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23 壮介
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部活動に参加するため、いつも通り部室に向かうと、遠くから、勇太の姿が見えた。
(勇太きゅん♡やっぱり可愛いなぁ)
遠くからでもすぐにわかる、少し柔らかそうな、ふわふわと風に舞う茶色の髪。
その髪のすぐ下には大きなアーモンドアイ。
そして、その瞳は俺を見るといつも嬉しそうに輝くんだ。
「勇太、ここで何をしているんだ」
俺が後ろから声をかけると、勇太の背中が一瞬跳ねた後、ゆっくりと振り返り、俺を見た。
(・・・?)
いつもの嬉しそうな瞳の輝きはない。
何となくくすんだようなその瞳の色に疑問を感じそうになった瞬間、
「ああ、今から部活か?」
と普段とまるで変わらない様子で勇太が応えた。
(気のせいか・・・?)
「珍しいな、こんなところにいるなんて」
「うん、担任に資料を取ってくるように言われたからさ」
と、何気ない様子で部室棟近くの倉庫を指した。
「ああ、そうか手伝うことあるか?」
「いや、大丈夫。大丈夫だから、気にせず部活に行って。部活頑張れよ」
(・・・?)
何だろう?この違和感?
(?)
気のせいか?
(?)
よく考えても分からなかった。そういえば、検索エンジンポンコツだしな。ま、それより部活か。
「富山!」
部室から先輩に声をかけられる。
「うす!」
俺はそう応え、さっきまでの違和感のことはすっかり忘れ、そのまま部室まで走っていった。
特にその後、何があるわけでもなく、また通常の日々が流れていた。
同じクラスになってから、近しくなった勇太との関係は、驚くほど良好で、互いに何の違和感もなく友人から親友と言えるほどの仲になっていっていたし、あのスケスケ姫の到来から、全く浮気することなく、勇太だけが俺のオカズになっていた。
だって若いんだもん。
(綺麗な髪だな・・・)
でも、いつしか劣情だけではなく、深く知り合う前のもっと近づきたいと思ってた頃よりももっと、勇太に対する思いは深みを増していった。
(何となく、撫でたくなるような。そのまま見ていたいような。不思議な気持ちになるな・・・)
窓際の自分の席に座り、窓から吹く風に気持ち良さそうに身をまかせる勇太の姿を見ると、やっぱり、そのまま見ていたいような、それよりも腕の中に閉じ込めてしまいたいような気持ちになってくる。
拝観料を払おうと思っていた自分はいつの間にかいなくなっていた。
今よりももっと近くに近づきたいとか、触れてみたいとか、そして、その瞬間を大切に永久保存してしまいたいと思うような感情に、不思議と変わってきていた。
その気持ちの変化が何なのか、正直、よく分からなかった。
相変わらず、俺の検索エンジンはうまく動かない。
検索すればこの気持ちが何なのか教えてくれるのなら、簡単で、楽でいいのにな。
________________
ありがとうございました。
(勇太きゅん♡やっぱり可愛いなぁ)
遠くからでもすぐにわかる、少し柔らかそうな、ふわふわと風に舞う茶色の髪。
その髪のすぐ下には大きなアーモンドアイ。
そして、その瞳は俺を見るといつも嬉しそうに輝くんだ。
「勇太、ここで何をしているんだ」
俺が後ろから声をかけると、勇太の背中が一瞬跳ねた後、ゆっくりと振り返り、俺を見た。
(・・・?)
いつもの嬉しそうな瞳の輝きはない。
何となくくすんだようなその瞳の色に疑問を感じそうになった瞬間、
「ああ、今から部活か?」
と普段とまるで変わらない様子で勇太が応えた。
(気のせいか・・・?)
「珍しいな、こんなところにいるなんて」
「うん、担任に資料を取ってくるように言われたからさ」
と、何気ない様子で部室棟近くの倉庫を指した。
「ああ、そうか手伝うことあるか?」
「いや、大丈夫。大丈夫だから、気にせず部活に行って。部活頑張れよ」
(・・・?)
何だろう?この違和感?
(?)
気のせいか?
(?)
よく考えても分からなかった。そういえば、検索エンジンポンコツだしな。ま、それより部活か。
「富山!」
部室から先輩に声をかけられる。
「うす!」
俺はそう応え、さっきまでの違和感のことはすっかり忘れ、そのまま部室まで走っていった。
特にその後、何があるわけでもなく、また通常の日々が流れていた。
同じクラスになってから、近しくなった勇太との関係は、驚くほど良好で、互いに何の違和感もなく友人から親友と言えるほどの仲になっていっていたし、あのスケスケ姫の到来から、全く浮気することなく、勇太だけが俺のオカズになっていた。
だって若いんだもん。
(綺麗な髪だな・・・)
でも、いつしか劣情だけではなく、深く知り合う前のもっと近づきたいと思ってた頃よりももっと、勇太に対する思いは深みを増していった。
(何となく、撫でたくなるような。そのまま見ていたいような。不思議な気持ちになるな・・・)
窓際の自分の席に座り、窓から吹く風に気持ち良さそうに身をまかせる勇太の姿を見ると、やっぱり、そのまま見ていたいような、それよりも腕の中に閉じ込めてしまいたいような気持ちになってくる。
拝観料を払おうと思っていた自分はいつの間にかいなくなっていた。
今よりももっと近くに近づきたいとか、触れてみたいとか、そして、その瞬間を大切に永久保存してしまいたいと思うような感情に、不思議と変わってきていた。
その気持ちの変化が何なのか、正直、よく分からなかった。
相変わらず、俺の検索エンジンはうまく動かない。
検索すればこの気持ちが何なのか教えてくれるのなら、簡単で、楽でいいのにな。
________________
ありがとうございました。
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