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23 不治の病いの正体は?
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び、びっくりしたあああ。
あの猛獣みたいなの、お父さんだよね?
お父さんの泣き声‥‥‥でいいんだよね?
お父さんも泣くんだ。びっくりした。
一体、どうしたんだろ?
「あーあ、ダンジョンでも篭りに行っちゃったんだろ。
まあ、最近身体がなまってたみたいだから、丁度いいだろ。
一月か二月もしたら元気になって帰ってくるさ」
そう言うと、大兄ちゃんは私の頭を撫でた。
「お前のその病気はな、心臓病とか気鬱の病とかじゃないぞ?まあ、正確に言うと『恋の病』ってところかな」
「えっ?」
「平たく言うと、お前はグレッグに惚れてる、好きだってことを、今、全員の前で盛大にぶちかましたんだよ」
「えっ?えええっ?」
私はグレッグの方をぎゅんっと向いた。
グレッグは真っ赤になっていた。
私と同じ、ゆでダコみたいに。
好きって、そう言うことなの?知らなかった‥‥‥
顔と見たいとか、会いたいとか、なんとなく近づきたいとか思うこの気持ちが?
グレッグの優しい声を聞いたり、目を見るとドキドキしちゃうこの気持ちが?
私はグレッグにそっと近づいた。触れたい。
「グレッグ‥‥‥」
そっと手を伸ばす。
「クラリス‥‥‥」
グレッグも私に手を伸ばす。
シャキッ!その時、サムにいちゃんのナイフの音が聞こえた。
「そこまでだ」
えええええ、サム兄ちゃんまた邪魔するのぉぉ?
一体いつになったら、ラブラブ展開になるのよ。もう怒っちゃうよぉぉ?
「さて、そろそろ休憩時間は終わりだ。昼営業の時間だぞ。」
大兄ちゃんがパンと手を叩いた。
「親父がいない期間は俺が大将だ。みんな、仕事だ仕事。
おい、グレッグ、お前今日休みとったんだろ?
今日の昼営業手伝ってくれよ。親父がいなくなっちまったのには、お前の責任だってあるんだからな?
明日からは仕方ないが、今日は俺を手伝って点数稼ぎしてくれよ」
「ああ、いいよ」グレッグが快活に答える。
「あとな、サム、お前、部屋には鍵かけとけ。ついでにエラの部屋にもな」
「お、おう」サムにいちゃんが答える。
「それから、エラ、お前、もうちょっとクラリスにきちんと教えてやれ。
母親代わりなんだろ?
クラリスは小さい頃から家の手伝いをしていたし、器量良しだからって、親父や俺たちが過保護にしすぎたんだよ。
ある程度知っておくことは、俺は必要なことだと思うぞ。
無知は返って危険を呼ぶことだってあるんだからな?」
「わかった。そうだよね」エラ姉ちゃんが、納得したように言う。
「それからな、クラリス。ちゃんとエラの言うことをきけ。
お前はまだ未成年なんだからな。ちゃんとわきまえろ。
まあ、どう言うことがわきまえるってことなのかはエラに聞け」
「うん。わかった。」
「あと、もう一つだけどな、お前、お母さん死んじゃったとか言ってたけど。
俺たちの母さん、生きてるぞ。しかも、お前、何回も会ったことあるぞ。
結構懐いて、楽しそうに喋ってたけどな?
まあ、これ以上は親父がダンジョンから帰ってきたら聞け。
さあ、皆んな、仕事だぞ!」
大兄ちゃんが声を張る。
ちょっと待って、一番大事なこと、さらっと言ってなかった?
お母さんって生きてるの?
一体どーゆーこと???
あの猛獣みたいなの、お父さんだよね?
お父さんの泣き声‥‥‥でいいんだよね?
お父さんも泣くんだ。びっくりした。
一体、どうしたんだろ?
「あーあ、ダンジョンでも篭りに行っちゃったんだろ。
まあ、最近身体がなまってたみたいだから、丁度いいだろ。
一月か二月もしたら元気になって帰ってくるさ」
そう言うと、大兄ちゃんは私の頭を撫でた。
「お前のその病気はな、心臓病とか気鬱の病とかじゃないぞ?まあ、正確に言うと『恋の病』ってところかな」
「えっ?」
「平たく言うと、お前はグレッグに惚れてる、好きだってことを、今、全員の前で盛大にぶちかましたんだよ」
「えっ?えええっ?」
私はグレッグの方をぎゅんっと向いた。
グレッグは真っ赤になっていた。
私と同じ、ゆでダコみたいに。
好きって、そう言うことなの?知らなかった‥‥‥
顔と見たいとか、会いたいとか、なんとなく近づきたいとか思うこの気持ちが?
グレッグの優しい声を聞いたり、目を見るとドキドキしちゃうこの気持ちが?
私はグレッグにそっと近づいた。触れたい。
「グレッグ‥‥‥」
そっと手を伸ばす。
「クラリス‥‥‥」
グレッグも私に手を伸ばす。
シャキッ!その時、サムにいちゃんのナイフの音が聞こえた。
「そこまでだ」
えええええ、サム兄ちゃんまた邪魔するのぉぉ?
一体いつになったら、ラブラブ展開になるのよ。もう怒っちゃうよぉぉ?
「さて、そろそろ休憩時間は終わりだ。昼営業の時間だぞ。」
大兄ちゃんがパンと手を叩いた。
「親父がいない期間は俺が大将だ。みんな、仕事だ仕事。
おい、グレッグ、お前今日休みとったんだろ?
今日の昼営業手伝ってくれよ。親父がいなくなっちまったのには、お前の責任だってあるんだからな?
明日からは仕方ないが、今日は俺を手伝って点数稼ぎしてくれよ」
「ああ、いいよ」グレッグが快活に答える。
「あとな、サム、お前、部屋には鍵かけとけ。ついでにエラの部屋にもな」
「お、おう」サムにいちゃんが答える。
「それから、エラ、お前、もうちょっとクラリスにきちんと教えてやれ。
母親代わりなんだろ?
クラリスは小さい頃から家の手伝いをしていたし、器量良しだからって、親父や俺たちが過保護にしすぎたんだよ。
ある程度知っておくことは、俺は必要なことだと思うぞ。
無知は返って危険を呼ぶことだってあるんだからな?」
「わかった。そうだよね」エラ姉ちゃんが、納得したように言う。
「それからな、クラリス。ちゃんとエラの言うことをきけ。
お前はまだ未成年なんだからな。ちゃんとわきまえろ。
まあ、どう言うことがわきまえるってことなのかはエラに聞け」
「うん。わかった。」
「あと、もう一つだけどな、お前、お母さん死んじゃったとか言ってたけど。
俺たちの母さん、生きてるぞ。しかも、お前、何回も会ったことあるぞ。
結構懐いて、楽しそうに喋ってたけどな?
まあ、これ以上は親父がダンジョンから帰ってきたら聞け。
さあ、皆んな、仕事だぞ!」
大兄ちゃんが声を張る。
ちょっと待って、一番大事なこと、さらっと言ってなかった?
お母さんって生きてるの?
一体どーゆーこと???
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