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6 私、病気かもしれません‥‥‥しょぼん

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まずは調査だよね。

お姉ちゃんに直球で聞く?
ちょっとおっかないけど。
なんかいい方法ないかな~~?

いや、私だってね。お年頃なんだよ。15歳になったら結婚できるんだから。
恋人いたっていいんだよ。いやん。

でもね、そう、まず自分から考えてみるか。

いっつも邪魔されるの。
お父さんとか、大兄ちゃんとか、サム兄ちゃんとか。
何となく私のこといいなと思ってくれている人がいたとしても、誰かが止めに入って終わっちゃうんだよね。
まだ未成年だからっていうのもあるし、まあ、ピンと来る人もいないからいいんだけどさ。

私はまぶたの裏に浮かんだグレックの金髪と藍色の目を頭から追い払った。
からね!
ほんとだもん!

自分のことじゃなかった。
じゃあ、キューピット?すればいいの?
何だか難易度上がってない?難しいなあ。

うーん、うーん‥‥‥

はっ!閃いた!
やっぱりここは近くにいる大人の女の人に聞くべきじゃないの???
いるじゃん、夜に営業にくるお姉さんたち!!
あのお姉さん達、女の人のプロって感じがしない?
たまーに会うと優しくしてくれるし、話を聞いてみたらいいんじゃないの?

そうだよね、ここはプロの力を借りるべきよ。
どんどん閃いちゃって私天才かもしれない。

夜になるのが待ち遠しい。
私は肩の荷がすっかり降りて、ルンルンワクワクしてお姉さんたちのくるのを待ちわびてたんだ。



夕方になると、騎士団のお客さん達がやってきた。
第七騎士団の皆さんはうちの宿がある東地区に3ヶ月に一度巡回している。
うちの宿のある東地区は北方への入り口になっていて、後方地区の最前線だ。北方は辺境伯様が守っているけれど、その隣にある東地区は王直轄地区であり、定期的な情報収集が行われている。
王国有数のダンジョンもあり、名を揚げたい冒険者達にもうってつけの地区なんだって。

お姉ちゃんがちょっとおっかないけどお客さん用のいい笑顔で対応する。
今日の騎士団のお客さんは10人か。後ろからこっそり探りを入れる。

みんな騎士団の制服を着ているが一人だけ、すぐに誰だか分かった。
すらっと背が高く金髪を後ろで束ねた美丈夫グレックだ。
私の心臓がものすごい勢いで跳ねた。

なんだかわからないけど急に心臓病になったみたいだ。
そういえば、八百屋のジョンのおばあちゃんが心臓が悪いって言ってたっけ。
身近な病気だから私がなってもおかしくない。
それとも花屋のミーシャがかかった気鬱の病かもしれない。
ミーシャは大兄ちゃんを見ると発作が起きて、息が苦しくなって顔が赤くなって話せなくなっちゃうんだって。
やばいよね、それ。

エラが部屋の鍵を渡すと、常連さん達は勝手知ったるなんとやらで部屋に荷物を置きに行ってしまった。
その時、一瞬グレッグの切れ長の瞳が私を見て、目があった・・ような気がした。
多分、心臓が止まった、気がする。
 
もうこれはやばい、死ぬかもしれない。
そのうちジョンさんの婆ちゃんみたいに一日中ロッキングチェアで居眠りしているか、ミーシャみたいに言語障害が出る気がしてならない。
こどもの頃からいなかったお母さんは心臓が悪かったのかもしれない。
お父さんに聞いても兄ちゃん達もお姉ちゃんも教えてくれないのはそういうことだったのか‥‥‥


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