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第三十七話 キス!
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目の前にアウレリオの顔。
片手の下には、アウレリオの胸。とくんとくんと鼓動がひびく。
しかも、お尻の下にはアウレリオの弾力のある太もも。
自分の尻の感触を知られてしまうことも、アウレリオの太ももの上に座っていることも、どちらもはずかしい。
何よりも、伝わってくる体温にどきどきする。
照れくさいし、恥ずかしいし、どうしたらいいのかわかなくて、逃げ出そうともぞもぞと腰を動かすと、「落ち着け」とアウレリオが低い、笑いを含んだ声で言った。真っ赤に染まった頬と潤んだ目を見れば、嫌がっていないのは分かるはずだ。でも、ドキドキしすぎて、心臓が止まってしまいそう。
「リオ」
なんで、そんなに優しい声で呼びかけるの?まるで、いとおしいとでも言っているかのように。
どぎまぎしているリオの髪をなで、じっと目をのぞきこんでくる。
もうだめ。心臓がもたない。リオがぎゅっと目を閉じると、次の瞬間、アウレリオのしっとりとした唇が重なった。
(キ、キ、キス・・・!!!)
どきんどきんと激しく打ち鳴らす鼓動が耳の奥でうねるように大きな音を立てている。
目の奥ではぱちぱちと火花が散り、背中には震えが走った。
アウレリオの舌がリオの唇を割り、口の中に侵入してくる。
くちゅくちゅと音を立てながら、あちこちいじるようにつつき、その度にリオは口をあけて、動きについていくのが精一杯だった。
舌先がからみ、つつき、口中を刺激しながら、また絡み合う。
リオはアウレリオの首に手を回し、気がつけばソファーの上に押し倒されていた。
「リオ」
アウレリオの目が金色に光る。
(ああ、きれいだなぁ)
リオはうれしくなり微笑みかけながら、アウレリオにされるがまま、身体の力を抜き、身を任せた。
「アウレリオさま・・・」
吐息のようなささやき声がアウレリオの耳をくすぐる。アウレリオが顔中にキスの雨を降らせると、リオはうれしそうに喉を鳴らした。
白いのどに痕をつけ、もっと見たい。
身体中にしるしをつけ、あえぐ姿が見たい。
頭の中で警報が鳴る。
これ以上進むと、戻れなくなる、と。
分かっているのに、止めることができない。
アウレリオはリオのお仕着せのボタンをひとつ外し、同時にシャツの下から手を入れ、リオの身体を撫で回し、感触を楽しんだ。
暑いと言いながら服を脱いだとき、無事でいられたのは、熱があったからだぞ?と心のなかでつぶやく。
平気な顔をしていたが、リオの裸は刺激が強かった。自分でわかっているんだろうか。
「アウレリオさまぁ・・・なんか、俺、おかしいです。ぞくぞくしすぎて、おかしくなっちゃいそうですぅ・・・」
リオが身をくねらせながら、訴える。胸を突き出し、ピンク色の花のような乳首がアウレリオの前に差し出された。すかさず先端を口に含むと、リオの甲高い嬌声が上がった。
「くす、くすぐったいです・・・だめです。アウレリオさまぁ」
そう言いながら、もっともっとと胸先を突き出してくる。ピンク色の突起を舌先で転がし、つつき、吸うとリオはたまらないというように身悶えした。
服を破り、肉を押し広げ、その中に身を沈めたい。
凶暴なほどの欲望が湧き上がり、ぎらぎらと目が光るのが自分でも分かった。
「アウレリオさまぁ」
リオが名を呼ぶと、愛していると言われているように感じる。
「リオ」
口づけをしながら、リオの足を開き、高ぶりを押し付けた。ふたりの間が、布で隔てられているのがもどかしい。このまま突き進んで一つになりたいのに。
アウレリオがさらに腰を押し付けると、リオがはっと息を飲んだ。
「あ、あの・・・」
「怖いか?」
「・・・すみません。本当はすこし、怖いです」
「そうか」
頭を冷やさないと。
アウレリオはリオの手をとり、額に当てた。
「落ち着くように言ってくれ」
「そんな・・・アウレリオ様に落ち着けだなんて」
「このままでは、獣のように襲ってしまいそうだ。今にも扉から誰かが入ってくるかもしれないのに」
アウレリオがすっと身を離すと、リオは急に取り残されたように、すっと身体が冷えた。
思わずアウレリオのシャツをつかむ。
「リオ。わたしたちはふたりとも、少し興奮しすぎたようだ」
アウレリオは苦笑しながら、リオの手を握り、髪をなでつけた。
「今、何をしていたのか、顔に書いてあるぞ」
「はい。でも、離れたくないです」
「・・・それは、私も同じだ。どうして今まで同じ部屋で眠っていたのに離れていられたのか、自分が分からない」
そういったアウレリオの髪はいつもとちがいすこし乱れ、シャツもリオが引っ張ったせいか、少しよれよれになっていた。
「でも、今夜からは」
アウレリオがリオの瞳をじっとのぞき込んだ。
「もうひとり寝はしないぞ」
リオの心臓がどきんと大きな音をたてた。
ひとり寝はしないって・・・そういう意味だよね・・・?
でも、少し怖いのは本当だ。リオだって、恋人たちがどういうことをして愛を伝え合うのかは知っている。男同士がどうするのかも、聞いたことはある。でも、未知の世界だし、自分にそんな事ができるのか分からない。口づけだってアウレリオとしたのがはじめてだし、それ以上のことなんて・・・
しかも、さっき押し付けられたアウレリオのソコはとても熱くて、大きかった。
何故か胸がふるえ、触ってみたいと思った。でも、それ以上のことができるのかな・・・
「心配するな。無理強いはしない。ただ、お前を戸口に寝かせておくのは、本当はずっと嫌だったんだ。お前は、平気な顔でぐうぐういびきをかいていたがな」
「へ、平気な顔なんて・・・しかも、いびき?」
「ああ、そうだ。かなり大きかったな」
「嘘です!そんな大きないびきなんてかいていませんから!」
アウレリオは笑ってリオを抱きしめた。
「嘘だよ。大いびきはたまにしかかいてない」
「もう!かいてませんったら!」
リオはアウレリオの胸を拳で小さく叩いた。アウレリオはリオの拳をつかみ、一つ一つの関節を愛しくてたまらないと言うように口づけた。
***********************
(お礼)
本日もお読みいただきましてありがとうごいました。
やっとイチャイチャが始まりました(遅い!)
いっしょにもだもだしていただけれ、幸いです。
本日も広告とハートをありがとうございました。
応援いただけることが毎日の原動力です。
明日からは、今年最後の週(仕事や学校)という方が多いのではないでしょうか?
みなさん、もう少しがんばりましょう。そして、年末までずっとお仕事の方、本当にお疲れ様です。
みなさんがそれぞれのタイミングでお休みして幸せな時間を過ごせるといいなとおもっています。
それでは、また明日、お会いしましょう!
片手の下には、アウレリオの胸。とくんとくんと鼓動がひびく。
しかも、お尻の下にはアウレリオの弾力のある太もも。
自分の尻の感触を知られてしまうことも、アウレリオの太ももの上に座っていることも、どちらもはずかしい。
何よりも、伝わってくる体温にどきどきする。
照れくさいし、恥ずかしいし、どうしたらいいのかわかなくて、逃げ出そうともぞもぞと腰を動かすと、「落ち着け」とアウレリオが低い、笑いを含んだ声で言った。真っ赤に染まった頬と潤んだ目を見れば、嫌がっていないのは分かるはずだ。でも、ドキドキしすぎて、心臓が止まってしまいそう。
「リオ」
なんで、そんなに優しい声で呼びかけるの?まるで、いとおしいとでも言っているかのように。
どぎまぎしているリオの髪をなで、じっと目をのぞきこんでくる。
もうだめ。心臓がもたない。リオがぎゅっと目を閉じると、次の瞬間、アウレリオのしっとりとした唇が重なった。
(キ、キ、キス・・・!!!)
どきんどきんと激しく打ち鳴らす鼓動が耳の奥でうねるように大きな音を立てている。
目の奥ではぱちぱちと火花が散り、背中には震えが走った。
アウレリオの舌がリオの唇を割り、口の中に侵入してくる。
くちゅくちゅと音を立てながら、あちこちいじるようにつつき、その度にリオは口をあけて、動きについていくのが精一杯だった。
舌先がからみ、つつき、口中を刺激しながら、また絡み合う。
リオはアウレリオの首に手を回し、気がつけばソファーの上に押し倒されていた。
「リオ」
アウレリオの目が金色に光る。
(ああ、きれいだなぁ)
リオはうれしくなり微笑みかけながら、アウレリオにされるがまま、身体の力を抜き、身を任せた。
「アウレリオさま・・・」
吐息のようなささやき声がアウレリオの耳をくすぐる。アウレリオが顔中にキスの雨を降らせると、リオはうれしそうに喉を鳴らした。
白いのどに痕をつけ、もっと見たい。
身体中にしるしをつけ、あえぐ姿が見たい。
頭の中で警報が鳴る。
これ以上進むと、戻れなくなる、と。
分かっているのに、止めることができない。
アウレリオはリオのお仕着せのボタンをひとつ外し、同時にシャツの下から手を入れ、リオの身体を撫で回し、感触を楽しんだ。
暑いと言いながら服を脱いだとき、無事でいられたのは、熱があったからだぞ?と心のなかでつぶやく。
平気な顔をしていたが、リオの裸は刺激が強かった。自分でわかっているんだろうか。
「アウレリオさまぁ・・・なんか、俺、おかしいです。ぞくぞくしすぎて、おかしくなっちゃいそうですぅ・・・」
リオが身をくねらせながら、訴える。胸を突き出し、ピンク色の花のような乳首がアウレリオの前に差し出された。すかさず先端を口に含むと、リオの甲高い嬌声が上がった。
「くす、くすぐったいです・・・だめです。アウレリオさまぁ」
そう言いながら、もっともっとと胸先を突き出してくる。ピンク色の突起を舌先で転がし、つつき、吸うとリオはたまらないというように身悶えした。
服を破り、肉を押し広げ、その中に身を沈めたい。
凶暴なほどの欲望が湧き上がり、ぎらぎらと目が光るのが自分でも分かった。
「アウレリオさまぁ」
リオが名を呼ぶと、愛していると言われているように感じる。
「リオ」
口づけをしながら、リオの足を開き、高ぶりを押し付けた。ふたりの間が、布で隔てられているのがもどかしい。このまま突き進んで一つになりたいのに。
アウレリオがさらに腰を押し付けると、リオがはっと息を飲んだ。
「あ、あの・・・」
「怖いか?」
「・・・すみません。本当はすこし、怖いです」
「そうか」
頭を冷やさないと。
アウレリオはリオの手をとり、額に当てた。
「落ち着くように言ってくれ」
「そんな・・・アウレリオ様に落ち着けだなんて」
「このままでは、獣のように襲ってしまいそうだ。今にも扉から誰かが入ってくるかもしれないのに」
アウレリオがすっと身を離すと、リオは急に取り残されたように、すっと身体が冷えた。
思わずアウレリオのシャツをつかむ。
「リオ。わたしたちはふたりとも、少し興奮しすぎたようだ」
アウレリオは苦笑しながら、リオの手を握り、髪をなでつけた。
「今、何をしていたのか、顔に書いてあるぞ」
「はい。でも、離れたくないです」
「・・・それは、私も同じだ。どうして今まで同じ部屋で眠っていたのに離れていられたのか、自分が分からない」
そういったアウレリオの髪はいつもとちがいすこし乱れ、シャツもリオが引っ張ったせいか、少しよれよれになっていた。
「でも、今夜からは」
アウレリオがリオの瞳をじっとのぞき込んだ。
「もうひとり寝はしないぞ」
リオの心臓がどきんと大きな音をたてた。
ひとり寝はしないって・・・そういう意味だよね・・・?
でも、少し怖いのは本当だ。リオだって、恋人たちがどういうことをして愛を伝え合うのかは知っている。男同士がどうするのかも、聞いたことはある。でも、未知の世界だし、自分にそんな事ができるのか分からない。口づけだってアウレリオとしたのがはじめてだし、それ以上のことなんて・・・
しかも、さっき押し付けられたアウレリオのソコはとても熱くて、大きかった。
何故か胸がふるえ、触ってみたいと思った。でも、それ以上のことができるのかな・・・
「心配するな。無理強いはしない。ただ、お前を戸口に寝かせておくのは、本当はずっと嫌だったんだ。お前は、平気な顔でぐうぐういびきをかいていたがな」
「へ、平気な顔なんて・・・しかも、いびき?」
「ああ、そうだ。かなり大きかったな」
「嘘です!そんな大きないびきなんてかいていませんから!」
アウレリオは笑ってリオを抱きしめた。
「嘘だよ。大いびきはたまにしかかいてない」
「もう!かいてませんったら!」
リオはアウレリオの胸を拳で小さく叩いた。アウレリオはリオの拳をつかみ、一つ一つの関節を愛しくてたまらないと言うように口づけた。
***********************
(お礼)
本日もお読みいただきましてありがとうごいました。
やっとイチャイチャが始まりました(遅い!)
いっしょにもだもだしていただけれ、幸いです。
本日も広告とハートをありがとうございました。
応援いただけることが毎日の原動力です。
明日からは、今年最後の週(仕事や学校)という方が多いのではないでしょうか?
みなさん、もう少しがんばりましょう。そして、年末までずっとお仕事の方、本当にお疲れ様です。
みなさんがそれぞれのタイミングでお休みして幸せな時間を過ごせるといいなとおもっています。
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