男が頭を下げた。
「で?」王がルシアナに向かい顎をしゃくった。「申してみよ」
「申し訳ございません。ご無礼を伏してお詫びいたします」
ルシアナはひざまずき、額を床にすりつけた。
「ちがう」
「はい?」
「お前の詫び方はそうではないだろう?それとも夫のランドール伯がお前の変わりに償ってくれるのか?そうだなあ・・・金貨百枚と奴隷百人ではどうだ?」
まさか、本気ではないでしょう?
ルシアナは動揺を面に表さないように顔を伏せた。
ワインを少しこぼしただけで金貨百枚と奴隷百人?そもそも、セント・へレニアには奴隷はいない。初代聖女が廃止したからだ。
「奴隷はおりませんゆえ・・・」
「では、金貨千枚!もしくは、奴隷百人に相当する女を献上せよ」
「それは・・・」囚われの身にできるはずもないことを言っている。
「であれば、無礼への対価として、伯爵領に攻め込んで領民を連れてくればよいではないか」
「・・・なりません」
「ほう?」
「この度の粗相の責任は私にあります。領民に肩代わりさせるものではありません。どうぞ、私に死をもってつぐなうようお命じください」
「へえ?死んでもいいと?」
「死にたくはありません。ですが、領民百人の命には変えられません」
「立派だな!」王は大声で言うと、両手を打ち合わせた。「ますます気に入った!一夜限りの相手にするには惜しい!伽が気に入ったら妃に迎えてやってもいいぞ」
「ありがたいお言葉ですが」
「ありがとうございます!!」ルシアナが断ろうとしたとき、それまで部屋の片隅に隠れていたオーブリーが飛び出してきた。
「妹は気位が高く、失礼なことばかり申し上げたのに・・・寛大なお言葉に感謝いたします。こら!お前も頭を下げろ!」
「なにを言うの」
「まったく、生意気な女でして・・・でも、陛下の御威光により、妹も正しい道に導いていただけるものと信じております!」何度も頭を下げるオーブリーの姿を見ていると、兄の目的を思い出した。
「ついでに、爵位もおねだりしたら?」小さな声で言うと、オーブリーがルシアナをにらみつけた。
「ふん・・・アドランテ。ルシアナ嬢の良さを押さえつけてはならんぞ。この美しさに誇り高さ、しかも頭の回転も早い。自分が後宮に入っているのに、堂々と他の男の妻であると名乗るところなど・・・」
王はくつくつと笑い、部屋の中にいた何人かの護衛たちが拳を握りしめた。
「さて、そろそろ前座は終わりだ。ルシアナ嬢。それともランドール伯夫人と呼んだほうがいいのかな?」
王がルシアナの瞳をじっと見つめた。
「服を脱げ」
まるでヘビに睨まれたカエルのように、身動きが取れない。
服なんか脱ぎたくない。こいつの目的が何なのか分かっているからこそ、なんとか嫌われようとしたのに。
「あ・・・あの。こ、ここで、ですか?」
声がふるえてしまう。
「余がそう命じておる」
「で、でも、人が・・・」
「殴れ」
ばしっ
髭面の大男が大股に進み出て、ルシアナをほほを殴りつけた。
「もう一発だ」
王の命令に髭面の大男がルシアナのもう一方の頬を殴りつける。
大きな殴打音とルシアナの押し殺した悲鳴に、皆顔をそむけた。
「大人しくなったか?」
王がルシアナの前に立ち、髪をつかんで引き上げた。
ルシアナの顔には大きなあざができ、口の橋には血が滲んでいた。
「ほう。ますます美しくなったではないか。来い」
強い力で髪を引っ張られ、体ごと引き寄せられた。
嫌だ。絶対に嫌だ。
どうしたら・・・どうしたら逃げられる?
見回しても、皆視線をそらし目を合わせないようにしている。
これがこの後宮での日常なんだ。
「いや!!!やめて!!!殺しなさい!私を殺しなさい!これ以上の侮辱は許しません!!私の体は私のもの!絶対にいやよ!」
怯えはどこかにいってしまった。
二度と、あんな思いはしたくない。
「この!」
王が髪の毛から手を離し、ルシアナを殴りつけた。
目から火花が散り、強く床に叩きつけられた。
「私は夫のある身です!神の前で誓った誓約を破れというのなら、殺しなさい!生きていては夫に顔向けできません!!」
「なんと・・・なんと、素晴らしい女だ。第5妃どころか正妃に据えたいぐらいだ」
王は感嘆したように言うと、ルシアナの手を強く掴んだ。
「全員部屋から出ろ!未来の王妃の体を見たものは厳罰に処す!」
王が命じると、護衛たちは全員頭を下げ、扉の前に並んだ。
バン!
勢いよく扉が開き、豪華な装束に身を包んだ年配の女性が入ってきた。
護衛たちが全員膝をつき、女官は深々と頭を下げた。
身分の高い女性にちがいない。
「聞き捨てならない言葉が聞こえたようですが?もう一度言っていただけますか?陛下」
「うっ・・・」
王はのどになにかを詰まらせたように、真っ赤になり、次に青くなった。
「ここに未来の王妃がいると?」
「い、いや、それは・・・」
「つまり私はお払い箱、ということですのね?」
「ま、まさかそんなはずないであろう?」
「では、私の耳がおかしくなったと?」
王妃は腕組みをして、ルシアナと王を交互に眺めた。
「この女が新しいお気に入りですの?なぜお気に入りを痛めつけるのか・・・理解に苦しみますわ」
「お気に入りなど・・・」
「不快です。追い出してください」
「えっ!それは・・・」
「この女を追い出さないのでしたら、私が出ていきます。出ていくのが遅すぎたぐらいですわ」
「クローディーヌ、まさか・・・」
「この女か、私か、です。ハイランドの王女である私がこちらに嫁いだ理由もお忘れになったんですね?」
「あ・・・」
王がルシアナを突き飛ばした。
「こ、こんな女・・・お、おいお前、早く出ていけ!」
「さっさと出なさい!」王妃の厳しい声が飛んだ。
「こちらへ」
王妃の後についていた女官がルシアナを手招きしている。
ルシアナは弾かれたように立ち上がり、女官と一緒に部屋から出た。
「さあ、早く。逃げますよ」
女官が小声でささやき、ルシアナはうなずいた。
この女官には見覚えがある。確か、夫の部下の騎士のひとりだ。
「若殿がお待ちです。しかし、その服、すごいですね」
体が丸見えの透けた服よりもマシだと思っていた服は今やボロボロに着崩れ、身体からぶら下がった布切れのようになっている。
「もうちょっと行けば、服が隠してありますから」
騎士は面白がりながらも、励ましてくれているが、そういう自分は女の格好をしている。
スカートをばさばささせながら大股で歩く姿は、こんな場合じゃなければ笑っていただろう。
暗闇を縫うように抜けていく。
警備兵や使用人たちに見つからないよう、暗闇を選びながら静かに進むと低い声が聞こえた。
「ルシアナ」
大きな手がルシアナを引き寄せた。
「若殿!なんで待ち合わせ場所で待ってないんですか!」騎士が抑えた声で抗議する。
「だってなあ?頑張ったな、ルシアナ」
その声と手のひらの温かさに触れた瞬間、ルシアナの目から大粒の涙がこぼれた。
「ケイレブ・・・!!」
昨日、時間が足りなくて途中になってしまったものです。
そちらから読んでくださいますよう、お願いしますm(_ _)m
*********************
「で?どう償ってくれるのだ?ランドール伯夫人?」
王の顔ににんまりといやらしい笑みが広がった。
わざとだ。わざと、ルシアナが粗相をするように仕向けたんだ。狙いはなに?
困ったような顔を見せてはならない。むしろ喜ばせてしまう。
嫌われようと必死で小細工をしていたことは、とっくに見抜かれていたんだろう。
「伏してお詫び申し上げます。どうか、ひざまずくことをお許しください」
ルシアナを取り巻く切っ先は鈍い光りを放ち、今にも切り裂かれてしまいそうだ。
王が鷹揚にうなずくと、護衛騎士たちは剣を収め、金属がさやに収まる音が部屋に響いた。
「ランドール伯夫人が困っておるではないか。お前たち、気が利かないぞ?」
「はっ、申し訳ありません」護衛の中で一番体が大きい髭面の大男が頭を下げた。
「で?」王がルシアナに向かい顎をしゃくった。「申してみよ」
「申し訳ございません。ご無礼を伏してお詫びいたします」
ルシアナはひざまずき、額を床にすりつけた。
「ちがう」
「はい?」
「お前の詫び方はそうではないだろう?それとも夫のランドール伯がお前の変わりに償ってくれるのか?そうだなあ・・・金貨百枚と奴隷百人ではどうだ?」
まさか、本気ではないでしょう?
ルシアナは動揺を面に表さないように顔を伏せた。
ワインを少しこぼしただけで金貨百枚と奴隷百人?そもそも、セント・へレニアには奴隷はいない。初代聖女が廃止したからだ。
「奴隷はおりませんゆえ・・・」
「では、金貨千枚!もしくは、奴隷百人に相当する女を献上せよ」
「それは・・・」囚われの身にできるはずもないことを言っている。
「であれば、無礼への対価として、伯爵領に攻め込んで領民を連れてくればよいではないか」
「・・・なりません」
「ほう?」
「この度の粗相の責任は私にあります。領民に肩代わりさせるものではありません。どうぞ、私に死をもってつぐなうようお命じください」
「へえ?死んでもいいと?」
「死にたくはありません。ですが、領民百人の命には変えられません」
「立派だな!」王は大声で言うと、両手を打ち合わせた。「ますます気に入った!一夜限りの相手にするには惜しい!伽が気に入ったら妃に迎えてやってもいいぞ」
「ありがたいお言葉ですが」
「ありがとうございます!!」ルシアナが断ろうとしたとき、それまで部屋の片隅に隠れていたオーブリーが飛び出してきた。
「妹は気位が高く、失礼なことばかり申し上げたのに・・・寛大なお言葉に感謝いたします。こら!お前も頭を下げろ!」
「なにを言うの」
「まったく、生意気な女でして・・・でも、陛下の御威光により、妹も正しい道に導いていただけるものと信じております!」何度も頭を下げるオーブリーの姿を見ていると、兄の目的を思い出した。
「ついでに、爵位もおねだりしたら?」小さな声で言うと、オーブリーがルシアナをにらみつけた。
「ふん・・・アドランテ。ルシアナ嬢の良さを押さえつけてはならんぞ。この美しさに誇り高さ、しかも頭の回転も早い。自分が後宮に入っているのに、堂々と他の男の妻であると名乗るところなど・・・」
王はくつくつと笑い、部屋の中にいた何人かの護衛たちが拳を握りしめた。
「さて、そろそろ前座は終わりだ。ルシアナ嬢。それともランドール伯夫人と呼んだほうがいいのかな?」
王がルシアナの瞳をじっと見つめた。
「服を脱げ」
まるでヘビに睨まれたカエルのように、身動きが取れない。
服なんか脱ぎたくない。こいつの目的が何なのか分かっているからこそ、なんとか嫌われようとしたのに。
「あ・・・あの。こ、ここで、ですか?」
声がふるえてしまう。
「余がそう命じておる」
「で、でも、人が・・・」
「殴れ」
ばしっ
髭面の大男が大股に進み出て、ルシアナをほほを殴りつけた。
「もう一発だ」
王の命令に髭面の大男がルシアナのもう一方の頬を殴りつける。
大きな殴打音とルシアナの押し殺した悲鳴に、皆顔をそむけた。
「大人しくなったか?」
王がルシアナの前に立ち、髪をつかんで引き上げた。
ルシアナの顔には大きなあざができ、口の橋には血が滲んでいた。
「ほう。ますます美しくなったではないか。来い」
強い力で髪を引っ張られ、体ごと引き寄せられた。
嫌だ。絶対に嫌だ。
どうしたら・・・どうしたら逃げられる?
見回しても、皆視線をそらし目を合わせないようにしている。
これがこの後宮での日常なんだ。
「いや!!!やめて!!!殺しなさい!私を殺しなさい!これ以上の侮辱は許しません!!私の体は私のもの!絶対にいやよ!」
怯えはどこかにいってしまった。
二度と、あんな思いはしたくない。
「この!」
王が髪の毛から手を離し、ルシアナを殴りつけた。
目から火花が散り、強く床に叩きつけられた。
「私は夫のある身です!神の前で誓った誓約を破れというのなら、殺しなさい!生きていては夫に顔向けできません!!」
「なんと・・・なんと、素晴らしい女だ。第5妃どころか正妃に据えたいぐらいだ」
王は感嘆したように言うと、ルシアナの手を強く掴んだ。
「全員部屋から出ろ!未来の王妃の体を見たものは厳罰に処す!」
王が命じると、護衛たちは全員頭を下げ、扉の前に並んだ。
バン!
勢いよく扉が開き、豪華な装束に身を包んだ年配の女性が入ってきた。
護衛たちが全員膝をつき、女官は深々と頭を下げた。
身分の高い女性にちがいない。
「聞き捨てならない言葉が聞こえたようですが?もう一度言っていただけますか?陛下」
「うっ・・・」
王はのどになにかを詰まらせたように、真っ赤になり、次に青くなった。
「ここに未来の王妃がいると?」
「い、いや、それは・・・」
「つまり私はお払い箱、ということですのね?」
「ま、まさかそんなはずないであろう?」
「では、私の耳がおかしくなったと?」
王妃は腕組みをして、ルシアナと王を交互に眺めた。
「この女が新しいお気に入りですの?なぜお気に入りを痛めつけるのか・・・理解に苦しみますわ」
「お気に入りなど・・・」
「不快です。追い出してください」
「えっ!それは・・・」
「この女を追い出さないのでしたら、私が出ていきます。出ていくのが遅すぎたぐらいですわ」
「クローディーヌ、まさか・・・」
「この女か、私か、です。ハイランドの王女である私がこちらに嫁いだ理由もお忘れになったんですね?」
「あ・・・」
王がルシアナを突き飛ばした。
「こ、こんな女・・・お、おいお前、早く出ていけ!」
「さっさと出なさい!」王妃の厳しい声が飛んだ。
「こちらへ」
王妃の後についていた女官がルシアナを手招きしている。
ルシアナは弾かれたように立ち上がり、女官と一緒に部屋から出た。
「さあ、早く。逃げますよ」
女官が小声でささやき、ルシアナはうなずいた。
この女官には見覚えがある。確か、夫の部下の騎士のひとりだ。
「若殿がお待ちです。しかし、その服、すごいですね」
体が丸見えの透けた服よりもマシだと思っていた服は今やボロボロに着崩れ、身体からぶら下がった布切れのようになっている。
「もうちょっと行けば、服が隠してありますから」
騎士は面白がりながらも、励ましてくれているが、そういう自分は女の格好をしている。
スカートをばさばささせながら大股で歩く姿は、こんな場合じゃなければ笑っていただろう。
暗闇を縫うように抜けていく。
警備兵や使用人たちに見つからないよう、暗闇を選びながら静かに進むと低い声が聞こえた。
「ルシアナ」
大きな手がルシアナを引き寄せた。
「若殿!なんで待ち合わせ場所で待ってないんですか!」騎士が抑えた声で抗議する。
「だってなあ?頑張ったな、ルシアナ」
その声と手のひらの温かさに触れた瞬間、ルシアナの目から大粒の涙がこぼれた。
「ケイレブ・・・!!」
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