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番外編9 壮介 問題解決にはまだ遠い
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帰り道はあっという間だった。
時々漂う勇太の柑橘の匂いが、俺の心をくすぐる。
手を繋いだり肩を抱いたり、世のカップルは不謹慎だよな?
羨ましくなんかないぞ?ほんとだぞ?
ただ、時折触れる勇太の手の甲が俺を誘惑する。
勇太の手、勇太の手のひら、勇太の体温・・・歩きながらも俺の頭は沸騰寸前だ。
「今日はありがとう。一緒に勉強すると捗るね」
え?マジで?俺は全然はかどらなかったけど。勇太は気にならなかったのかな、俺のこと・・・
少しも?本当に?ちょっとがっかりだな。
まあ、でもそういうことにしておこう。
俺は上の空で返事をすると、勇太が少ししょぼんとしたのがわかる。
なんで?しょぼんとしたいのは俺だろ?
あー、こういう時、手を握りたい。そうすれば伝わる熱で俺の気持ちもわかってもらえるだろうに。
路チューするカップルとか頭おかしいのかと思ってたけど、はじめてその気持ちが少しわかる気がした。
駅で別れを告げると、勇太の気持ちがますますしょぼくれているのがわかる。
別れるのが辛いとか思ってくれてんのかな?そうだといいな。
違うかな。
明日、学校でまた会えるし。
声をかけると見上げた勇太の顔は泣きそうだった。
バンビみたいな涙目で見上げるとかって、反則だろう?
キ、キスしたい・・・
俺は路チューするカップルに激しく同意した。今日だけで2度目だ。
でも、我慢しろ、俺。
ポンポンと頭を撫でる。
「試験終わったら、どこか行くか?」
デートだぞ?デートのお誘いだからな?今回はれっきとしたデート、公式デートだからな?
泣きそうだった勇太の顔に満面の笑みが浮かんだ。
ま、眩しい・・・勇太きゅんの満面の笑顔・・・これは季節外れのひまわりかそれとも花火?
いずれにせよ尋常じゃない。
可愛すぎるから逮捕!逮捕案件だ!もう家に連れ帰るぞ!?
確保!確保して俺のこと!勇太を誘拐しちゃうから!おまわりさーん!!おねしゃーす!!
「じゃあ、またね!」
勇太は笑顔で改札の向こうに消えていった。
あれ、返事は?
俺、聞いてなかったみたい・・・
でもなあ。あんなに可愛い勇太相手に平常心を保つなんて、どんな無理ゲーだよ。
ガチで無理。絶対無理。
だってあいつ可愛すぎるんだもん。
しかもあんなに可愛い勇太が俺のこと好きだなんて、信じられるか?
・・・まあ信じてるけど。
ぴこん
携帯のメッセージアプリから通知が来た。
思わず即開く。
「今日はありがと。本当は壮介が気になって集中できなかった。嘘ついてごめん。また明日学校で」
ぷしゅぷしゅぷしゅ~~
俺の中から何かが音をたてて抜けていった。
気力?体力?
思わず改札脇にへたり込んでしまう。
可愛い!可愛すぎる!
何この人!本当に逮捕案件だぞ!
「あ、そうだ。あとから二人で撮った画像も送ってな?」
しかもお願い猫ちゃんポーズのスタンプ付きだ!
ぐわあああ。
なんだよこいつ、もう!殺す気かよ!
もう俺、本当にやばい。
試合以上に緊張してかからないと、いつ崩れるかわからない。
まだ俺たちの大問題は解決してないのに。
でも、聞けるか?あの勇太に。
あの可愛い勇太に。
「どっちが上?」なんて。
一体、世の同性カップルはどうやって決めてんだよ。
自己申告?それともじゃんけんとか?
それとも、じゅんばんことか?
でも、どっちが上とかって、それって・・・
このあいだ俺を押し倒した夢の中の勇太きゅんはどういうつもりだったんだ?
しかもあの時見えたピンク色の乳首は・・・
あ、やば。
俺はしゃがんだ姿勢のまま頭を抱えた。
た、立てねえ。通報されちまう。
なんで俺はジャージ着てきたんだよ。
そのまましばらく立てずにいた俺は、仕方ないから必死で元素周期表の暗記文を繰り返していたんだ。
もちろんえっちじゃない方のやつだぞ?
************************************************
まさに煩悩祭りの壮介くん。
次回は写経をお勧めいたします。
ここで番外編の前半戦終了です。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
このあと、後半戦に続きます。
そちらもお楽しみいただけたら嬉しいです。
ありがとうございました!
時々漂う勇太の柑橘の匂いが、俺の心をくすぐる。
手を繋いだり肩を抱いたり、世のカップルは不謹慎だよな?
羨ましくなんかないぞ?ほんとだぞ?
ただ、時折触れる勇太の手の甲が俺を誘惑する。
勇太の手、勇太の手のひら、勇太の体温・・・歩きながらも俺の頭は沸騰寸前だ。
「今日はありがとう。一緒に勉強すると捗るね」
え?マジで?俺は全然はかどらなかったけど。勇太は気にならなかったのかな、俺のこと・・・
少しも?本当に?ちょっとがっかりだな。
まあ、でもそういうことにしておこう。
俺は上の空で返事をすると、勇太が少ししょぼんとしたのがわかる。
なんで?しょぼんとしたいのは俺だろ?
あー、こういう時、手を握りたい。そうすれば伝わる熱で俺の気持ちもわかってもらえるだろうに。
路チューするカップルとか頭おかしいのかと思ってたけど、はじめてその気持ちが少しわかる気がした。
駅で別れを告げると、勇太の気持ちがますますしょぼくれているのがわかる。
別れるのが辛いとか思ってくれてんのかな?そうだといいな。
違うかな。
明日、学校でまた会えるし。
声をかけると見上げた勇太の顔は泣きそうだった。
バンビみたいな涙目で見上げるとかって、反則だろう?
キ、キスしたい・・・
俺は路チューするカップルに激しく同意した。今日だけで2度目だ。
でも、我慢しろ、俺。
ポンポンと頭を撫でる。
「試験終わったら、どこか行くか?」
デートだぞ?デートのお誘いだからな?今回はれっきとしたデート、公式デートだからな?
泣きそうだった勇太の顔に満面の笑みが浮かんだ。
ま、眩しい・・・勇太きゅんの満面の笑顔・・・これは季節外れのひまわりかそれとも花火?
いずれにせよ尋常じゃない。
可愛すぎるから逮捕!逮捕案件だ!もう家に連れ帰るぞ!?
確保!確保して俺のこと!勇太を誘拐しちゃうから!おまわりさーん!!おねしゃーす!!
「じゃあ、またね!」
勇太は笑顔で改札の向こうに消えていった。
あれ、返事は?
俺、聞いてなかったみたい・・・
でもなあ。あんなに可愛い勇太相手に平常心を保つなんて、どんな無理ゲーだよ。
ガチで無理。絶対無理。
だってあいつ可愛すぎるんだもん。
しかもあんなに可愛い勇太が俺のこと好きだなんて、信じられるか?
・・・まあ信じてるけど。
ぴこん
携帯のメッセージアプリから通知が来た。
思わず即開く。
「今日はありがと。本当は壮介が気になって集中できなかった。嘘ついてごめん。また明日学校で」
ぷしゅぷしゅぷしゅ~~
俺の中から何かが音をたてて抜けていった。
気力?体力?
思わず改札脇にへたり込んでしまう。
可愛い!可愛すぎる!
何この人!本当に逮捕案件だぞ!
「あ、そうだ。あとから二人で撮った画像も送ってな?」
しかもお願い猫ちゃんポーズのスタンプ付きだ!
ぐわあああ。
なんだよこいつ、もう!殺す気かよ!
もう俺、本当にやばい。
試合以上に緊張してかからないと、いつ崩れるかわからない。
まだ俺たちの大問題は解決してないのに。
でも、聞けるか?あの勇太に。
あの可愛い勇太に。
「どっちが上?」なんて。
一体、世の同性カップルはどうやって決めてんだよ。
自己申告?それともじゃんけんとか?
それとも、じゅんばんことか?
でも、どっちが上とかって、それって・・・
このあいだ俺を押し倒した夢の中の勇太きゅんはどういうつもりだったんだ?
しかもあの時見えたピンク色の乳首は・・・
あ、やば。
俺はしゃがんだ姿勢のまま頭を抱えた。
た、立てねえ。通報されちまう。
なんで俺はジャージ着てきたんだよ。
そのまましばらく立てずにいた俺は、仕方ないから必死で元素周期表の暗記文を繰り返していたんだ。
もちろんえっちじゃない方のやつだぞ?
************************************************
まさに煩悩祭りの壮介くん。
次回は写経をお勧めいたします。
ここで番外編の前半戦終了です。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
このあと、後半戦に続きます。
そちらもお楽しみいただけたら嬉しいです。
ありがとうございました!
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