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1 可愛い私
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よろしくお願いします。
_________________________________________
皆さんこんにちは。私はクラリス、14歳の可愛い女の子です(ニコッ)
小さな頃から私は可愛かった。
どっからどう見てもカワイイ。
今日もやっぱり可愛い。
朝起きて鏡に映った自分を見ても可愛くてびっくりしちゃう。
キラキラと輝くヘイゼルの瞳。
ゆるく波打つ明るいブラウンの髪は陽が当たると金色に輝いて天使みたいだってみんなが言うの。
鼻筋はすっと通ってるけど高すぎないキュートな鼻にピンクの唇。
男たちはみんなキスしたそうに見るけど、そんなに安かないのよね。
特別な人じゃなきゃ。
次の誕生日が来たら15歳で結婚もできる年になるけど、まだ特別な人はいないの。
せっかく女に生まれたんだから、愛する人といつか幸せな家庭をつくりたいんだ。
子どもは4人くらい・・男の子と女の子二人ずつで私と子ども達を心から愛してくれる素敵な旦那様・・キャハッ
「クラリス!!いつまで寝てるのよ!!さっさと起きて朝ごはん食べちゃいなさい!今日も忙しいんだからね!!」
あ、やばい。お姉ちゃんがまた怒ってる。
私はさっと髪を手櫛で整えると、エプロンドレスに着替えて慌てて屋根裏の自分の部屋から階下の食堂へと降りていった。
ウチは家族経営の小さな宿屋。
お母さんは私が覚えてないくらい小さな時からいなかった。
お父さんの作るがっつり目の美味しいご飯と暖かなおもてなしが売りの小さな宿。
宿の管理は7歳年上の大兄ちゃんと3つ年上のエラ姉ちゃんが頑張ってる。
食堂はお父さんと5つ年上の2番めのサミュエル兄ちゃんで回してる。
私だって毎日宿と食堂を手伝ってるのよ。
看板娘だからね。えへん。
「おはよう!」
食堂に駆け込んだ私が挨拶すると、家族みんなが「おはよう」と返してくれる。
大兄ちゃんが大きな手で私の頭を撫でて優しく微笑んだ。
「おはようクラリス。今日は俺が食事当番だったんだぞ。早く食べちまいな。」
「うん!」
うちの朝ごはんはいつもお客さん達と一緒。
今日は、ふかふかパンと野いちごのジャム、野菜たっぷりスープとほくほくジャガイモ。
「大兄ちゃん!美味しい。今日のご飯も最高だよ」
私がむしゃむしゃ食べながら言うと、お兄ちゃんは顔をくしゃくしゃにして嬉しそうに笑った。
お兄ちゃんは私と同じ明るいブラウンの髪だけど、瞳は綺麗なブルーだ。
そして、くしゃっと笑うと急に少年にかわいく見える。
やっぱり可愛い私のお兄ちゃんだからかな?
「クラリスはいつも美味しそうに食べるから、作りがいがあるな!」
えへへ。美味しい、幸せ。
「はいはい、わかったからさっさと食べちゃってよ」
鋭い声が飛ぶ。
ドキッ。私は急いでパンを口に放り込んだ。
ちらっと目をあげるとお姉ちゃんがこっちを見ていた。
お姉ちゃんは目つきがキツイから、見ているだけなのにまるで睨んでいる様に見えるんだよぁ。
「きつい」
「可愛いからクラリスのことを虐めてるのか」
「妬んでるんじゃないのか?」
お客さんからヒソヒソ声が聞こえてくる。
そんなことはないんですよ、皆さん。ちょっとだけ、目つきが悪いだけなんです。
お姉ちゃんは肩をすくめ、厨房に入ってしまった。
私は目を伏せて食事を続けた。
なんとなく美味しかったパンの味がしなくなってしまい、飲み込むのが少し苦しくなった。
______________________________________
お読みいただき、ありがとうございました。
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皆さんこんにちは。私はクラリス、14歳の可愛い女の子です(ニコッ)
小さな頃から私は可愛かった。
どっからどう見てもカワイイ。
今日もやっぱり可愛い。
朝起きて鏡に映った自分を見ても可愛くてびっくりしちゃう。
キラキラと輝くヘイゼルの瞳。
ゆるく波打つ明るいブラウンの髪は陽が当たると金色に輝いて天使みたいだってみんなが言うの。
鼻筋はすっと通ってるけど高すぎないキュートな鼻にピンクの唇。
男たちはみんなキスしたそうに見るけど、そんなに安かないのよね。
特別な人じゃなきゃ。
次の誕生日が来たら15歳で結婚もできる年になるけど、まだ特別な人はいないの。
せっかく女に生まれたんだから、愛する人といつか幸せな家庭をつくりたいんだ。
子どもは4人くらい・・男の子と女の子二人ずつで私と子ども達を心から愛してくれる素敵な旦那様・・キャハッ
「クラリス!!いつまで寝てるのよ!!さっさと起きて朝ごはん食べちゃいなさい!今日も忙しいんだからね!!」
あ、やばい。お姉ちゃんがまた怒ってる。
私はさっと髪を手櫛で整えると、エプロンドレスに着替えて慌てて屋根裏の自分の部屋から階下の食堂へと降りていった。
ウチは家族経営の小さな宿屋。
お母さんは私が覚えてないくらい小さな時からいなかった。
お父さんの作るがっつり目の美味しいご飯と暖かなおもてなしが売りの小さな宿。
宿の管理は7歳年上の大兄ちゃんと3つ年上のエラ姉ちゃんが頑張ってる。
食堂はお父さんと5つ年上の2番めのサミュエル兄ちゃんで回してる。
私だって毎日宿と食堂を手伝ってるのよ。
看板娘だからね。えへん。
「おはよう!」
食堂に駆け込んだ私が挨拶すると、家族みんなが「おはよう」と返してくれる。
大兄ちゃんが大きな手で私の頭を撫でて優しく微笑んだ。
「おはようクラリス。今日は俺が食事当番だったんだぞ。早く食べちまいな。」
「うん!」
うちの朝ごはんはいつもお客さん達と一緒。
今日は、ふかふかパンと野いちごのジャム、野菜たっぷりスープとほくほくジャガイモ。
「大兄ちゃん!美味しい。今日のご飯も最高だよ」
私がむしゃむしゃ食べながら言うと、お兄ちゃんは顔をくしゃくしゃにして嬉しそうに笑った。
お兄ちゃんは私と同じ明るいブラウンの髪だけど、瞳は綺麗なブルーだ。
そして、くしゃっと笑うと急に少年にかわいく見える。
やっぱり可愛い私のお兄ちゃんだからかな?
「クラリスはいつも美味しそうに食べるから、作りがいがあるな!」
えへへ。美味しい、幸せ。
「はいはい、わかったからさっさと食べちゃってよ」
鋭い声が飛ぶ。
ドキッ。私は急いでパンを口に放り込んだ。
ちらっと目をあげるとお姉ちゃんがこっちを見ていた。
お姉ちゃんは目つきがキツイから、見ているだけなのにまるで睨んでいる様に見えるんだよぁ。
「きつい」
「可愛いからクラリスのことを虐めてるのか」
「妬んでるんじゃないのか?」
お客さんからヒソヒソ声が聞こえてくる。
そんなことはないんですよ、皆さん。ちょっとだけ、目つきが悪いだけなんです。
お姉ちゃんは肩をすくめ、厨房に入ってしまった。
私は目を伏せて食事を続けた。
なんとなく美味しかったパンの味がしなくなってしまい、飲み込むのが少し苦しくなった。
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お読みいただき、ありがとうございました。
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